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ヨーロッパ的なお城とバッタのおつまみ 〜メキシコシティ〜

メキシコはサボテンのイメージはあっても、お城のイメージはない気がする・・・でも、メキシコシティには、とても素敵なヨーロッパ的お城があるのです。

チャプルテペック城 Castillo de Chapultepec

いかにもヨーロピアンな雰囲気のこのお城は、スペイン王領(ヌエバ・エスパーニャ副王領)時代に建設が始まったメキシコシティにある18世紀の建物。

19世紀に初代メキシコ大統領が国立博物館に指定し、アメリカによる侵略戦争やメキシコ革命に関連するものを展示する植民地時代のメキシコについて知れる歴史博物館になっている。

美しい緑色の孔雀石でできた飾り物
メキシコ皇帝マキシミリアーノ1世が使用した19世紀の馬車

私のチャプルテペック城のイメージは、この白黒のチェスみたいな床。トランプの絵柄も思い出す。なんだか好きで、他の場所でこのデザインを見てもチャプルテペックと関連付けてしまう。

高台に建っているため、メキシコシティの目抜通りであるレフォルマ通り越しにエンジェルの像が見える。望遠レンズの一眼レフとか持っていけば、絶対に格好いい写真撮れそうだ。

お城は大きく2つの場所に分かれ、手前側は博物館要素が強く、時代の遺物が展示されている。奥側はいわゆるヨーロッパのお城を訪ねたときと同じで、部屋そのものが展示といった感じで、目的別のお部屋が家具とともに紹介されている。その屋上部分には庭園があり、展望ベランダからは街も森も一帯が見渡せる。

一番手前側にある庭園にも展望テラスがあり、木陰のベンチで腰掛けて休憩していると、風が吹き抜けて気持ちがよかった。こんな気持ちがよく、広大な森が見渡せる場所が街の中心にあるなんて、とても贅沢。もちろん入場料は払わないといけないけどね。

それにしてもチャプルテペックって、うっかり慣れた名前になってしまったけど、何て意味なんだろう。

バッタのおつまみ chapulines

Chapultepecは「バッタの丘の場所」のことらしい。chapulínがバッタだから、確かにそうか。ちなみに、チャプリネス(chapulínの複数形)はオアハカを中心としたメジャーなおつまみで、塩やチリ、レモンをかけて小魚ミックスみたいな感じでつまむ。私は数度食べてみたけど、好みではなかった。エビっぽいという人もいてわからなくもないけど、特徴的な苦味がどうも・・・

ちなみに、これ↓
メキシコ料理をアレンジしたちょっとエキゾチックなピザ。

チャプリネスが乗っているピザ

変わり種ピザ Huitolacoche & flor de calabaza

変わったメキシコ食材で有名なものの一つがhuitolacoche。日本語訳するとトウモロコシ黒稲病菌。穀物がかかる病気なのだが、メキシコではトウモロコシがかかったものは、むしろ高価な食材となる。

見た目は黒くて、大体ペースト状に調理される。
このピザも生地に塗るソースに変身し、ズッキーニの花(flor de calabaza)やマッシュルームが乗ったこのピザ。とっても美味しかった!これはもう一回食べたいなぁ。他にもユカタン料理のコチニータ・ピビルがアレンジされたピザもあるので、次回のメキシコ旅行(は、時間が取れない予定なので、さらにその次か)では、この2枚に決まりだな!

Del huerto mexicano

ピザのお店は「Hanna Pizzería」

話が脱線してしまった・・・

【美術鑑賞】チャプルテペック城で気になった絵画

① Jorge González Camarena 《La Constitución de 1917》 1966
1917年にメキシコ現行憲法が制定された時の様子を描いたフレスコ画で、このお城の中にある壁画で一番印象に残った。当時の世界で最も民主的な憲法であったという割に、いわゆる共産主義的なイメージに思えた。

1917年憲法の制定:カランサ政権はアメリカ合衆国とラテンアメリカ諸国によって承認され、主導権を確保し、中間的なブルジョア勢力の支持を受けて憲法を制定した。1917年憲法は土地、水、地下資源は根源的に国家に帰属することと大土地所有の分割、農民・労働者の基本的権利の保護(8時間労働、最低賃金制、スト権、団結権の商人など)、信仰の自由を確定して教会の特権的地位を否定するなど、当時世界で最も民主的な憲法であり、立憲革命としてのメキシコ革命は達成されたと言うことが出来る。また他のラテンアメリカ諸国にも大きな影響を与えた。

引用 HP「世界史の窓」メキシコ革命 より 


② 《Bernardo de Gálvez》1796
  Fray Pablo de Jesús(線画部)& Fray Jerónimo(絵部分)

チャプルテペック城を着工したヌエバ・エスパーニャ副王のベルナルド・デ・ガルベスを描いた絵で、goladoという技法で描かれている。この技法、調べても他に見つけることができなかったが、文字を書く時のような線の引き方を用い一本の連続した線で形態を描く技法のよう。他に同じような作例を見ないだけに、確立した技法だったのか、本作品に試みられた特異な例なのかよくわからない。

チャプルテペック城への行き方・入り方

チャプルテペック公園は広大なので、どこからでもアクセスできるものの、中心部に一番近いのが北東入口「ライオンの門/Puerta de los Leones」。

スムーズに入場するには
もしも大きめの荷物や食料品を持っている場合、チケット売り場でコインロッカー用の専用コインを購入する必要がある。入城ゲートとチケット売り場が離れているので、このタイミングで申し出ないと余分に往復することになる。
コインロッカーの使用方法もコツがいる。コインを入れて、扉表面にある持ち手を上にスライドしてから扉を閉め、鍵をかける。

ちなみに私、入城ゲートでお菓子を持っていたためコインロッカーを使用するように言われたのに、専用コインがないためにチケット売り場まで購入しに戻る羽目に。さらにコインロッカーの扉をうまく閉められず、うっかり先に鍵を回してコインが使えなくなり、さらにもう一往復と、入城までにかなりもたもたしてしまった・・・

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