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初日の朝

その日は、早く起きた。10月の終わり頃の日の出は、7時半を過ぎている。朝一はまだ暗く、収穫隊が来るという7:30まで、ゆっくりと過ごした。予報は、曇り。昨年はモロッコ人の収穫隊に頼んでいて、日が昇ると同時にすぐに始まっていた。過去2年お世話になったけど、昨年、収穫量が少ない割に時給での支払いは高くつき、「だったら、バングラデシュ人の方が良いわよ。」と、搾油所のシモネッタにお勧めされて、今年は、バングラデシュ人の収穫隊にお願いしたのだった。朝8時。誰も来ない。契約もきちんとして、だからきっと、ちゃんとしている…と思ったのが良くなかったのだろうか。バングラデシュのボスに連絡すると、「アイツら、場所を間違えたらしい。」と言った。収穫隊の行った先は、オリーブ畑から車で1時間ほどのところ。「9時には着きますから。」と言う。それを信じる以外にはない。とりあえず、前日のように、手摘みで出来そうな小さな木のオリーブを摘んでいく事にした。収穫隊は、9時半になっても来なかった。また、電話をする。ボスも流石に平謝り。ボスが委託した収穫隊の長、ミニボスの連絡先をもらう。ミニボスが言った。「今、ここに居ます。」そこは、オリーブ畑を一山超えた先だった。「ナビとかは無いの?」収穫隊全員が移民だから、分かるのか、分からないのかが、分からない。知人に説明をお願いし、ようやく収穫隊がたどり着いたのは、10時を超えていた。2時間ちょっとのロスをどこまで補えるのかが課題。実は、オリーブ畑に隣接しているお隣さんの畑も収穫させてもらう予定だから、次の手を打とうと早めに打診することも考える。その日一日が、とても長かった。

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