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人材開発に関する国際会議ATD ICE参加レポ/コロナ禍でリーダーに求められる役割はどう変化するか

違いに優しい社会を創るAn-Nahal代表の品川優です。

「アンナハルのダイバーシティ&インクルージョン研究所」第二回では、6月に参加した、世界最大級の人材開発に関する国際会議(ATD ICE)についてご紹介していきたいと思います。

アンナハルのダイバーシティ&インクルージョン研究所とは…?〉
このラジオでは、「日本におけるダイバーシティ&インクルージョンのあり方」をテーマに様々な観点から考えていきます。日本で働く外国籍人材や、この分野で活躍するゲストスピーカーへのインタビュー、社会トレンドや
事例などもご紹介していきます。

|前回のラジオ

第1回は「ダイバーシティが発揮されている状態とは?」「私たちにとって「多様な社会」とは?」など「企業におけるダイバーシティ&インクルージョンは本当に必要なのか?」をテーマに、チームメンバー2人で対談しました!

|そもそもATDとは?

まず始めに、今回ご紹介する国際会議の主催であるATDについてご紹介します。

The Association for Talent Development(ATD)は、1944年に設立された非営利団体で、約100カ国以上の国々に約40,000人の会員(20,000を越える企業や組織の代表を含む)をもつ、訓練・人材開発・パフォーマンスに関する世界最大の会員制組織(HPより引用)

この組織が毎年ATD International Conference and Exhibition (通称ATD ICE)と題して、人材開発領域最大級の国際会議をアメリカで開催しています。
私自身も2016年にデンバー、翌年アトランタで開催された会議に参加しました。2019年にはオバマ前大統領がKeynote speakerとして登壇、1万3500人超が参加する大規模な会議となりました。

ATDでは、人事領域の最先端や、現場での研究結果から新たな研修デザインの提言、世界中から集まる人材開発分野で働く人との出会いや議論、専門家と対話できる場になっています。

コロナの影響で国際会議の中止が相次ぐ中、ATDは様々なツールを駆使して初の完全バーチャル(オンライン)での国際会議を開催しました。コロナの影響は人材開発分野にも大きく与えており、世界中の職場で働き方が大きく変わりました。つまり、この分野で働く人にとっても前提が大きく変わるということです。

|今年のトレンドはやはりコロナによる働き方の変化

今年のテーマは何と言ってもやはりコロナ。
コロナによってリモートワークが余儀なくされ、人材育成をどのように進めるか、コミュニケーション様式が変わった中で求められるリーダーシップ、デジタルツールの活用、といったテーマが盛りだくさんでした。

ちなみに、100を超えるセッションの中でDiversity and Inclusion (D&I)をメインテーマにしたものは1つだけでした。このセッションでは南アフリカをはじめとする世界中の企業・行政における最新事例が取り上げられていました。

そのように、D&Iはそこまで重視されていないのかな?と思うかもしれないのですが、D&Iの要素が全てのディスカッションの前提になっているように感じました。

具体的には基調講演や他セッションの中でD&Iという言葉は使わないものの、心理的安全性や共感(Empathy)などD&Iで大事にしているリーダーシップの要素が繰り返し取り上げられていました。今回は、ここに着目してご紹介していきます。

|リーダーシップには自己理解と自己開示が重要

これまでのリーダーに求められる役割は、プロジェクトマネジメント、チームメンバーを適材適所に配置して(目標達成に導いて)いくことでしたが、今年のATDではリーダー自身のあり方、自分自身との向き合い方に言及する場面が多く見られました。

具体的には、リーダーの自己理解、自己との繋がり、感情の理解等。その上で、弱さを含めてチームメンバーにどのように自己開示するか。その上でのチーム作りについて様々な観点から議論されました。

その取り組みの実例として、参加者がワークシートに記入し、自身のビジョンや人生をかけて成し遂げたいミッションは何かについて掘り下げるセッションなどもありました。

全体を通じて、タスクとしてのリーダーから、自身のあり方の確立、チームメンバーのサポート、対面で会いづらい中での関係構築など、リーダーの役割が多様化・複雑化しているのだな、と改めて感じました。

さらに詳しく学びたい方は、
Keynote SpeakerのYouTubeをチェックして見て下さい!

👉この続きは、「アンナハルのダイバーシティ&インクルージョン研究所」第2回の放送をお聴き下さい🌸


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