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止めた先にあったもの

事業の拡大を止め、残業を禁止することを宣言した。残業したくないと言っていた社員のみんなだったが、残業を禁止した時の反発はすごかった。したくないけどできるわけがない。あの手この手で残業しようとした(笑)ただ僕は一度決めた事はなかなかやめない。


辞めないどころか次から次へと時間への意識や人間力を高める取り組みを開始した。


毎日その日の振り返りをして日誌を書くこと、毎週1冊本を読んで読書感想文を書くこと、毎朝1時間朝礼をすること。定時に帰ること。年に1度来年の生き方を発表すること。社員全員で素晴らしい会社の見学にも行った。

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仕事量は変わらないのに次から次へと仕事以外の事が増えていく。なのに残業はしてはいけない。この状況はブラック企業だという人もいるかもしれない。


素晴らしい会社を目指してやってきたはずなのに、事業が大きくなるにつれてそうでない光景が広がる。この状況を変えていくためには何かを変えないといけない。僕はそれだけを思っていた。


社員の成長が大事と言いながらも事業の拡大ばかりに意識がいっていた自分がいることにも気がついた。


社員のみんなから提出された日誌や読書感想文を読み、返事を書くことを日課にした。読んでいるうちに考えていることがわかったり、意識の変化に気づくようになった。


毎年200時間ずつ残業時間が減り、3年でほぼ残業はなくなった。残業が減るだけではなく、複業やテレワーク、子連れ出勤など自分が働きたいスタイルで働く人が増えた。


みんながやりたい事を実現していくのが見れるのは嬉しいことだった。時間が空いてきたのだから、また事業を拡大することも頭をよぎったが何か違和感があったのでしなかった。


僕は空いた時間でいろんな人に逢い、世界を周るようになった。

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