障害者雇用の在り方とは

犬と一緒にいつもの公園に行くと、障害者施設の方々が草むしりをしていました。
4分の3くらいの人はおしゃべりしたりわーきゃー言ったりしながら楽しそうに草むしりしていました。
熟れるとベタベタになる草が生えたり、毛虫が発生したりする地域なのです。何度か草むしりしているところを見かけたので、ありがたいなぁと思ってました。
4分の1の人はごみ拾いしていたのですが、職員さんに手を引かれて職員さんが拾っているだけで。広範囲を歩き回っていました。職員さんも障害者の方と話す様子は全く見られず。笑顔も見られない。
なんていうか…ちょっと違うと思いました。
で、家に帰ってバタバタあってリス園に行きました。
そしたらね、園内でたくさんの障害者が働いていました。私、行くまで全然知らなくて。
商売のためのリス園、動物園のようなものだと思ってたんです。障害者の雇用のために始まった施設だと知りました。園長の言葉を最後に載せます。
私は自閉症で、障害者と関わる機会が多いです。お仕事に就くことが難しいことも知っています。
上手くコミュニケーションをとれない方も、リスが逃げないように扉を開け閉めしたり、荷物をリヤカーで運んだり、少し喋れる人は餌の種を売ったりと、自分にできる作業をしていました。
みんなみんな、生き生きしていて、楽しそうで。
とても幸せな気持ちになりました。
前にも書きましたが、自閉症の人の脳は人間と動物の中間にあります。
動物といることで安心できるし、幸せなんです。
自閉症の人はリスといることで生き生きと働けて、リスは自閉症の人と関わることで人間に対する不信感が全くない。
なんて素敵な空間でしょう。言葉になりません。
私は自閉症で、人間が怖いです。人間という存在を心の底から信じたことはないし、人間と話すより動物とコミュニケーションをとるほうが簡単です。それは生まれつきでした。
獣医になりたいと思う前は、私は動物が近くにいる仕事にしか就かないと決めていました。動物がいない空間で(動物を通した繋がりがある)一部の人間以外の人間と一緒にいることは、私にとって恐怖であり苦痛です。
だからこそ、リス園で働くことがどんなにその人たちの生きるエネルギーになっているかわかります。
なんていうか…これだ!と思いました。
以下、園長の言葉です。

町田リス園は1988年12月にOPENしました。

障がいのある子供たちに働く場を・・という親御さん達の切実な願いに町田市(当時大下勝正市長)が「これまでにない動物園の仕事を・・」と発案され伊豆大島「りす村」の全面協力のもと授産施設としてスタートしました。

現在(平成28年春)、障がい者自立支援法の就労支援B型施設(特定非営利活動法人 町田リス園)として障がい者(利用者)21名が勤務しています。
利用者の皆さんは開園前の清掃作業、放飼場入口出口ドア開閉(リスの逃亡予防の為重要)、チケット切り、リスえさの袋作り、エサ計量、エサ詰め、モルモット/リスえさ販売、動物用かご洗い/かごリセットや外作業等々の仕事をしています。

開園当時から働いている利用者さんも数名います。現在、19才から60代まで年齢もまちまちですが和気あいあい寒い日も暑い日も一生懸命、そして楽しく働いています。
リス園27年の歴史の中で数々の危機を乗り越えられたのも利用者さん達のどんな時でも失わない“明るさ”と“ひた向きさ”の賜物ではないでしょうか・・
毎年、来園者数は増加し海外からの来園者も増えています。英語圏旅行者コミュニティでは「癒しの動物園」として話題にもなっているそうです。
利用者さん達が仲良く、楽しく仕事をしている「空間」が癒しを創る一因になっていると思います。

これからも利用者さんを含めたStaffのみんなが仲良く力を合わせてリス園を盛り上げていこうと思っています。そして、たくさんの子供達に来ていただき“弱いものをいたわる心”を学んでもらいたい!大人のみなさんにはもう一度子供の頃に戻って“喜び”“感動”を動物とのふれあいから再体験していただきたい!と思っております。

特定非営利活動法人
町田リス園 園長 樋口健治 ──町田リス園]公式サイト『私たちの取組み(http://www.machida-risuen.com/work/ )』より

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