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写真アプリから見つけた、わたしの「連作」|モネ展「連作と情景」の余韻



 大阪にある中之島美術館で、モネ展が始まった。(開催期間:2024/2/10〜5/6)


 今回の巡回展は、「モネ『連作の情景』」というタイトルが付いている。モネと言えば、『睡蓮』などの「連作」が有名だ。


 そもそも「連作」とは。

 同美術館のHPによると、

 同じ場所やテーマに注目し、
 異なる天候、異なる時間、
 異なる季節を通して

 一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりを
 カンヴァスに写しとった絵画のこと

 を言うとのこと。


 確かに、同じ視点から見た景色が、天候や時間が変わると、まるで別世界のように見えることがある。それが好きな風景なら尚更、見飽きることがない。

 音声ガイドの解説を聴きながら、〈プールヴィル〉〈積みわら〉などの作品を見て周った。モネの作品で惹き込まれたのは、色の移ろい筆使いだった。細かな手法はわからないけれど、風景が生きているように見える。

 描かれている木々が、"わさわさ"と音を立てて動き出しそうだし、海の絵では波の音が聴こえてきそうだった。

睡蓮の池。
音声ガイドに助けられて、
モネの世界へ没入。

 モネが描く絵の力に癒されるし、時代を超えて「心が動いた瞬間」に共感させてくれる。そんなモネ作品の魅力をたっぷりと味わえる展示会だった。


 この展覧会で絵画を見ながら「私にも『連作』があったではないか」と思いついた。何度も何度も登ったことのある里山で、何度も何度も撮った風景写真のことを思い出したのだ。

 すっかりモネに影響されて、真似をしたくなった私は、撮りだめた写真を使って「連作」を作ってみることにした。


『大文字山から眺める京都』

①夕暮れ


大文字の裏山を散策した日。
遠くの大阪の街まで見渡せるくらい、
澄み渡った空だった。


②雪の日


ある年の1月下旬。
雪予報と聞いて、
朝ウキウキ気分で登りに行った日。


③夏の終わり


青々と茂った緑が目立つ。
ちょっと育ちすぎではないか?と思うくらい
草がボウボウと生えている。
里山らしい荒々しさがある。


④秋深まる


何回も大文字山に登っていて、
火床からこんなに鮮やかな紅葉を見たのは
初めてだった。
もちろん、ノー加工です。

⑤冬の夜景


積雪があり、冷え込んだ夜。
夜景に惚れ惚れしてしまった。
温かいお鍋を食べながら、
ここでのんびりと過ごした記憶があります。
寒いのに。


自分だけの「連作」を探して


 スマホの写真フォルダから、同じ角度で、尚且つこんなに多種多様な写真が見つかるとは。自分でも驚きだった。

 「なんか好き」という感情が、この風景に惹かれる理由。「なんか好き」で、連作が作れちゃうんだなぁ。

 こうして写真を並べてみると、風景の豊かな表情がわかる。さらには、私はこうした変化の中で過ごしているのだなぁと、自分がこの街で過ごしてきた時間を感じ取ることができた。

 そして「自分が過ごしてきた時間」を表現し、味わえるおもしろさを、「連作」が教えてくれた。

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