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AYA世代のつぶやきときどき短歌/『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』…

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AYA世代のつぶやきときどき短歌/『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』2021.左右社/ あの風プロジェクト(https://note.com/anokaze

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『水路をひらく』(真野陽太朗)をよんで

ご無沙汰してます。 今年はnoteから離れていましたが、文フリで出会った歌集の感想をどうしても書きたくて。 真野陽太朗さんの第一歌集『水路をひらく』です。 こちらの歌集は、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSと左右社の筒井さんによる「短歌を詠んだら歌集を編もう。SPBS THE SCHOOL 歌集編集ワークショップ」制作コースを通じて制作された歌集とのことで、デザインや編集にプロの方々が関わっているというなんとも羨ましい歌集なのです。 11/1

    • 大森静佳『ヘクタール』/触れるものからするすると物語が紡がれていく

      大森静佳さんの第三歌集『ヘクタール』を読みました。 この歌集は2018〜2022年の間に詠まれた短歌1000首から300首ほど選歌し、昨年の夏に出版されたものです。 大森さんは、第56回角川短歌賞をはじめさまざまな賞を受賞されている30代の歌人ですが、歌集を読んだのは実はこれが初めてです。 読んでみて、大森さんの繊細で身体的な表現に一気に引き込まれました。 なかでも『血ののぼる頬』『阿修羅』『夢のロープ』は何度も読むうちにぐっと胸に迫るものがありました。いくつか引かせていただ

      • ピアリングさんの笑顔塾で講演させていただきました✨

        お久しぶりのnoteです! 秋の夜長に、日常のことや短歌のことなどまたぼちぼち綴っていこうと思います。 さて、本日はAYA世代としてのお話になるのですが、2020年のあの風プロジェクト以降、ありがたいことにイベント等にお声がけいただく機会も増えてきました。 今年の8月には、女性がん経験者のための日本最大のコミュニティーサイトであるPeer Ring(ピアリング)さんで講演(この響き、未だ慣れません…💦)させていただきました✨ 今回は、AYA世代に向けて開催された笑顔塾のな

        • 拝啓 犬口さま (『とこしえの犬』を読んで)

          暑い日が続きますね! 
本日は、先日届いた犬口マズルさんの第一歌集『とこしえの犬』の感想を綴らせていただきます。 犬口さん(@dog_muzzle)とは、昨年のナナロク社さん主催の岡野短歌教室(0期生)をきっかけにその後も交流させていただいています。 歌人として7年目ということで、作りためた作品を一つの区切りの気持ちも込めて今回歌集としてまとめられたとのこと。 手元に届いた瞬間、まず装丁にしばし度肝を抜かれます。表紙のデザインもさることながら、三方小口染め(ナナロク社の村井

        『水路をひらく』(真野陽太朗)をよんで

        • 大森静佳『ヘクタール』/触れるものからするすると物語が紡がれていく

        • ピアリングさんの笑顔塾で講演させていただきました✨

        • 拝啓 犬口さま (『とこしえの犬』を読んで)

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          9本

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          『とこしえの夜』でのご紹介、ありがとうございます!

          こんばんは✨関東は、今週はずっと梅雨空のようで梅雨明けが待ち遠しいですね。 さて、『黒い雲と…』の出版から、なんと今日でちょうど四ヶ月が経ちました📕 先週末は刊行イベントが和歌山市民図書館さんで開催され、私も26人の作り手の代表としてオンライン出演させていただきました。(案の定、とても緊張しましたがとても楽しかったです!) そこで一緒に出演された左右社の編集担当の方もおっしゃっていたのですが、この歌集は出版後も色々な方を巻き込み新しい風を生んでいく1冊だなぁと改めて感じまし

          『とこしえの夜』でのご紹介、ありがとうございます!

          『水中で口笛』の実直な歌がしっかりと背中を押してくれる。

          おはようございます✨ 今朝はムシムシしていて、いよいよ夏到来でしょうか。今年は夏バテにならないよう気を付けようと思います。 さて、最近たくさん歌集を購入しています。昨秋ごろから注目歌集の出版が相次いでいて、積読が減りません!noteに購入した歌集について書けば、少しずつ消化できそうなので地道に紹介してみようと思います。 6月1冊目のご紹介は工藤玲音さんの『水中で口笛』(左右社)です✨ 『水中で口笛』 著者:工藤玲音 /出版:左右社 くどうれいん、待望の第一歌集刊行! 「

