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真面目なふり 不真面目なふり


#仕事の心がけ

私の職場はクレームだらけ

私はシティホテルに長年勤めていた。

欲望渦巻く繁華街の近くという立地だったので、お行儀のよい客ばかりではなく、またそこそこの高級ホテルだったため「値段に見合ったサービスを受けたい」と考える人々が暴走し、Highly demanding guestと呼ばれる、常識をはるかに超えるサービスを要求する客が多数存在していた。
加えて、お金持ちに見せたい見栄っ張りな客も多く存在し、その類の客は面倒くさい性格でキレやすい人が多い。

それらの客をコントロールしなければならない職場は常に多忙をきわめ、多忙であれば当然ながら人はミスを犯す。そのミスがまたクレームとなる。
クレームは対面だけではなく電話やメール、ネット上にもあがる。
その度に再発防止策が求められる。
ホテルは365日24時間、絶え間なく動いている。
防止策を練っている間にもまたクレームはくる。

そんなこんなでまったくもって自慢できることではないが、我が職場はクレームが起こっていることが日常茶飯事であった。

部下からも苦情はくる

そんな職場だ。
部下は悩みや不満を抱える。
どこの職場でもそうだと思うが、とんちんかんな事を言い出すスタッフも当然ながらいる。
上司としては職場環境の改善に常に努め、傾聴、共感、必要に応じてアドバイスを送りつつコーチングを行い、部下の成長を見守っていかなければならない。

だから真面目なふりをする

心臓をえぐられるようなドロドロしたクレームも、激高している客の対応も、不満を抱える部下も、相手の立場になって真面目に考え、真摯に対応しなければ解決の糸口は見えてこない。

意見したいこと、反論したいこと、おいおいおい、、と思うことが山のようにあってもぐっと堪えてひたすら傾聴する。
話を真面目に聞いていることが相手に伝わるように相づちや表情でアピールをする。
なぜなら皆が自分の意見は重要だと信じて疑わず、まるで自分の分身のように大切にしているからだ。
だからどんなにとんちんかんな意見でも、真面目な顔は崩さない。

だから不真面目なふりをする

自分一人が頑張っても得られる成果はそれほど多くない。
会社へ大きく貢献するには人材を育てることが一番だ。

人材が育つには自主性は絶対に欠かせない。
人に言われたことだけしかやらない人は、ある程度成長したのち頭打ちとなる。
だがみんな自主的に行動して失敗はしたくないし、誰しも恥をかくのは嫌だから安牌である「言われたことだけをきっちりやる人」の位置をキープする。

だから私がアホになることにした。
何も考えていない不真面目な人のふりをする。
部下から相談されても「どうしたらいいですかねえ?」とこちらが話しを振ってみる。
たいていの人は何らかの意見やアイディアをもっているが、恥をかきたくないから初めは言わないだけなのだ。

だがこちらがアホであれば、相手は安心して意見を言ってくれる。
仕事のやり方や改善案などの提案があれば、悪くはないが効果が大して望めないからやっていなかっただけのことでも、少し大げさなリアクションをして「それはいいですね!やってみましょう!」とあたかも私には思いつきませんでしたと言わんばかりの雰囲気を出しておく。

それを繰り返していけば「言われたことだけきっちりタイプ」からいつの間にか脱却していく。

ニュートラルな自分

私は査定に不満を抱いたことがない。
上司は何度か変わったが、たいがいよい評価をいただいてきた。

上司に対してはこちらの都合で真面目、不真面目を使い分けたりはしない。
基本は真面目8割、不真面目2割くらいのスタンスをとりながらギアはいつでもニュートラル。
上司に恵まれてきたのが一番の要因ではあるが、どんなタイプの上司とでも上手くやってこれたのはこのニュートラルな自分が大いに役立ったと思う。

真面目でもなく不真面目でもなく

何に対しても偏らないよう気を付けてはいても、
私の悪い癖でルールをきっちり決めないと気が済まなくなることがある。
グレーな部分を残したくなくなるのだ。

そんな時のために心の隅に置いている言葉がある。
伊達政宗の五常訓のひとつ「義に過ぐれば固くなる」である。
この言葉をかみしめればすっと頑固な心がほどけていく。

真面目でもなく不真面目でもなく。
心はニュートラルで。

これが私の仕事のこころがけです。

サポートしていただけるなんて夢のまた夢、、。 でも桃鉄では「夢のまた夢カード」でいいことが起こったことがあったような気が、、、。 夢のまた夢を目指してゆめの夢子は頑張ります。