自分とは違う人たちがいる。それが「多様性」。
この世界には、自分とは違う人たちがいる。それが「多様性」。
顔がひとりひとり違うみたいに、手のひらの大きさから好きな食べ物、口癖、休日の過ごし方とか、全てが自分と違う。それが他人。
そんな他人がわんさかいる世界に、自分はいる。
自分のことはよく分かる。
自分が今、考えたこと。話したことの意味。心地よいこと、嫌なこと。寒い、暑い。眠い。
でも、他人のことはよく分からない。
何を考えているのか。何について話しているのか。どうして笑うのか。なぜ、急に機嫌が悪くなるのか。
冬なのに半袖の人もいるし、夏でも長袖の人もいる。
そういうよく分からない人たちと、関わるのは難しい。なぜかと言うと「よく分からないから」だ。
例えば、仲良くなりたい人がいたとして、その人が自分のことをどう思っているのか、完璧に確かめる術はない。
けれど、よく分からないなりに頑張って、友人や親友、恋人、家族とかになる。
とは言え、自分以外の人たちが、なにを考えているのかなんてことは分からない。
だから、僕たちは信頼関係を築くのだと思う。
話したことと行動したことに整合性があるとか、約束を守るとか、一貫性のある話をちゃんとするとか。
そういうことの積み重ねで、信頼関係を作る。そうすれば、その人の言葉を信じられるのだ。
信頼関係はもっと広義なものもある。
信じられさえすれば、目に見えないし、触れもしない「愛情」があると感じられる。
約束を信じられれば、車が真横を通っても平気だし、子どもを学校や保育園へ行かせても大丈夫だと思える。
僕たちは、大小様々な信頼関係の中で生きている。よく分からないけれど、分からないなりに他人を信頼しているから、社会が回る。
だから、信頼関係が「多様性」には必要だと思う。
どんな関係の人であっても、他人のことはよく分からない。でも、分からないままじゃ生活できないから信頼する。信頼関係は個人間だけじゃなくて、社会における約束事とかにもある。
君と僕は違うけど、信じてるから、話ができたり聞けたりする。
「他人だから、よく分からない」
それが「多様性」の前提だし、立ち返る場所なのだと思う。
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