「異業種から来た人に、業界を変えられるはずない」と言われたら、どう立ち向かいますか?

ワインをはじめとした、モノづくり領域で起業しました山本です。モノづくりに真剣に取り組んでいる、ワイナリーさん、職人さんを幸せにしたいと日々事業を造っています。

本日は私が起業してきて、毎日のように言われている、「うちの業界のこと分からない人が、業界を変えるとか言ってても、信用できないんだよね。もっと勉強してから来て。」というご指摘を何度もいただきました。

この言葉に、どう立ち向かうかを、書いていきます。

異業種からの参入の、ハードルの高さ

まずそもそもですが、私は教育やメディア、広告の分野で言うと、そこそこ経験があります。

立ち上げされたばかりの教室で、指導やスタッフの育成をしたり、新規定業の営業立ち上げから入り、会社一の売り上げを作ったり、それなりに結果も出してきたと自負しています。

ですが今回、事業として立ち上げる、ワインなどの高級酒はまったくの未経験で、知識とあまりありませんでした。

そのため、ソムリエの方や、ワインの造り手の方から、「そんな甘い業界じゃない」「あなたなんかに変えられない」「信用できないんだよね」と何度も指摘を受けました。

もちろん、指摘の通りだとも思います。異業種での起業ということは、生半可な覚悟で挑戦しても、上手くいかないことが多いでしょう。

私のように、業界のことを何も知らない若造は、中の人から見ると「野球経験が乏しいのに、イチローになりたいという子ども」のように、夢物語としか聞こえなかったのでしょう。

でもそれでも僕は、今までお会いした造り手の方のためにも、日本の良いものをもっと楽しみたい買い手のためにも、モノづくり業界に入り、事業で変えていきたいと、決心しています

※この背景は、こちらの記事をごらんくださいませ。

異業種からの参入で、成功するためには

新しい挑戦というのは、それだけリスクだ伴います。ですが絶対に成功しないと言うことも、無いと確信しています。

なぜならば、多くの起業家を見ていても、未経験の領域に挑戦し、大きな成功を収めた人は多数いるからです。

一方で、生半可な覚悟や行動では、上手くいかないだろうとは思っています。当たり前ですが、豊富な業界経験者のほうが、勝てる可能性は大きいかもしれません。ではどのように異業種で戦っていくかを、考えていこうと思います。

① まずは自ら狂ったほど努力する

これは最低条件です。事業をすすめる中での、自分のスキル向上という意味合いもありますが、周りからの信頼を作る意味のほうが大きいかもしれません。

例えば私は、ワインの事業をすると決めた時から、図書館にこもり、ワインに関する数十冊の本を読み尽くして、Evernoteにまとめていました。

本で学べることは、すべて学んでおかないと、専門家の方と話す時にも、話がまったく通じないからです。どんなに未経験の領域でも、数十冊読む頃には、基本的なことや市場感は何となく理解できるもので、それを短期間にやり切ることで、仲間や出資者、業界の方にも覚悟を感じてもらうことができるんじゃないかなと。

また、味に関してもきちんと理解できるように、毎月100本以上のワインを、試飲しております。プロ向けの試飲会に行き、いくつものワインを飲む機会をつくり、それぞれのワインの魅力を、自分なりに言語化していってます。

おそらくすぐにワインの見極めができるようにはなりませんが、4ヶ月程度で味や香りは何となくわかるようになってきました。

このように誰でもできることを、誰もできないくらいやり切ることで、経験の差をいち早く埋めていくことが、大事なのかなと思ってます。

② 一次情報を足で稼ぐ

ワインの事業をすると決めた次の日から、ワイナリー に実際足を運びました。これまで100近くのワイナリーさんに行っています。

その中で本で勉強したこととは違う情報や、その情報の確からしさを確認しました。

本や記事などで見た情報は、著者が無意識に曲解している可能性あるので、一次情報をしっかり取りに行くのは、長期的な事業の意思決定にも関わることだと信じてます。

また、一次情報を取りに行くのは、差別化要因にもなると思ってます。

例えば私が、日本全国のワイナリーをすべて巡って、生産者全員の方に事業の話をして、ほぼ全ての方の賛同を得ることができれば、それ自身が参入障壁になり、事業の成功確率を上げるでしょう。

つまり誰もやりたがらない、めんどくさいことを、やり切れること自体が、事業を前に進めていくのです。

そしてこれをやりきれれば、信頼という大きな武器が手に入ります。

③ その業界の権威ある人を巻き込む

異業種からの起業でも、猛烈に勉強して、何度も一次情報をとりに行けば、ある程度のレベルまで、知識や経験は身につけられます。

しかしその業界からの信頼や深い経験とは、一朝一夕で身につくものではありません

では下積みを数年間やったほうがいいのか?と言われると、長い下積みを経ることで、スピード感を失ってしまうので、事業が失敗する可能性が上がり、助けたい人を助けられなくなります

