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ダサい奴らに染まりそうになりながらも……

毎朝、この現場では朝礼前にみんなで構内の掃除をする。
一人親方で入った現場では、自分たちの仕事の手順以外では指示を受けることは少なく、この朝の掃除でも自由の身だ。
誰よりも早く現場に到着して、警備員さんの仕事であるゲートを開ける作業から参加をしている私は、コンビニ袋片手に外回りのゴミを拾う。

現場の外でごみ拾いをしているその作業中には必ず現場監督率いるゼネコンの御一行が通り過ぎる。

『おはようございます。ありがとうございます!』
と、その一団全員が私に挨拶をする。

もちろん`それ´狙いもあるが、真面目に物事に取り組むのは、自分の気分も含めて何かと得することばかりである。

昨日は悪寄りの人との触れ合いにより、若干感化されて気分が荒んでおり、そのように真面目にやる自分に対して嫌気すら感じていた。

「適当に要領よくやるのが出来るやつよ…」みたいな若い現役世代にありがちな風潮に呑まれそうになっていた。
自分の要領の悪さに気分はシラケ、要領よく無駄だと思われることを排除した結果、寝起きから普通に『まだ寝ていたい』と、気分が乗らずに今朝は朝飯もお弁当も、コーヒーすらも作らずに家から出発した……

セブンイレブンにて珈琲(大)を2つ購入してmyポットに入れ、朝食は現場近くの富士そばにて。

私生活では「女遊びが達者であれば…」仕事場では「業界知ってりゃ偉いんだ…」の、その枠からはみ出ると途端に弱くなる、お山の輩たちの会話を遠くから観望しながらも、その手の風潮に呑まれかけている私は肩身の狭い気持ちでいる。

喫煙所にて、昨日話し込んだお山の大将に話しかけられ、しばらく会話をすると、、何気に私は見込まれているらしい。
お互いに俺の話し方である畏(かしこ)まりまくったぎこちない口調で進む会話のやり取りに、私の周りは本来の自分の土俵に戻っていた。

さっきまで見えていた景色……

殺伐とまで映った周りに群れをなす作業者達は、同じ目標に向かう仲間に戻り、昨日にはケチョンケチョンに怒鳴られていた仕事のできないご年輩の警備員さんは不屈の意志を持つ元叩き上げの仕事人らしく映りだした。

こうなればこっちのものよ!

爽やかすぎる秋空の下で、明日は休みな今日の現場。

『張り切って参りましょうか!』

ご安全に(`・ω・´)ゞ

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