世界の書店から(1)【カメルーン:ジャーナリストと頼朝に遭遇】
出版社に勤めはじめてから約5年、海外に行くとその国の本屋さんに行ってみるようになりました。撮っていた写真がたまってきたので、noteに少しずつ載せていこうかなと思います。
第1回目は、カメルーン。アフリカの西側、中央くらいにある国です。
多様な地形と気候帯がある国で、自然も人々の暮らしぶりや文化もさまざま。アフリカの多様な魅力がぎゅっと詰まっているということで、「ミニチュアオブアフリカ」の異名もあります。
青年海外協力隊でカメルーンに住んでいたtomoka nayaを訪ねた2015年。
首都ヤウンデの本屋さんに、連れていってもらいました。
顔の看板が目印、新刊書店
まずは、大きめの書店。残念ながら、訪れた日曜日は閉まっていて、なかは見れず。
お店の正面にある顔が印象的です(ちょっとこわい)。創業者の方か誰かなのでしょうか。
アフリカはカメルーンにかぎらず、けっこうリアルな顔が描かれたり、彫られたりした看板が多い気がします。
ジャーナリストが営む個人書店
つづいてはカメルーンの神保町(?)へ。書店が並ぶ通りに連れていってもらいました(4軒くらいだったかな?)。
主に売っていたのは、フランスで出版され教科書、コンピューター系の専門書の古本。なかにはカメルーン人著者の小説もありました。
こちらはこの通りにあった書店のひとつ。奥行きがある細長いつくりです。
壁に直接、売っているもののイラストが描いてあるのは、書店にかぎらずアフリカでよく見るスタイル。
本がぎっしり天井まで平積みされています。宝探し的に本と出会えそう。
(写真は案内してくれた、ともかちゃん。フランス語で店主の方と話しています。ワンピースはカメルーンで仕立てたもの)
店主さんは、ジャーナリストや雑誌のライターもしている人でした。
大統領(1982年から大統領を務める86歳! 実はもう死んでいて、いま公の場に出てきているのは本人ではないと言う噂もあるそう)と大統領夫人(派手な髪型と服装と、美白ぶりがいつも話題になるらしい)のゴシップ記事を見せてくださいました。
日本でも美しい音楽で有名なピグミーの方だそうです。
おすすめ本を紹介してくれる、屋外古本屋さん
最後に行ったのが、屋台のような古本屋さん。
ともかちゃんによると、カメルーンではこの形態の本屋さんが一番多い気がするとのこと。
たしかにこのあと行った地方の町でも、食べ物や日用品のマーケットでまざって古本屋さんがありました。
パラソルの下に立つおじさんが、なんだかフォトジェニックです(というかカメルーンの人は、ファッショナブルな人が多いです)。
ここもフランスで出版された教科書が多かったのですが、なかには写真集や小説も。
日本人だと言うと、「日本から来たきみに、おすすめの本があるよ」とこんな本を持ってきてくださいました。
まさかカメルーンで、頼朝さんに会うとは……!
積まれた本のなかから、お店の人がおすすめ本も見つくろってくれるスタイルも、いいですね。
番外編:カメルーン人著者に遭遇
本屋さんではないですが、首都の後に訪れたバンクラップという村では、偶然立ち寄った文化センターで本の著者に遭遇しました!
スペインの出版社から本を出版したそうで、「日本でも出版したいから、ぜひよろしく」とのこと。
バンジュン王国の文化に関する本だそうです(カメルーンは、国内にたくさん王国があるのです)。
ジャーナリストな書店員さんに、本の著者、そして日本の歴史人物にも会えた、充実のカメルーン書店めぐりでした(連れていってくれた、ともかちゃんに感謝です。自分でふらっと行ったら、絶対見つけられない!)。
次回は、最近行ったスイスの書店について書こうと思います〜
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