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出版業界のすみっこで

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出版業界のすみっこからみる、本や出版についてのはなし
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2018年4月の記事一覧

コミュニティを発酵させるにはどうしたらいいのか?

コミュニティを発酵させるにはどうしたらいいのか?

発酵させることと「コミュニティ」をつくることは同じだ。それに、「発酵させる」という営みは、組織やチーム、人との関わり合いということにも共通している。

発酵という現象は微生物たちの営みだ。

酵母やカビ、乳酸菌といったマイクロメートル単位の生物種が、お酒や漬物、醤油や味噌をつくっている。ぼくたち人類は、長い年月をかけて、発酵という技術を習得し、おいしい食べ物や飲み物をつくることに成功した。
だけど

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なぜ「読書会」で出会えるのか?

なぜ「読書会」で出会えるのか?

ここ最近、「読書会」に参加したり、実際に企画したりしている。読書会はおもしろい。参加者としても主催者としても。あたらしく出会う人と、いつもしない話をする時間は、とても新鮮だ。1冊の本を通して出会う人、出会う自分、出会う言葉は、読書会の大きな価値なんだと思う。

“読書会は出会える”という話を聞いたことがある。
実際に、日本最大の読書会『猫町倶楽部』の読書会では、そこで出会ったことがきっかけで結婚し

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『発酵文化人類学』は、きみの感覚を発酵させる1冊。

『発酵文化人類学』は、きみの感覚を発酵させる1冊。

『発酵文化人類学』という本は、タイトルの通り「発酵」に関する本だ。ただの発酵の解説本ではない。科学の本でもなければ、難しい学問の本でもない。
文化としての「発酵」という現象を、さまざまな視点で考えていく一冊だ。発酵を再定義するような一冊だ。

正直言ってしまうと、はじめ悔しかった。
ぼくは大学院で生物工学を専攻し、発酵工学の延長にある専門分野で学んできた。だから、発酵のおもしろさをわかっている

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