モンスタークライアントでズタボロになる漫画が超おもしろい #note感想文
毎日のように、更新を心待ちにしているnoteのマンガがある。星きのこさんが描く「うっかり「モンスタークライアント」と仕事したらズタボロに」だ。モンスタークライアントが徐々に主人公(作者)を追い詰めていく様子が、ドキドキハラハラするとてもおもしろい作品なのだ。
『うっかり「モンスタークライアント」と仕事したらズタボロに』ってどんな話?
フリーの漫画家をされている星さんが、実際に遭遇した「モンスタークライアント」の実話をもとにしている。モンスタークライアントとは、非常識な無茶振りをしたり、金額のわりに大きな要求をしてきたり、話が全く通じないなど、人を自分勝手に振り回す「規格外」なクライアントを指す。
星さんの場合、マンガを掲載する書籍の著者がモンスタークライアントに該当する(書籍の担当編集者も「準モンスター」的な存在)。著者は霊能力者の女性。彼女が全国の神社の神さまから聞いたお告げの内容をマンガにまとめていく書籍で、星さんは神社の挿絵を担当することに。
依頼されたときは「書籍の仕事おもしろそう」と感じた星さんだったが、徐々に著者に違和感が芽生え始める。
あまりにも気軽に、著者から修正指示がとんでくるようになるのだ。
修正指示の内容がコロコロ変わったり、時間がない中で大きな修正をお願いされたり、どうでもいい部分にこだわった修正が飛んできたり……そんな修正指示は、直す側をただただ疲労困憊するようになる。
星さんの場合も、そんな気軽で大量な修正指示に苦しめられた。イラストが完成したあとに「せっかくだから編集者も登場させて☆」と追加注文されたり。LINE交換をしてしまったために、著者から気軽な修正指示が直接&大量に飛んできたり……
引き受けた仕事は最後までやりとげなきゃ!といった責任から、星さんはどんどん精神的に疲弊していく……そんなビジネスホラー的なマンガなのである。
マンガのおもしろポイント点
このマンガがおもしろい!と感じる理由は、大きくわけて3つある。
①ズタボロでもポジティブな絵柄
②モンスタークライアントが魅力的!?
③理不尽な仕事に共感…
ポイント①ズタボロでもポジティブな絵柄
マンガの魅力のひとつは、ポジティブなイラストだ。
モンスタークライアントに苦しめられた話が題材なので、ダークな雰囲気のマンガになっててもおかしくない。
でも星さんのマンガはポジティブ&コミカルな展開!全体的にテンポもよく、ストーリーに勢いがあるのもいい。モンスタークライアントに「うわぁぁぁ。。。」とドン引きするより、むしろ「次はどんな恐ろしい行為が……」とハラハラしながら待ち望めるので、読んでいてすごく楽しい。
ポイント② モンスタークライアントが魅力的!?
なんでこのマンガにハマってるんだろう?と考えたとき、ハッと気づいた。モンスタークライアントには、人を引き付ける魅力がある。
星さんの漫画に出てくるモンスタークライアント(著者)、とにかくキャラが強い。職業は霊能力者。相手に遠慮がなく、自分のやりたい修正は気軽にドンドン依頼しちゃうし、イラスト完成後でも遠慮なく修正指示を出せるほどハートが強い。「本当に実話?」と感じてしまうほど、インパクトのあるキャラなのだ。
漫画を読むと、モンスタークライアントの我の強さに辟易しつつ、楽しんでいる自分もいる。「次はどんなことをやらかすんだろう」「どんなトンデモ行動に出てくれるのか」「早くギャフンと言わされないだろうか」と、読むたびにモンスタークライアントの非常識な行動に惹きつけられていく。
星さんのように直接仕事をしたら厄介でしかない存在だけど、マンガなどコンテンツの中のキャラになると、(人の)モンスタークライアントはとんでもなく魅力的になるのだ。
ポイント③理不尽な仕事に共感…
仕事をしていれば、1度くらいクセの強い人に出会うだろう。その人が「モンスター」とまではいかなくても、理不尽だなぁと感じる瞬間はよくある。このマンガをよむと、自分が出会ってきた理不尽さを思い出す。
他人のミスを代わりに謝らなきゃいけないとき、自分の意に反するクライアントの考えを飲まなきゃいけないとき、腹立つ気持ちをおさえて大人の対応しなきゃいけないとき……
こう思うと、私も頑張って働いてきたよなぁ……。そして、このモンスタークライアントよりは自分はまだマシだから頑張ろう!と、マンガを通して思えるのだ。笑
まだまだ続くモンスタークライアント
モンスタークライアントの活躍?はまだまだ続く。次はどんな恐ろしい行動をしてくれるのか、今からすっごく楽しみだ。
気になった人はぜひ読んでみてください!
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