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昔の仕事のお話

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2021年5月の記事一覧

言い訳は要らない。やるのか、やらないのか。ただ、それだけ。

むかし。保育関係の事務局長をしていた頃。

28歳のとある所属の男性職員Hくんが、時々2、3分の遅刻をする。

何度注意しても直らない、とその所属のA主任が相談してきた。

ましてや、単車で猛スピードでやって来るので、近所の住民から

『あの先生は危ないが、どんな教育をしているのか?』と、

苦情を私に言ってきたのが、ほぼ同時のタイミングだった。

私は、この話を聞いた時点で A主任をまず叱った。

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深く、広い視野で物を見るためには、己が無いとブレる。

むかし、むかし。とてもむかし。

私がまだ20歳の頃。とある特別養護老人ホームで寮母として働いていた。

何となく、介護の世界に入ったけれど、思っていたより大変で、簡単にできる訳ではない世界だと知り、毎日絶望感に苛まれていた。

まだ、介護保険が始まる前の話。

措置時代の特養は、何でもアリのひどいものだった。

点滴の抜針は当たり前。摘便も。

体調が急変してるが、救急搬送依頼をするか、微妙な入

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人は、幸せになるために仕事をしている。

少しむかし。

超大手グループに居た頃のMさん、当時スーパーバイザー(現在某地域統括本部長)とは、私が親の介護で退職してからも、ワンシーズンに一度から、半年に一度くらいは2人で飲みに行く間柄である。

歳は彼女の方が10歳近くも下なのに、彼女を歳下だと思った事がない。人間としても、リスペクトしている。だからこそ、この若さで本部長なのだろう。

私の悪い癖は、一度やらねばと思った事は、多方面から攻め

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貴方が思うより、心配しているし貴方が思うほど、全く同じ気持ちではない。

むかし。

例の某ぬるま湯有料老人ホームに、私が入社したての頃。

かつて私が居た、超大手グループ。

この施設は、そのグループの 元フランチャイズ施設だった。

超大手グループは大好きなのだが、いかんせん家から遠い所ばかり。

まだここは、家から近い方だし、駅からすぐ。

しかも、元フランチャイズならば、

さぞかし運営はしっかりしているだろうと信じて入ってみたら

見事に裏切られた。

いや、

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相容れない先輩をどう立てるか。

むかし、むかし。

よく出てくる、某医療法人の訪問介護事業所で、サービス提供責任者をしていた頃の話。

私と、もう1人先輩でAさんという責任者が居た。

カリスマ性があり、オーラで人を黙らせてしまう圧倒的な雰囲気、リーダーとしての統率力は、今まで見てきた様々な上司の中では、五本の指に入るほどの方だった。

しかし、彼女のマネジメント能力は、ある意味強引で、その日の気分と、己の好き嫌いという感情によ

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『職員は家族』なのか? 否!!

むかし、むかし。

ある医療法人の訪問介護事業所で、働いていた頃。

やたらと、『職員は家族!』と公言するトップと遭遇した。

私は、素朴に疑問だった。

職場はあくまで職場であり、労働契約を交わす雇用主と職員であって、それ以上でもそれ以下でもない。

家族と言ってしまえば、一見面倒見がいい風に聞こえるが、職員70名規模のグループ事業所なのに、痛みはみんなで分かち合うと言って、社用車が事故で一台廃

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マウンティングって無意味だと、つくづく思う、今日この頃。

ジェンダーレスな世の中にしようという潮目の中、あまり男だ女だという話は、そぐわないかも知れないのだが…。

私自身、同性の職場での人間関係の中にむやみに入れられる事が、基本的に心底嫌いである。

特に、『何故管理職をしないのか?』だとか

『何故、ここに来たのか?』等、

“貴方の人生に関係あるのか?”と思わず聞きたくなるような、いちいち面倒くさい質問をされたり

何かと遠回しにだったり、あるいは

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自分で考える事ができない人間を作ってるのは、管理職だ。

むかし。

ぬるま湯な有料老人ホームでのお話。

ここのマネジメントエピソードは事欠かない。

勿論、悪い意味で。

私が、夜勤も独り立ちして間もない頃。

他職種から転職してきた、Nさんという先輩職員が居た。

Nさんは、私より5つ年下なのだが、この職場の男性職員の中では上から二番目の年齢。

介護経験はこの職場でしかないが、フレンドリーなキャラクターで、兄貴的存在ではあった。

しかし、小狡い

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入居させたの誰?の問いに違和感しかない。

むかし。

同じく、某有料老人ホームでのお話。

認知症の大柄な男性、T様が入居された。

この施設では、認知症の対応を本当の意味できちんとできる職員が少なく、みんな逃げ腰。

あるいは、仕事したくなくて暇つぶしみたいな感覚で対応する。

認知症の方は、とても自分にどのような気持ちが向いているかを敏感に察知するので、不安定な感情をむき出しにされる。

T様は、嫌だと、叩く事もあるという。

私は、

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