パソコンのタイピングが上達すると、宇宙戦艦が爆破された #はじめてのインターネット

小学生の時、家にはパソコンが1台だけあった。親の目を盗んではそのパソコンでインターネットに接続し、チャットのやり取りや様々なサイトの閲覧を楽しんでいた。

どんどんインターネットの世界にハマるうちに、「キーボードを見ないで素早くタイピングできるようになりたい」と思うようになった。大人が画面を見たまま、ものすごいスピードでカチカチと文字を打つ姿に憧れたのだった。そこでわたしは、宇宙戦艦ヤマトのタイピングソフトを使ってタイピングの練習をするようになった。

なぜ宇宙戦艦ヤマトのソフトだったのか、全く覚えていない。おそらく、安くなっていたタイピングソフトを親が買ってきてくれたのだろう。平成6年生まれの私にとって、宇宙戦艦ヤマトは知らないアニメだった。当時はプリキュアやおジャ魔女どれみのような明るい絵柄のアニメが大好きだったので、宇宙戦艦ヤマトのほの暗い雰囲気が好きになれない……。

とはいえ、別のソフトを買えるほどのお小遣いはもらっていなかった。仕方なく、宇宙戦艦ヤマトのタイピングソフトで練習を始めた。

↓おそらくこんな感じのソフト、、、

平成生まれの小学生にとって、宇宙やら宇宙船ばかりが出てくるソフトは特別面白いとは思えなかった。ソフトの内容は、タイピングのお題が与えられ、正しく入力できると敵の戦艦?を破壊できるといったものだ。パパパパパパン…ドカーン!!!私がうまくタイピングできるたび、多くの戦艦が爆撃で失われていった。

ソフトに出てくる登場人物(司令官?)たちは「早く打て」「遅すぎる」のように厳しい言葉ばかり浴びせるタイプで、小学生のわたしは腹が立ってばかりいた。うまくタイピングができず、イライラして何度もやめたくなったけど、よく知らないアニメに負けたようで悔しい。だから、何度も何度も挑戦した。

数か月練習した結果、どうにかキーボードを見ないで打てるブライドタッチができるようになった。キーボード見ていた時とは段違いに早く打てるようになり、とても得意になっていたのを覚えている。

今思えば、パソコンが欠かせない時代だから、宇宙戦艦ヤマトのソフトで練習しなくても自然にタイピングスキルは身に着いていたのかもしれない。だけどたくさんの宇宙戦艦が犠牲になったおかげで、正しい指の置き方も知っているから、どんなキーボードでもブラインドタッチができている。

イライラした時は何度もあったけど、宇宙戦艦を爆撃して練習しておいてよかったなぁと今なら思う。もし子供ができたら、小学生くらいに宇宙戦艦ヤマトのソフトをやらせようかな、、

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