【みこちゃん仏教心理学入門】マズローって図以外も本も面白いよ!
マズローは「図だけ知っている」というのはかなりもったいない
みこちゃん仏教心理学入門では、今後マズローの本を時々参照します。非常にいいこと言っています。でも、残念ながらマズローのあのピラミッドの図は誰でも知っているのですが、マズローの本を読んだ人はほとんどいないと思います。
かく言うみこちゃんも、マズローを実際に読んだのは、かなり遅く最近のことです。
例えば、この本はみこちゃんは、マズローの最重要著作だと思いますが、日本では全然知られていない。
最重要著作はこっちだと思われていますね。
あのピラミッドの内容について初めて語られたのがこの本なので、この本が最重要というのは、まあ順当な話だとは思います。
でも、この著作がインパクトありすぎて、マズローは図だけ有名な人になった可能性がある。
というのも、あの図……。
見てどう思いましたか。
おそらく「あーなるほどね、そうだと思うよ、そうなったらいいね」だと思います。みこちゃんもまさにこれ。「だから何?」でしかありませんでした。
でも、サムネイルに書き込んだように、あの図って、こういうことだったんですよ。
最初は生理的欲求から始まって、最後はここを目指しましょう!大丈夫、あなたにもできます。人間ってなんて素晴らしいんだ!なんて、そんなノーテンキなことは一言も書いてないよ!
簡単に言うとこの第2作で、マズローは人間の「成長したいけど成長する時の冒険は嫌だ、今の自分でいたい」というところに切り込んだのです。
例えば、例えばマズローで言えば、第2段階の本来安心、安全の段階である家族で、子供があろうことか虐待されている。 子供は、保護施設など第3段階で自分のひどい状況を認めてくれるところに「所属」することを求めますが、家に帰れば虐待されるとわかっているのに、しばしば、保護施設を脱走して家に帰ります。
なぜなんでしょう。ここまで解明して、もしくは解明しきれないとしても、それを問題としてこそ心理学ですよね。
つまり、問題の核心はこういうことです。
人はなぜ変わりたいのに変われないのだろうか(ピラミッドを逆に降りてしまうのか)
どうでしょうか、これだと、ぐっと深みがまして、なおかつ今この自分の人生を生きている私たちにとってこれって、めちゃくちゃ切実な問題ですよね。
三角形のピラミッドだけだと、「あーはいはい」でスルーですけど、あの図が実は「なぜ変わりたいのに変われない」「なぜ執着を捨てたいと思っても捨てられない」「なぜ嫌なことを忘れたいと思っても忘れられない」に答えてくれる図なんだ!と分かったらどうでしょう。
そうなんですよ。
そこまで書いてくれているんだったら、読んでみたい!と思いますよね。
実は、この視点が全面的に開花しているのが、みこちゃんの最重要著作だとみなす第2作の『完全なる人間』。ひとつの章まるごとがこの話題に割かれています(第4章 防衛と成長)。
でも丁寧に読み込むと第1作の『人間性の心理学』にも書いてあります。ちょっと引用してみましょう。
人間には一進一退があるわけですね、そして、そこを追求すれば、なぜいいことだとわかっている習慣がなかなか身につかず、悪いとわかっている習慣が捨てられないのか、というこのみこちゃんの『習慣読書術』全体のテーマにもなってきます。
そしてなんと(゚0゚)
お釈迦様も2500年にマズローとまったく同じことを考えていた!
仏教の四向四果(四双四輩)こそがあのピラミッドだった
このあたりは、実は仏教と心理学がもろに重なる部分です
仏教に四向四果(四双四輩)という考え方があります。
四向四果とは簡単に言えば、修行の段位です。みこちゃんのやっている空手で言えば、ここまでが白帯で、次が茶帯で、最終的に黒帯みたいなものです。
①預流向→預流果
②一来向→一来果
③不還向→不還果
④阿羅漢向→阿羅漢果
と分かれていまして、「向かう」と「結果」になっています。
向かうっていうのは、頑張るぞ!と決意することで、結果はつまり手に入るものです。
そしてこの四向四果でもまた、仏教は、現代心理学の巨人マズローとおなじく重要な考え方として「成長知」「防衛知」をきちんと検討しているのです。
おもしろいですよね。
ここでもまた、仏教が2500年前にマズローが第2作でやっと問題として大きく取り上げることにできた重要な心理学のテーマを完全に先取りしていました。
なんで前の段階に戻っちゃうのか、ちゃんと追求して書いてあるんですよ!(゚0゚)
このあたりは、みこちゃん仏教心理学入門ではとても大切な考え方になってきますので、また取り上げますね!
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