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3か月予報(6~8月)

5月25日発表の3か月予報です。気象庁では6~8月を夏としているので

今回は夏の予報となります。

ポイントは梅雨最盛期~末期の大雨に警戒

梅雨明け後は例年通りの暑い夏です。

1.一般向け

大雨に警戒

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6月の降水量は西日本と東日本太平洋側で平年並みか多い予想です。

これは梅雨前線が本州付近に停滞しやすく

太平洋高気圧の縁を回って流れ込む南西からの湿った空気の影響で

梅雨前線の活動が活発になりやすいためで、大雨に警戒が必要です。

何回か警報級の大雨があり、その中でも特に酷い

災害級の大雨もあるかもしれません。

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また7月は梅雨前線が北上し北日本で降水量が多い予想です。

梅雨最盛期~末期は元々大雨となりやすい時期ですが

今年は特に要警戒といえます。

今まで災害が起こらなかったとは思わず

次は自分の場所かもしれないと思って、備えをしておきましょう。

梅雨明けに関しては、太平洋高気圧の西への張り出しが平年より強いため

沖縄ではかなり早く明けそうです。

その他の地域では、偏西風が日本付近で北寄りを流れることから

平年並みか少し早い予想です。

入りほどの記録的な早さにはなりそうもなく

梅雨の期間としては例年より長くなりそうです。

8月の降水量は全国的にほぼ平年並みですが

どちらかと言えば多雨傾向です。

偏西風がやや南寄りを流れるため

寒気が度々流れ込み、不安定な天候の日がありそうです。

高温傾向

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向こう3か月の気温は沖縄で高く、

西~北日本は平年並みか高い予想です。

今年は太平洋高気圧の西への張り出しが特に強く

沖縄が高気圧に覆われやすいため特に気温が高くなる予想です。

その他の地域は地球温暖化の影響も寄与しているため高温傾向で

例年通りの暑い夏と言えそうです。

チベット高気圧の張り出しは平年並みのため

災害級の暑さが何日も、というような気象条件にはなりにくいとみています。

今年もコロナ禍での夏を迎えますので、マスク熱中症に十分注意して過ごしましょう。

2.専門向け

6月、7月の多雨傾向

6月、7月ともに、200hPa流線関数は日本付近では高気圧性循環偏差となっており、偏西風北偏を示唆している。

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↑6月

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↑7月

特に6月の偏差が明瞭で、梅雨前線の北上が早いことを示している。

この北偏は亜熱帯ジェットのアラビア半島北部の高気圧性循環偏差の波列が伝わってきている。

7月もこの波列の影響で日本付近は高気圧性循環偏差だが6月ほどは強くない。

これらからいつもよりも前線の影響を受けるのが早くなるために

多雨傾向が出ているものとみられる。

8月の不安定

6~7月とは違い8月の200hPa流線関数は日本付近は低気圧性循環偏差となっていて、偏西風は南偏傾向となる。

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200hPa速度ポテンシャルを見ると負偏差がより強まっており

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850hPa流線関数の低気圧性循環偏差もより強まっている。

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PJパターンの強化により、その波列が伝わって南偏につながっているのかもしれないがよくわからない。

また、このPJパターンにより太平洋高気圧の西への張り出しが特に強く

海面気圧も台湾付近で正偏差域が見られる。

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北への張り出しは平年並みで、

前線帯に対応するくぼみが北日本付近にかかっている。

偏西風南偏により北日本に前線が残りやすいこととも整合的であると考えると、

東北地方の梅雨明けは遅くなる可能性がある。

500hPa高度場では北極付近は負偏差で正のAOだが

時々上空寒気は流れ込むとみられる。

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また前線に向かう湿った空気が流れ込みやすいため

東日本も不安定になりやすいとみる。

高温傾向

200hPa流線関数でチベット付近は若干高気圧性循環偏差が見られるが

チベット高気圧の西への張り出しは平年並みくらい。

太平洋高気圧の北への張り出しは前述のとおり平年並み。

地球温暖化の影響を考慮すれば平年並みか高いという予想にせざるを得ないが

基本的には平年並みくらいだろう。

むしろ梅雨明けが不明瞭になる可能性のある東北など北日本では

気温が低くなる可能性があるため留意しなければならない。





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