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宇宙ビジネスの未来:衛星とスペースデブリの現実



最近、投資の話題として「宇宙」が注目を集めています。しかし、多くの人は「宇宙ってビジネスになるの?」「技術力は十分なの?」といった疑問を抱き、宇宙関連企業の株式を購入するまでには至らないことが多いのではないでしょうか。

実は、宇宙ビジネスを深く知れば知るほど、その魅力と可能性に気づき、今後大きな成長が期待できる分野であることが見えてきます。そこで、今回はその魅力の一端をお伝えしたいと思います。



宇宙ビジネスの基礎:衛星サービスが中心

「宇宙」と聞くと、多くの人は研究や開発、もしくはSF的な壮大な冒険を想像するかもしれません。しかし、実際に現在の宇宙ビジネスの主役は「人工衛星」に関わるサービスなのです。

人工衛星の歴史は、米ソ冷戦時代にソ連が初めて打ち上げたスプートニクに端を発します。当初は「誰にも邪魔されずに監視できる」という軍事的な目的がありましたが、技術の進歩により通信、リモートセンシング、GPSなど、多岐にわたる活用が進みました。特に現代では、防衛分野で人工衛星が重要な役割を果たしています。例えば、かつては敵の攻撃に対する反撃までに30分以上かかったのが、今では衛星技術によって“1分以内”に反撃できるようになっています。 



宇宙ビジネスを支える衛星関連サービス

宇宙ビジネスの多くは、人工衛星の製造・打ち上げ・維持・運用、さらにはそれを支えるロケットの打ち上げサービスによって成り立っています。現在、各国はより多く、より小型の衛星を広範囲に展開しようと競い合っています。特に、ウクライナ戦争でイーロン・マスク氏のスターリンクが注目を集め、人工衛星の重要性がさらに認識されるようになりました。

しかし、ここで問題があります。それは「スペースデブリ」、いわゆる宇宙ゴミの増加です。



宇宙ゴミ問題とその解決策

人工衛星を打ち上げる際に使用されたロケットは、燃料を使い切ると宇宙空間に放置されます。また、寿命を迎えた人工衛星や、アメリカ・ロシア・中国が行ったミサイル迎撃実験で発生した何千万もの破片が、宇宙の軌道上に漂っています。このようなスペースデブリが増加することで、限られた軌道上に障害物があふれる事態となっています。

人工衛星が周回する「低軌道」は、地球を90分で一周するほどの高速移動が行われています。毎秒7〜8キロという猛スピードで移動する物体に、小さな破片でも衝突すれば、人工衛星は大破してしまいます。数億円かけて製造・打ち上げをした人工衛星が、このような危険地帯に投入されるのは避けたいですよね。

そこで必要となるのが「デブリ回収事業」です。



世界初のデブリ回収企業:アストロスケールホールディングス

この分野で先駆けているのが、日本の企業「アストロスケールホールディングス」です。同社の強みは、「デブリに近づく技術」を有していることにあります。

先ほど述べた通り、デブリは高速かつ回転しながら移動しています。これを捕まえることは容易ではありません。しかし、アストロスケールは独自技術「RPO技術」により、デブリの動きに合わせて回収用衛星を同期させることに成功しました。これにより、デブリ回収用衛星から見たデブリが止まっているかのように見えるのです。

この画期的な技術を、日本企業が開発したのは誇らしいことです。そして、現時点でスペースデブリ問題を解決するための唯一の方法と言えます。

アストロスケールは現在、デブリ回収実証の最終段階に入っています。人類の希望を背負ったこの企業を、ぜひ応援していきましょう!

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