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映画「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」は退屈しない王宮フランス映画だった


映画館で観た感想・レビュー
とても良い映画だった。

フランス映画らしく、めまぐるしい起伏や起承転結があるわけではないのだが、全く退屈はしなかった。

フランス映画こそ映画館で観るべきかもしれない。テレビでは見落としてしまうような細かなニュアンスも、大きなスクリーンでは映えるのではないだろうか。


ジャンヌ
ジャンヌは物語の主人公だ。

生い立ちが不幸で、途中から高級娼婦となる。そして社交界を上り詰め、ついにはフランスの王にさえめとられるのだった。

ひとつ惜しいのは、役柄は絶世の美女的な扱いなのだろうが、自分にはそう見えなかったこと。

年代によってジャンヌを演じる女性が変わるのだが、若い頃の役をやっていた女優はとにかく綺麗だった。あのビジュアルで全編を見たかった気はした。

王とジャンヌ
フランスの王に宰相的な人が数々の女を送り込むのだが、どの人も王の気に召さなかったらしい。

そしてジャンヌも送り込まれる。そして見事に王と打ち解けて、共に暮らすことになるのだ。

そこで見せる王の、王ではない、1人のただの人間としての姿が良かった。

やがて王はジャンヌを愛するまでに至る。ひとりの女性として。ジャンヌは決して誰も好きになったり愛したりしない人間と言われていたが、彼女もまた最後に王への愛を打ち明けるのだった。

映画「ナポレオン」も男と女の話だったが、この映画も男と女の話の愛の話だ。

王がジョニーデップだと?
いまこの記事を書きながら調べていたら気づいた。王はジョニーデップが演じていた。まったく気づかなかった。

どおりで良い演技だったはずだ。

巧妙に自分というものを隠して役になりきってしまうジョニーデップの演技は恐るべしだ。

王のおつきの人
良い味を出していた。

ルイ16世


手頃な良い画像がないが、おそろしくイケメンだった。

フランス語
観始めてから英語ではなく別の言語だということに気づいた。

おそらくイタリア語かフランス語だろう。そう思うぐらいにはヨーロッパの言語の違いはよく分かっていない。

途中から宮廷とかが出てきて明確にフランスの話だと分かった。

自分は今ゆるく英語学習中なので出来れば英語が良かったのだが、むしろフランス語にも親しもうぐらいの気持ちに切り替えて観るようにした。

見どころ
王が崩御すると臣下たちはほんのしばらく悲しみ、そして次の瞬間、すぐに新しい王であるルイ16世の元に大勢が駆けつける。

言葉にすると何でもないシーンだが、このシーンがすごい。人間の権力の世界は不思議なルールで構築されており、ほんの些細なスイッチが物事が変わる

権力とはなんなのだろう。形のないところに形がある。摩訶不思議な権力というものの実体が描かれていた。

マリーアントワネットの時代へ
前に映画「ナポレオン」を観た時は、冒頭がマリーアントワネットの処刑シーンだった。

この映画の時代はもう少し前で、まだアントワネットが10代で宮廷入りするシーンもある。

こうやって歴史モノを何作も見ると途中で時代がつながるのが面白いと思った。

ルイ16世とマリーアントワネットが断頭台にかけられたのは知っていたが、このジャンヌも最後には処刑されてしまったらしい。知らなかった。というよりジャンヌの存在自体をこの映画を観るまで知らなかった。

彼女の最後の言葉は「あと1分だけ待ってくださらない?」「こんなに人生を愛しているわたしがここで最期だなんて」というような切ない言葉だったらしい。


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