私はビジョン達成のために、生きているので、これだけは避けなかればいけません。

ではどうするか。結論は業界内での信頼が厚い方を、巻き込むしかありません。

もちろん口で言うほど、簡単ではありません。

よく知らない、スタートアップのサポートをするのです。いろいろなリスクを、その人も取ることになります。
往々にして、厳格で業界からの信頼の厚く、なかなかYESを言わない人ほど、誠実な方が多く、巻き込むべき人だったりします

難しかろうが、ここをやり切らないといけません。むしろこれが異業種からの起業での、最初の壁なのかなとも思っています。

スタートアップとして、早急に事業を拡大し、助けたい人を助けられるようになるためには、非連続な成長をしなければいけません。

そのためには、普通に採用や誰かを巻き込むだけでは足りず、やはりS級の方々を巻き込めるかどうかにかかっています

起業家として、経営者として、このS級のかたを巻き込む努力を惜しまないことが大事です。

ではどう巻き込むか。様々なアイデアはありますがやはり「こいつはやってくれるんじゃないか?」という覚悟や期待を見せないとなと思ってます。

つまり①〜④をやりまくるのみ。最後に覚悟と行動、ロマンとロジック、すこしの愛嬌があれば、きっと手伝ってくれる人を、仲間に引き入れることができると信じてます。

④ 誰かから心配されるほど努力する

大事なことなので二回目ですが、努力はすればするほど事業に帰ってくるので、やるべきです。

ただワインやモノづくりの事業をやるからと言って、ワイン、モノづくりだけを知っていれば良いと言うわけではありません。

日本全体で見た時のものづくりの状況。世界全体で見た時のブランドの受け入れられ方。他のスタートアップの戦略と、自社のリソースをふまえた、戦略と、戦術、そして実行が必要です。

また他業界の変化などを踏まえて、自分たちの領域を比較、類推して行くことで、適切な意思決定を下すことができます。

起業した身として。仲間、投資家、ワイナリー、お客さんを巻き込んだ身として。覚悟だけでなく、実際に事業を前に進め、大きくしていく義務があります。

努力することは当たり前。その中で、ほかの起業家100人がいた時に、「自分が一番、努力している」と心の底から思えるか?

それを毎日、胸に手を当てながら、事業に向き合っていく必要があるのかなとおもってます。

異業種への挑戦に、悩んでいる人へ

最近、「よく自分が知らない業界で挑戦しよう思いましたね」とよく聞かれます。

ある1人に、その言葉の裏に何があるのが、よくよく聞いてみると「いままの業界で得た知識や経験を、他の業界で活かせるかどうか分からず、挑戦するのが怖い」という感情があるんだなと理解しました。

確かに何も知らない業界に入っていくのは怖いことです。

ぼく自身も起業して、事業に悩んだ時は、2日ほど寝込むくらい、不安や恐怖を感じていました。

ですが、勉強して、いろんな造り手、専門家や、未来のユーザーに会う中で、だんだんと不安や恐怖が自分を縛ることは少なくなりました。その理由は「恐怖の大半は、知らないことから起きる」からです。

つまり、知っていけば、勝手に恐怖は薄くなっていくのでは?と考えています。

そして中に入ってしまって、不格好でも、もがきながら学んでいけば、勝手に知識はついていくものです。私が保証します。

最後に、Appleのスティーブ・ジョブズが、ペプシの社長を口説いたときの言葉を書きます。

残りの一生を砂糖水を売って過ごしたいですか?
それとも世界を変えるチャンスを手にしたいですか?

ベンチャーとは、新しい価値の創造です。

そして価値の創造とは、世界を変えるきっかけを造るものです。

だからこそ、私たちのようなスタートアップで、挑戦する人、参画する人が増えればいいなと思います。

もちろん起業だけでなく、仲間として入ることで、業界を変えていきます。今のあなたの専門性が、必ずどこかの異業種の場所で、きっと大きな力を発揮するはずです。

さいごに

OWNERSでは事業を一緒に成長させる創業期のメンバーを探しています。募集ポジションについては近日中に別エントリを出しますが、OWNERSの思想に共感してくれた方がいたら、僕のSNSアカウント宛にご連絡ください。どこでもお伺いしますので、お茶させてください。

Twitter: https://twitter.com/yamayued
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Wantedly: https://www.wantedly.com/companies/company_8242388

この先のビジネスのお話や実現したいことについては順を追ってリリース経由で伝えさせてもらったり、今回みたいなnoteやTwitterを公開したり、OWNERS内にてご報告しようと思います。これからも見守っていただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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