静岡で一番の社会貢献!「恩返し」を実践する、よっちさんのストーリー
子どもたちが主体的に生きる力を育むためのドリームマップ授業を提供する、「ゆめドリ」。
その「ゆめドリ」の活動はどんな人によって支えられているの?
「“個性キラリ”ゆめドリに関わる人たち!シリーズ」
第3回目のゲストは、活動会員+応援サポーターとしてゆめドリに関わる、増田 郁理(通称:よっちさん)です!
(聞き手:関 真理菜(以下、「まりな」で表記) ドリマファシリテーター@大分)
まりな:よっちさんとは、ゆめドリの活動で関わる機会もありますが、まだ知らないことも多いのでいろいろと教えてください。
よろしくお願いします。
よっちさん:よろしくお願いします。
まりな:旦那さんがフランス料理のお店を経営していると聞いているのですが、よっちさんは普段何をされているんですか。
よっちさん:私はお店には出ていないんですが、代わりに手描きチラシの作成をしています。
まりな:手描きなんですね!
よっちさん:そうなんです。
もともと意気揚々とオープンしたはいいけれど、最初の半年くらいはお客さんが来ませんでした。
お金もないしどうしようという時に、まずは、「自分たちでできることはやろう」と、手描きチラシを教えている方の動画を見て、見よう見まねで作ったのがスタートでした。
それからは、お問い合わせが増えて、半年で売り上げが6倍になったんですよ。
まりな:半年で6倍はすごいですね!
よっちさん:デジタルの中にアナログのものがあると、人の目を引くので、今の時代だからこそアナログなやり方でやっているんです。
あとは、同じように最初の集客に困っているような企業さんや個人事業主さんに、文章の書き方やチラシの書き方もお伝えしています。
まりな:コンサルティングですね(ここまでは事前知識あり)。
今は静岡にお住まいですよね。もともと静岡の方ですか。
よっちさん:もともとは、滋賀県なんです。
3歳になる前から、親の転勤で東京に住んでいました。
大学は、仏像の修復に興味があったので、関西の大学・大学院で歴史を学んでいました。
まりな:仏像の修復! それは初耳です。
その後、卒業してからはどういうキャリアをたどったんですか。
よっちさん:大学院でしばらく研究をつづけていると、
「何のために学問をやっているんだろう」
と思い始めたんです。
大学院でアカデミックなことをしていてもお金にならない。
「就職先どうするんだろう」
と思ったら急に不安になって、社会に出たいと思い、就職活動をしました。
その頃は、就職活動の超氷河期の名残があって、文系の大学院生という“足切り”もありました。
そのような状況で拾ってもらったのが旅行会社での営業でした。
まりな:そうだったんですね!
よっちさん:本当は営業が一番やりたくない仕事だったんですけど(本音)、まずは営業で入りました。
修学旅行や県庁の視察団を連れて行く企画旅行のプランを自分で考えて、それを提案しに営業に行き、受注して、添乗をしていました。
まりな:私も前職は旅行会社でしたが、普通は分担するところを全部やってますね!
よっちさん:そうですね。
ただ、入社する前に同時多発テロがあり、団体旅行が減り、頑張ってもなかなか給料は上がりませんでした。
それでも修学旅行の繁忙期は、帰ってきたと思ったらまた(次の)修学旅行と。
疲れている人も多くて、失礼ながら
「この人みたいになりたい」
と思うような理想とする人も会社の中に見つからなかったんです。
そりゃそうですよね。
自分で企画して、受注して、旅行も一緒について行く。
このままいったら過労死しそうだなと思って。
それで、未来がわからなくなって、リクルートに転職しました。
まりな:転職理由としては“正当”な感じがしますね。
ちなみに、リクルートでもやっていたのは、同じ営業だったんですね。(営業が一番やりたくなかったのでは?)
