原作相関図タテ

第0話 シニカルでリアル『高慢と偏見』の人間模様

パロディをはじめる前に、『高慢と偏見』がどんなお話かご紹介しましょう。

『高慢と偏見』は、あの映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の元ネタにもなっている19世紀の恋愛小説。著者のジェーン・オースティンは、イギリスのお札にもなっています。

そのタイトルのとおり、自らの「高慢(プライド)」と「偏見」にふりまわされる人々の姿が、リアルにときに辛辣に描かれた物語です。

あらすじ

舞台はイギリスの片田舎。

主人公のエリザベスは、娘の婚活に情熱を燃やす母ベネット夫人に連れられて舞踏会へ。
そこでエリザベスは、彼女の住む町へ引っ越してきたばかりの資産家ダーシーに出会います。

エリザベスのダーシーへの第一印象は最悪。
「エリザベスと踊ればいいじゃん」と友人に言われたダーシーが、
「我慢はできるけど、僕が誘惑されるほどの美人じゃないね」と話しているのを、エリザベスは聞いてしまうのです。

一方のダーシーは実はエリザベスに好意を持っているのに、プライド(高慢)が邪魔してうまく立ち回れないツンデレキャラ。

「ダーシーは嫌なやつ!」と思っているエリザベスが、そんなことに気付くわけもなく。
むしろダーシーを陥れようとする軍人ウィッカムに恋をして、彼から吹き込まれた情報で、余計にダーシーへの偏見を強めていってしまいます……。

その後家族や友人とてんやわんやありながらも、エリザベスはダーシーに対して「この人、実はいい人かも?」「私のこと好きなの?」という気付いて行きます。
そして二人はだんだんと惹かれ合うようになり結婚。そんなまさに元祖すれ違い系ラブコメなのです。

高慢と偏見 海外ライフ編

読み手から見ると滑稽なのだけれど、大真面目に誤解して、すれちがっていく登場人物たち。
「高慢と偏見―海外ライフ編」では、こんな『高慢と偏見』で描かれる人間模様に沿って、海外で働く現代の女性の葛藤を紐解いていきます。

「ここでなにか成し遂げなきゃ」という高慢(プライド)や「この国の人はなんでこうなの?」という偏見が、生まれやすい海外生活。
主人公エリザベスを「海外に赴任したばかりの女性」、ダーシーを「現地の起業家」……と読み替えていくと、状況は全然違うのに心の動きがとてもしっくりきます。

この物語をとおせば、海外での葛藤も一歩ひいて笑い飛ばせるようになるかも……!?
第1話からは、さっそく冒頭のシーンから読み替えていきます!

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