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一番おいしく見えるのは白い皿だと勘違いしていた

ほぼリモートワーク生活になり1年半。
通勤がなくなって時間に余裕ができ、さらには、仕事の合間に夕食の仕込みができるようになり、前より手の込んだものが作れるようになった。

とはいっても、フレンチやイタリアンなんてしゃれたものは作らない。いや作れない(笑)。出汁を丁寧にとったり、ことこと煮込んだりとあくまで今まで作っていた基本の和食にちょっと手間暇かけて作るだけだ。

こうなってくると今度は料理を盛り付ける器が気になってきた。

今まではほぼ3coinsで揃えた真っ白い、おしゃれもへったくれもないものを使用していた。というのも、おしゃれカフェにいくと真っ白いお皿率が高く、白いお皿であればなんでもおいしく見えるのではと思っていたのだ。

白いお皿は余計なものを一切排除した正真正銘なホワイトだから、多少見てくれの悪い料理も真ん中に盛り付けるだけで、おしゃれカフェ風になるところも気に入っていた。

そもそもあれやこれやと器を揃えたところで置く場所もないし、なんだかんだと手前にある皿ばかり使うのは目に見えていたので、最小限の器とともに暮らしていた。(←ちなみに下着や洋服もいつも手前にあるものを着る)

そんな手前どり女な私だが、リモートワークになり、朝昼晩と同じ白い皿で食べていたらさすがにおしゃれ、シンプルを通り越して飽きてきた。

といっても、どこそこの焼き物が好きなの~なんて知識もなく、いきなり信楽、備前などの日本遺産に登録されているような器は高そうだし、はてさてどういう器を買ったら?と思案しているとき、取材でたまたま出会ってしまったのが、因州中井窯だ。

因州中井窯の染め分け皿

鳥取では、贅沢で高額なものだけに美があるのではなく、日々使う実用品の中にこそ真の美があるとして民藝(民衆的工芸品)運動が活発に行われ、鳥取民藝が確立した。

その鳥取民藝の代表格といえるのが「因州中井窯」だ。

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どんな土を使っているとか、焼き方とか、いろいろ違いはあれど、そのあたりはすっ飛ばして、美しい色合いの器に目がくぎ付けになった。

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潔く2色に染め分けた染め分け皿の美しさといったら!

藍色のような濃い青のような紺のような黒のような独特の深みのある色。
青空のような沖縄の海のようなエメラルドグリーンのような淡い色。

この2色の組み合わせがなんとも言えず心惹かれる。

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どうやって色付けするんだろうと聞いてみると、こうしてちゃぽんと入れるだけだそうだ。ちゃぽんっていっても私がやったらまっすぐにならないだろう。

器だけじゃなく、こんな色のセーターやストールがあったらおしゃれですよね~なんて言ってみたら、やはりおしゃれ服飾ブランドが目を付けていた。

なんと、BEAMSやISSEY MIYAKEとコラボしたことがあるのだとか。

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やっぱりね。そうでしょうとも。
この色合い、ただごとじゃありませんものね。

ということで、3coinsから卒業するべく、ご飯茶碗、お椀、平皿のセットをお買い上げ。
インスタントのお味噌汁であっても、美しい色合いと手触りの器で飲むと風味が増すといいますか、気分がアゲアゲといいますか、上品な味わいになっちゃうんだから不思議。

此右衛門(HIROO_STUDIO)


すっかり器に目覚めた私。

といっても、窯巡りするほどの情熱はなく、しつこく染め分け皿のみ使い倒していたとき、またしても取材がらみで出会ってしまった。

兵庫県湯村温泉の松葉ガニと但馬牛の取材の帰り道。
瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯のひとつに数えられる
「丹波立杭焼」の此右衛門(HIROO_STUDIO)に立ち寄った。

2021年10月にオープンしたばかりで、車のハンドルを握っていたU氏がお祝いに行きたいと熱望して立ち寄ったのだ。

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古民家を改装した外観はおしゃれカフェのよう。

ガラガラと扉を開けると、シックな色合いの器がキレイに並べられている。

シンプルなデザインながらも遊び心が垣間見れる・・・と猛烈に気になったのが注ぎ口がある深皿。

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この形はお酒をいれて杯につぐための片口では?
いや、でもこれにお酒をいれると蓋もないしゴミがはいっちゃうんじゃ?
としげしげとみていると、それを察知してか

「片口は別にお酒をつぐだけってわけじゃないんですよ。煮物でもいいし、お浸しをいれてもいいし、いろんな使い方ができますよ」

とオーナー。

な~るへそ。

これはこれしか使わないと決めつけるのではなく、イメージを膨らませることが大事とな。

小さい深めの片口は自家製ドレッシングを作って入れれば、作って注いでが器一つでできて一石二鳥だし、浅めの皿は、彩りがさほどよくない煮物をいれても、片口があるからかテーブルの上でぐっと存在感を増す。
しかも、煮物の汁もおいしいから飲みたいなんてとき、スプーンですくわずとも注ぎ口から注げる!

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片口は注ぐという行為がイメージされるだけあり、汁物でなく、たとえば、和菓子を盛り付けたとしても”動き”を感じてしまうからすごい。

器から動きを感じるのは片口だからこそではないだろうか。

それにしても、片口=酒を注ぐものという単純なイメージしかなかったから
こんなにも片口のバリエーションががあるとは驚き。

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今回はこの2つを購入。
左側は染め分けにはまっているので2色が気に入って購入。とろろ芋をすっていれると、片口からとろとろと流れて使い勝手も抜群。
自分でいうのもなんだが、いい使い方をしている(笑)

右側は宇宙のような、惑星のような色の広がり方にノックダウン。
宇宙片口(←勝手に命名)は下が細くなっているのでドレッシング入れとして使っている。
オリーブオイルとビネガー、レモン汁を混ぜていれると、宇宙のような色合いと混ざってミステリアスなドレッシングになり、食卓に彩りを添えてくれる。

最後の一口まであますことなく食材をいただける器なので、これらの器を勝手に「最後の一口器」と命名させていただいた。

オープンしたてなので、現在オープン特価で購入可能。
今回の「最後の一口器」は2500円前後で、マグカップのプレゼント付き。

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じわじわと人気がでる可能性が高いと勝手に予想しているので、気になる人はオープン特価をお見逃しなく!

この「最後の一口器」シリーズは今後もどんどん作っていくとのこと。
次はどんな「最後の一口器」と出会えるのか楽しみでならない。

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