よっちさん:そうなんです。
旅行会社に勤めて一番良かったのは、営業の楽しさを知れたことでした。営業って本当にいろんな人と会えて、仕事の中でも一番の醍醐味を味わえるところだなと思ったんです。
その時は、もっとバリバリ稼ぎたいという気持ちもありました。
まりな:(バリバリ働く)イメージは沸きますね。
リクルートではどのくらいお仕事をされていたんですか。
よっちさん:11年です。
まりな:長いですね。その間によっちさんの中で変化はありましたか。
よっちさん:リクルートでは求人の営業をやっていたんですが、(前職とは)全然違う環境に最初は苦労しました。
ただ、お客様の課題解決に寄り添いながら、会社を成長させるという、人材に関わる仕事に出会えたことは、今の人生にもすごく良い影響を与えてくれました。
まりな:へぇ!人材に関わって良かったのは、例えば何ですか。
よっちさん:「人」はやっぱり切っても切り離せないですよね。
当たり前ですけど、人がいないと、どの仕事も成り立たない。
良い商品があっても、どの人が売るかで売り上げは変わってくる。
お見合いと同じで、その人が「どう生かされるか」だと思います。
この会社には合わないけど、別の会社には合うというパターンもある。
(合う人に)来てもらえるように、どう伝えるかという方法はあると思うんですよね。
例えば、コーチングやドリームマップにもつながるリフレーミングの伝え方ですね。
「良いとらえ方をすると~」という考え方です。
「お店は少人数だけど、だからこそアットホームである」とか。
「お客様(お店)のいいところを見つけて、それを人(求職者)に伝える」というのは、自分のお店を経営するところにもつながりますよね。
良いところを見て、その魅力をどう伝えるかというのは、すごく役に立っています。
まりな:なるほど。
リクルートで長く働き続けられたのはどうしてですか。
よっちさん:人がすごく良かったからです。
先輩がすごく自分を育ててくれたという恩は感じますね。
そして、「自分が受けた恩は後輩に返しなさい」という風に育てられている人が多い。
普通は忙しいときに質問しても断られることってあると思うんですけど、(リクルートでは)ちゃんと先輩が後輩を育てるために手を止めて話を聴く時間をとってくれたりとか。
そういう人に囲まれていると楽しいですよね。
あとは、忙しさや大変さの中にも楽しさや遊びを忘れない社風が自分に合ったんですよね。
まりな:納得です。
そんな志向がフィットした会社を辞めたのはなぜですか。
よっちさん:静岡のリクルートに転勤になってから、結婚が決まり、子どもが生まれました。
育児をしながら時短勤務で復職したんですが、もともと私は仕事が好きで長く働くタイプだったので、短く働く方法がわからない。
しかも自分ではコントロールが効かない子どもがいて、自分の頭がいっぱいいっぱいになってしまったんですよね。
周りとの連携もうまく取りづらく、ミスも連発して、何のために働いているかだんだんわからなくなりました。
「このままだと心が崩壊するな」と思って。
「一回休憩したい」と思ったタイミングで、夫が、今の前身であるお店でシェフとして働くことになったので、子育てとの両立のためにリクルートを辞めました。
まりな:そうなんですね。
よっちさんのことがかなり見えてきました。ちなみに、ドリームマップは何がきっかけで知ったんですか。
よっちさん:リクルート時代にお世話になった方の紹介で、女性の働く支援をされている、内田さんという方に出会いました。
ドリームマップのファシリテーターもされていて、
「ドリームマップの養成講座を受けると、ファシリテーター力がつくわよ」
と勧められました。
内田さんがおっしゃるなら、と養成講座を受けたんです。
子どもの教育に興味があり、「社会貢献」という点にも自分にフィットしました。
自分たちのお店でも、子ども食堂をしていて、夫と私の共通のワードが「社会貢献する」っていうことなんですよね。
まりな:おぉ。
「社会貢献」に関心を持ったのは、リクルート時代にさかのぼるような体験やきっかけがあるんですか。
よっちさん:リクルート時代には全然考えたことがなかったですね。
初めて静岡に来た時に、独特の文化を感じました。
最初は保守的なところがあるんですけど、こっちが心を開くと、向こうも心を開いてくれて、守って、世話を焼いてくれるんですね。
関西のそれとは違う温かさがあって、こんなに不慣れな県に来ても、子どものことを含めすごくお世話になることが多かったんです。
そこは、リクルート時代の先輩から教えていただいたように「受けた恩は返す」と。
まりな:よっちさん、やっぱりリクルート時代にさかのぼってます。
よっちさん:(笑い)
やっぱり、それは静岡の人達や社会に返さないといけないという思いがありました。
今までは社内に返していたものを、子どもがお世話になっている分、もっと広い視野で周りに返していきたいと思っています。
まりな:生活環境が変わったことで視点も変わったんですね。
子ども食堂や学校ドリマを続けてきてよっちさんの中で変わったことはありますか。
よっちさん:もともとは子どもとの接し方がわからなかったんです。
ドリームマップをやっていろんな子のいろんな「好き」や「価値観」に触れることで、当たり前ですけど、子どもであっても一人の人間であることに気がつけたんですよね。
そう思ったときに、子どもだから気を遣うんじゃなくて、普通に対等に話をすればいいんだな、と気が付いたんです。
まりな:(共感)
子ども食堂や学校ドリマを続けている理由は何ですか。
よっちさん:そうですね。
やっぱり、将来に対する不安や大人になることへの不安、いろんな不安を抱えている子どもも多い中で、ゲストスピーカーとして呼ぶ大人の話に触れることによって、
「こういう大人になりたいな」
「こういう仕事があるんだ。楽しみだな。」
と思える場を作っていくことが、私たちの使命なのかなと思っています。
そういう機会を子どもたちにどんどん増やしていきたいです。
まりな:へぇ(じわじわと感動)。
よっちさんが描いたドリームマップはそのあたりも含まれているんですか。
よっちさん:社会貢献をするという点において、静岡で一番でありたいと思っています。あとは家族の幸せですね。
まりな:なるほど。今日はよっちさんの話を聞くことができてよかったです!
ありがとうございました。
よっちさん:ありがとうございました!
(写真)家族とのひと時を過ごすよっちさん
インタビューを終えて・・・
もともとは希望していなかった営業という仕事を通じて得た、仕事のおもしろさや、恩返しの考え方、人材の重要性。
好きなことや大切なことは、思いがけないところで見つかることもあるものです。
また、自身のあり方から、会社の仲間、家族、地域社会への貢献、という関心の広がりは、まさにドリームマップの4つの視点(自己(物質)、自己(心)、他者、社会の視点)の広がりが伝わってきて、それぞれがよっちさんの行動の活力になっているように感じました。
様々な大人と関わる機会を通じて、静岡の子どもたちがどんな成長を遂げるのか、とても楽しみです!