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唯一無二の世界遺産建築物 メキシコ国立自治大学

出会って25年。
独特な壁画アートの図書館があるUNAM(メキシコ国立自治大学)は、私にとって初めてメキシコに来た当時を思い出す少しノスタルジーになる場所だ。

メキシコのモダニズム美術運動

とりわけ目を引くのが中央図書館の壁画アートだ。
巨大な箱一面にメキシコらしさを全面に感じる壁画がほどこされ、広々とした芝生広場越しに眺めていれば、気がつけば夕方。他の国々とは一線を画した独特なメキシコのモダニズム美術運動が、メキシコ壁画運動だ。20世紀初めのメキシコは、社会変革を希求した市民革命(メキシコ革命)の時期にあり、その革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティを民衆に伝えることを目的としたものである。

UNAM中央図書館

世界遺産のキャンパス

これまであまり意識してこなかったが、どの建物も機能的な形で縦横の直線が美しい(ちゃんと写真を撮っておけばよかった…)。数十年も経過しているので、設備としては古くなっているかもしれないが、ここで勉強することがUNAMの学生であるという意識・アイデンティティを形成する一役を担っていたりするのかもしれない。

UNAM講堂

メキシコ国立自治大学はメキシコシティの南部に位置し、2007年に「C.U. / Ciudad Universitaria」(大学都市)の部分が世界文化遺産に登録されている。1551年5月創立のペルー国立サン・マルコス大学にわずか4ヶ月遅れで創立された、アメリカ大陸で2番目に古い大学で、ノーベル文学賞のオクタビオ・パスの卒業校でもある。

20世紀の近代主義とメキシコの先コロンブス時代の伝統から派生した特徴が融合した傑出例で、ラテンアメリカの近代都市計画と建築のアイコンとなっている。また60人以上の専門家がプロジェクトのマスタープランに参画しているという点も世界遺産への選定基準として挙げられている。(参考:https://whc.unesco.org/en/list/1250/ )

半期の学費が1円?

貧困家庭の学生への経済的支援が手厚いようで、昔、学費が1ペソ(約8円)あれば卒業できる、と聞いた。ほぼほぼ正しい情報だったみたい。調べてみると、外国人でも年間3万円程度の学費で勉強できるようだ。

キャンパスの芝生には、お昼休みともなれば多くの学生たちがくつろぎ、大学らしい雰囲気に満ち溢れて、すでに二周り程上になった私には少し眩しい。大好きなジャカランダが咲きほこる3月は特に美しく感じるが、繁忙期のこの時期はなかなかメキシコに行くことができないのが残念だ。

大好きなjacarandaの花

UNAMへの行き方

キャンパスには誰でも入れる。本当は入ってはダメなのかもしれないけど、たぶん大丈夫。少なくとも屋外エリアは。

メトロ3号線(緑の線)のCopilco駅から歩いて5分ほどでキャンパスに、中央図書館までは約15分

Copilco駅へ向かう道

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