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記事一覧

詩 河

綾羅錦繍を抱えていた ただ一つとして名も知らぬ異国へらいら 委曲をつくせど動かぬ指を 雪に…

雪屋双喜
7日前
2

詩 波

無作為な個を一つ一つ赦していったその先に 私さえもいない透明な感情があって 無音や無風や…

雪屋双喜
12日前
3

詩的計画の序

裸の切なさを共有するシステムとしての 液晶の価値を金額で比べる普遍人の情動 一匹で群れ始…

雪屋双喜
1か月前
4

現像

 一人でいるとき、誰かを思い出すのは  熱と色と夏が来る期待感と切なさを  不意に思い出し…

雪屋双喜
2か月前
6

天使の翼をレンタルできて 名も知らぬ鳥と似た羽を背負う時代 動かし方を忘れた後で 理論だけ…

雪屋双喜
2か月前
3

現代詩でハグして死んで

自分の恋を綺麗だと信じている10代のグロテスクな輝きが手元に無くなる虚しさが憎くて恋は全部…

雪屋双喜
3か月前
8

詩 互換性

今まで が違う私に わかる と言ってくれる優しい人に 来ないで と言えずに甘えた私に こんなことを願ってみる 演じるなら きっと何も 生きていないような 心が柔らかいうちに 遠くまで見えるところで 守りをするパイプの煙を 眺めた美しい夕暮れの中に どこから どこへ なぜ 理由なんて 知る前に知った記憶が子供の頃にはいくつあっただろう 見栄を甘えが許すとき私は死にたくなんてない わかるなんて 言わないで わからないなんて 言わないで ありのままでは痛いのに 心が

青春

青の色は変わっていった 水性絵の具を絞り出して 小さなキャンパスに 傷をつけながら塗りたく…

雪屋双喜
3か月前
4

【現代詩】十分な自由

配慮と邪な優しさは裏を返しても十分な人間らしさを持ち合わせている。想えば色が変わるなら心…

雪屋双喜
3か月前
6

恋を愛して乙女よ歩め

あたしもあなたもあの人も いつかに向かって歩いてく 夜を猶予う春風に 私は心を預けては ま…

雪屋双喜
3か月前
1

甍を越えた蝶 果てを探る冬蜂 燭台を倒した春風 気紛れに夜を泳ぐ 純粋よりも強かな殺意に …

雪屋双喜
3か月前
5

現今

ずっと誰かの記憶を見た。 白鷺が首を縮めて飛び往く姿。 電線の先の油彩のような月夜。 紫陽…

雪屋双喜
4か月前
8

沈黙

揺らぎの隙間の同時性を持った緊張 乱視の混じった視線の先には たった今気が付いた他人が見え…

雪屋双喜
4か月前
7

十五月の指先にあなたがいますように 小声の唇に揺れる吐息が頬を撫で 瞬きの一つが時間をつくり 少しだけ冬を思い出す それぞれの春が巡ってきて 雨の止むように 煙の昇っていくように あなたは自分を知っていく 触れることのない思いが増えて 心を梳かしゆく風の後ろを 寂しいのだろうか あなたの瞳を春が照らした さあ、遠くへ行く君へ。 別れを惜しむよりも些細な約束を 十五月の指先に灯を燈し 晴れた道を一人ゆけ どうか空よ凪げ 雪屋双喜 2024.1.30 数えきれぬ旅立ち