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働くイタリア人
ようやく夏の気配が感じられるようになったイタリア。
気がつけば、オリーブ畑でも、セミの鳴き声が聞こえる。
先週の金曜日、搾油所に立ち寄った。
この時期はもう過渡期で、週末は開いていないとのこと。
だから、金曜日か月曜日に行く必要があった。
搾油所の事務担当シモネッタは、相変わらず忙しそうで、
「早くバカンスに行きたい…」と嘆いた。
仕事の出来るイタリア人は、本当に大変。
その他大勢の仕事の出来ない人間達の、フォローに入るのは、
いつも、仕事の出来る数少ない人になる。
イタリアの、食に関する法律は、割に厳しい。
検査なんかが入ると、あれやこれやと用意しなくてはならない資料もあって
てんやわんやなんだと、シモネッタは言った。
「この間なんか、『蓋』の検査に来たのよ。」
オリーブオイルを詰めるボトルの蓋は、
あとで継ぎ足し出来ないような構造でなければならない。
私が購入している容器も、きちんと承認されているものを購入しているけれど
少しでも経費を削減するのに、粗悪品を利用するところもあるのかもしれない。
「この間はね、会計士が計算間違えちゃってね、膨大な税金がかかることになっちゃったから、数年前の資料も引っ張り出さなくちゃいけなくて、本当に、頭痛いわ。」
何から何まで、彼女がやらなくちゃいけないのは、
彼女が仕事が出来るからである。
いい加減なイタリア人ばかりが目につくけれど、
出来るイタリア人は、本当に凄い。
私が搾油所を変えようと思わないのは、
彼女がいるからかもしれない。
7月の中頃、ようやくバカンスに行けるのだと言った。
「1週間くらいなんだけどね。」
イタリア人にしては、短すぎる夏休み。
働くイタリア人は、本当に大変なのである。
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