          『水中で口笛』の実直な歌がしっかりと背中を押してくれる。

          『ここでのこと』は細部までとても贅沢な歌集。

          こんにちは。 年明けから新刊の歌集が続々登場していて、Twitterで見かけるたびついAmazonでポチポチしてしまいます。 最近は告知ばかりでしたので、たまには読んだ歌集の紹介をさせていたください✨(※私の偏愛により、本の紙質に関する感想多めです汗) 歌集『ここでのこと』 制作・発行 ELVIS PRESS 愛知県にゆかりのある9人の歌人、谷川電話、戸田響子、小坂井大輔、寺井奈緒美、辻聡之、野口あや子、千種創一、惟任將彥、山川藍が、県内の様々な場所を想いながら作歌したア

          『ここでのこと』は細部までとても贅沢な歌集。

          紙にこだわった短歌zineを作ってみた。

          短歌をはじめてもうすぐ一年。 ナナロク社さんの「岡野短歌教室(0期生)」や「あの風短歌レッスン」で短歌を基礎から教わり、仲間と切磋琢磨しながらマイペースに詠んできました。だいぶ作品がたまってきたので、最近では連作を考えるのがとても楽しい!一首では地味な作品も、いくつか並べてストーリー性を含ませることで、連作ならではの重層的な表現ができることに気づきました。 明度の違う短歌を組み合わせて感情のうねりを表現しても良いし、キーワードが重なる短歌を近くに並べて時間の流れを表現しても良

          紙にこだわった短歌zineを作ってみた。

          短歌集が、出ます。

          お久しぶりです✨気づけばnote更新が昨年末から滞っておりました汗 もう二月ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。。😂 さて2021年一発目のnoteはいきなり、告知をさせてください。 昨年から、サバイバー仲間と進めてきた「あの風プロジェクト」がやっと形になります!そもそもこのPJは、女性がんサバイバー(がん経験者)ならではの想いや体験を”短歌”に表現し、一冊の本として完成させること、を目的に進めてきたのですが、昨晩、その短歌集の発売に関する情報がついにリリースされ

          短歌集が、出ます。

          SHINING WOMAN

          久しぶりに写真集を買いました。 殿村任香(とのむら ひでか)さんの「SHINING WOMAN」です。 命の芯こそ、美しい――。 女性のがんだけでなく、がん患者に対する概念を変えたい。 女性達が生きやすくなる世の中になって欲しい。 変わらぬ大切な日常として、外界に出れるよう。 という想いから昨年、SHINING WOMAN PROJECT #cancerbeauty を立ち上げた殿村さん。女性がんサバイバー(がん経験者)のポートレートを撮り、力強いメッセージとともに世に発

          SHINING WOMAN

          「あなたのための短歌展」に行ってきました

          ナナロク社さんの「あなたのための短歌展」という、今月1日から東京高円寺で行われている、歌人木下龍也さんのイベントに行ってきました。 このイベントはなんと木下さん自身が展示物。 殺風景な真っ白な部屋に木下さんが座られていて(コロナ感染予防のシールド付き)2メートルくらい手前に、参加者が座る木のベンチが置かれています。 参加者は木下さんと向き合う形で椅子に腰掛け、自分のエピソードを語ります。時々質問などを挟みながら目の前でメモをとる木下さん。 15分ほどの会話が終わると、その

          「あなたのための短歌展」に行ってきました

          心が病気を乗り越える「闘病アカウント」という場。

          私はInstagramをしています。 病気が発覚してから元々持っていたアカウントは一旦休止して、別のアカウントを作り直しました。 いわゆる「闘病アカウント」です。 闘病アカウントでは、同じようにがんと戦ういろいろな方と繋がっています。 多くの方が自分のプロフィール欄に「がん闘病中です」や「○年に手術、△年から抗がん剤治療を開始しました」など、詳細に自身の症状や治療経過を綴られています。 同世代や、同じタイプのがん患者の方を見つけると(インスタでは似たような環境の方が、タイム

          心が病気を乗り越える「闘病アカウント」という場。

          フランキンセンスの香りに誘われ

          久しぶりに、アロマオイルを買いました。 無印良品の「フランキンセンス」のエッセンシャルオイルです。 フランキンセンスは「乳香」と呼ばれる、樹木の樹脂の塊から抽出したもので、古来から宗教行事に欠かせない特別な香りです。 古くは、古代エジプトの墓から見つかり、キリスト教では礼拝の際に焚かれ、時代や国を超えて重宝されました。 お香以外にも、中国では漢方として用いられ、鎮痛・止血などの効能があるとされます。 現代では、フローラル系や柑橘系の香りに混ぜて香水の材料としても良く用いられ

          フランキンセンスの香りに誘われ