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極小農家の悩みごと

1ヶ月ぶりに、オリーブ畑にやってきた。
小さな小さな実をつけたオリーブの枝が風に吹かれて、ゆらゆらと揺れている。

「馬の餌にするんだ…」と意気揚々と言っていた
ご近所さんのところに出入りしている動物愛好家の兄ちゃんが、
どんな感じで草刈りをしたのだろうと
実は気になっていた。

オリーブ畑に来てみると、
やってはあったけど、
なんとも中途半端な感じがして…というのも
広く幅のあるオリーブの木々の間の中心部は
あいも変わらず、雑草にまみれていたのだった。

こんなもんかと思えば、これで良いのかもしれないけれど、
私ですら中途半端かな…と思うのだから、
それは、プロの目からしてみれば、一目瞭然であった。

ご近所さんが口々に言う。
「あれじゃあね。。。」

さて、どうしたもんか。
隣のおばちゃんに聞いてみる。
「いや、私もね、どうしようかと思っていたのよ。」
生まれながらにして、農家として生きているおばちゃんにとっても、
複雑な思いでいた…らしかった。
「彼にはやることがいっぱいありすぎて、精一杯やってくれてるのは分かっているから、文句を言うつもりもないけれど…」
問題は、動物愛好家の兄ちゃんにあるわけではない。

「誰に頼んだら良いのか…が問題ね。」

全く、その通りなのだ。
昨年、一昨年前にお願いした方に今年も頼んでも良いと私は思っている。
でも、おばちゃん曰く、
「金額が高いのよ。」

剪定にしても、収穫にしても、
作業員に支払う金額は年々上がっている上、
頼める人たちが激減している。
雑草は刈って、畑に放置しておいても良いだろうけど
剪定で切り落とした枝は、オリーブのある場所では燃やせないから
どこかに持って行かなくてはならないけれど
それは一体どこへ、誰が。
そんなことが山積みになっている。

こんな時、思う。
若い人たちは、どこにいるのだろう。

オリーブ畑近くの、農家に従事している人の殆どが
年金生活に入った人ばかりなのが
少し気になる。

「ちょっと、アレッサンドロに聞いてみるわ。」

結局、お隣のおばちゃんだけが頼りな私である。


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