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おばあちゃんは知恵の宝庫

週2回の朝散歩だったのが、最近では晴れたら行く=ほぼ毎日の朝の日課になったおばあちゃんの畑での雑草取り。おばあちゃんとの出会い↓

最近、ほぼ毎日のようにおばあちゃんと同じほっかむりかぶって作業していたら、近くで畑を借りてせっせと収穫している夫婦に

「おや、最近はお孫さんが手伝いに来てるの?いいね」

なんて声をかけられ、おばあちゃんも

「そうなのよね。大助かりだし、若い子としゃべるとやる気もでるわな」

なんて否定しない。もうこの際、孫でいいか。みんなに孫認定してもえれば、「だまされるんじゃないわよ」とか暇なおせっかいおばちゃんの目に留まることもない。

最近は、お互い手作りの漬物を持ち寄り、朝のお茶会まで開いている。もうすっかりマブダチだ。

結婚してるのか?旦那さんは?子どもは?なんて野暮なことはお互い聞かない。じゃ、何の話をしているかといえば、わたしが一方的にしゃべっている。要するに、おばあちゃんは聞き上手なのだ。
いつも思う存分しゃべって、ルンルンで帰るのだが、は!と気づき

「あ~今日も一人でべらべらしゃべっておわってもーた」

と反省する。おばあちゃんもしゃべりたいことがあるだろうに。それになによりおばあちゃんの人生経験を伝授してもらいたい。

というのも、聞き上手でもあるが、人生酸いも甘いも教授してきたからか、たまに、は!と気づかされることをいってくれるのだ。

たとえば、
「最近、仕事が山のようにたまってなかなか手につかない。あとでやろうやろうと思っても、つい本読んだり、掃除したり現実逃避してしまう」

といえば

「仕事があるってのは幸せなことじゃ。手につかないならやらんでいい。やれるときがくるもんさ。こりゃダメだと思ったら、現実逃避もいいじゃないか。考えても無駄じゃ。こうやって一心不乱に雑草ぬいて頭を空っぽにすりゃ、そろそろ頭に何かいれようかなとおもうんじゃないか」

いいこと言うな。と聞きながら、茶をすする。またあるときは

「おばあちゃん、腰曲がってるけど痛いんじゃないの?」と聞くと

「痛いんかな。もう年とるといろんなことが麻痺してわからん。痛いっていったって仕方ないじゃろ。この世は諸行無常じゃ。身体が曲がるほど頑張って生きてきたってことじゃ。人生、楽ありゃ苦もあるさ~(←歌いながら)。こうやって年取ってから若い友達もできて幸せじゃ」

諸行無常とな。世の中のすべてのものは移り変わり、ずっとあり続けることはない。平家物語を読んだときに調べたな。

この年になって仏教の教えがずど~んとくることがあって本を読んだりするが、諸行無常もそのひとつ。おばあちゃん、昔よく本読んだんだなと思うほど博識なのだ。

おばあちゃんが好きな理由はきっとこのポジティブシンキング。ネガティブ人間としゃべっていると、こっちまで暗くなるし、なにより面白くない。聞いてても

「ああ、そうなの」

で終わってしまう。おばあちゃんとしゃべっていると、家庭事情はよくわからないが何しろポジティブ。

「あ~疲れた」「しんどい」なんて聞いたことがない。

いつも腰のばしながら

「今日もいい天気じゃ」
「暑いけど、太陽さんが出てくれるから野菜が生き生きしとる」
「今日は昨日の倍は収穫したな。よう頑張った!」

と自分をほめていてとてもかわいらしい。

おばあちゃんの生きる知恵は無限大。まさに知恵の宝庫だ。

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