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*epilogue* 『心地よくあること』に貪欲であれ。

神々の遊ぶ庭ー大雪山で、4泊5日の縦走登山をした。

5日間の記録をマガジンで連載している。


下山した私たちは、美瑛にある宿に宿泊した。

翌日、宿を後にした私たちは、
穏やかな天気の中、千歳へ向かった。

夢のような4泊5日の山旅は、本当に終わったのだ。

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いよいよ登山が始まった!とワクワクした1日目。

長距離には合わない靴で、
痛みで挫けそうになった 2日目。

私の意思で再び歩き出せて
神様からの贈り物をたくさんもらった 3日目。

仲間の存在のありがたさと、
山での生活で感度が研ぎ澄まされてきた4日目。

今ここにいることの喜びを味わいつくした 5日目。

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大縦走で感じたことは、

大事なものって
ほんとに、殆ど無い

ということだ。

今必要だと思い込んでいたことも、
殆どは、必要でないことだと気づかされた。


膨大な量の通知の中に
今すぐ返さないといけないLINE、mailは
殆どなかった。

すぐにチェックしないといけないニュースも、SNSもない。

今すぐ買いに行かないといけないものも無い。


今日食べるもの、
今日必要な水、
今日の寝床、
身だしなみを整えるもの、
自分のご機嫌を取るための
たった3つのアクセサリー。

これだけを担ぎ、
大自然の中をひたすら歩いた。

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そして

綺麗だね、幸せだね、と
共有できる人が傍にいる。

どうでも良い話で、
笑い合える人がいる。

ただそれだけで
人は幸せなんだなぁ。


何かにいつも掻き立てられ、
スピード感を求め、求められる日々。

今まで私は、
何に追い立てられていたのだろう?


追い立てているのは、環境

それも確かだ。


けれど、

実際に追い立ているのは

当の私だったのかもしれない。


追い立てられるものに
必死にしがみついていた。

誰かよりも先に
誰かに負けないように

自分自身を追い詰めていた。

それは誰だったのだろう?
誰に負けたくなかったのだろう??

もう忘れてしまった。


必死にしがみついていくこと。
それだけでは、ガソリンは枯渇するだけだった。

燃料の素は、自分の意思のみ。

誰かを満たすことで
見返りをもらうことでもなければ、

誰かの期待に応えて
満たしてもらうことでもない。

自分の意思で明日の1歩を決めることが
1番のエネルギーの素になる。


縦走2日目で
動くと足に激痛が走るような場面で、

私はこれからどうしたい?

と自分に問うた。

そしてその決断に沿った現実が創造できた。

あの時、正解なんて本当にどこにもなくて
オリジナルで正解は創造できるのだと実感した。

条件が悪かったとしても
確かな気持ちで歩き続ければ、
必ず晴れるのだ
と言うことを
この旅で知った。

もちろん決めることが辛い時もある。
決めることへの勇気と強さが必要に
なってくると思うから。

勇気や強さがない時もある。

今決められない時は、それでいいのだとも思う。

またタイミングがちゃんとやって来るのだろう。

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そしてもう1つ実感したのは、

同じ目的のために集まった人達が
初めから完璧なチームでなくてもいい。

ということだ。

実は今回の登山メンバーの気持ちは、初めはバラバラだった。歩きたいルート、歩きたい登山のペースがそれぞれあったのだ。
でも、5日間を通して支え合いながら進むことで
1つのパーティになっていくことを体感した

一緒に過ごすうちにちゃんとパーティになれる。

だから、

傍にいる人に
始めから完璧さを求めなくてもいい。

人との関係は
それくらいライトな気持ちで
いいんだと思う。

ちなみに私自身にも、完璧さを求めなくて良い。

あるがままの今をただ傍観し、味わうだけでいいと思えるようになった。

前に進もうと少しジャンプして、
達成できるように調整して、

次の私らしい一歩を決めていく。

寧ろ勝手に、自然と、決まっていくのかもしれない。

今回の山旅でいつも太陽が足元を照らしてくれていたように

私が気づいていないような知らないところで、
いつも誰かが見守ってくれている。
そういう人は居てくれているのだ。

だから独りじゃない。
安心して、自分の一歩を信じて進んでいればいい。

与えられたタスクを全てこなす必要もないし、
期待に応える必要もない。

今の私に必要で、今の私の理念に沿ったものだけに取り組む。


私が『心地よくある』ということは、
とってもシンプルだった。

朝早くおきて、太陽いっぱい浴びて、夜ぐっすり眠る生活。
深く呼吸をする生活。
そばにいる人と、穏やかに笑い合う生活。
そんなものなのだ。

そのために、山に居ないときに
どんなことができるかな。

例えば、どこでもできる仕事をする。
シンプルに生きられる生き方を試す。
好きな場所に住んで、生活水準を落とさない生活をする。

……

想像するだけでなく、
実践してみないとホントの『心地よさ』は
わからないと思うけど、

『心地よくある』ことに
もっと貪欲に
なってもいい。

それだけは、確かである。


END


私の縦走エッセイに、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました★


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