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お気に入りのお店

お店との相性

先日の出来事。
​近所のイタリアンレストランに行ったら、「予約でいっぱいだから19:30には出て欲しいのですが、それでもいいですか?」と聞かれました。
一人で来たし、2時間もあったので、十分だと思い入店しました。

カルパッチョとパスタをお願いしたら、
パスタは+100円だけれど生パスタがおすすめだと言われたので、
生パスタでお願いしました。

残念だったのはこの後。

まず前菜のカルパッチョが出てきました。
その5分後にパスタが出てきたのです。
正直びっくりしてしまいました。

生パスタはその性質上、食べる直前にソースを絡めて出します。
そして、水分が多いため麺がのびやすいから、テーブルに出されたらすぐ食べることがマナーです。

しかし、前菜のカルパッチョは生ものですから、後回しにはできません。

一人で入ったのでペースも見ないで出したのか、普段からそうなのか。。。

正直、その不誠実さにがっかりしました。
急いでカルパッチョを食べ、パスタに移りましたが・・・伸びていました。

この物価高のご時世で、値段も上がっています。
しかし、我々の収入がすぐ上がることはありません。
その中からお客さんはお支払いをしています。

お気に入りのレストランたちとそう変わらない値段で、
スタッフ数は面積に比較してむしろ多いのに、
このサービスなのかとすごく残念に思いました。

ただ、それがいいという人も多いのかもしれません。
おそらく私とこのお店は合わなかったのですね。

お気に入りのお店とは

「お気に入り」はパワーをもらえるところ。
値上げされていようが足を運びたくなるのは、味が良いからだけでなはなく、そこにいる人の心のこもったサービスを受けたいからなんですよね。
そして、彼らのサービスからパワーも元気もいただけます。

私の一番のお気に入りのお店は、京都にあります。
京都に行くと必ず寄るお店です。
決して安いとは言えないプライスリストで、私にとっては年に1回、多くても2回のご褒美です。
毎回来て思うのは、このサービスとお料理をこの環境でいただけるなら安いものだと感じます。
たった2時間ほどの時間ですが、
自分の中に溜まっていた澱のようなものが浄化されて、
パワーが充電され、くつろげて優しい気持ちになれる場所。
幸せな気持ちでいっぱいになります。
私にとってのパワースポットなんですよね。
一人で伺った時ほど、店員の方のコミュニケーションも食事を出すペースもより心遣いを感じていました。

ある時は、新しく入ってきたという店員さんとその先輩がサービスを受けました。
その新人店員さんから「先輩はかっこよくてスマートに接客できるんですけれど、自分はまだまだで・・・。スマートにお客様に気の利いた接客ができていないかもしれませんが頑張ります。」とお話ししてくださったことがあります。
先輩への憧れのお話を聞きながら、スタッフ同士のコミュニケーションが多いんだなと感じました。
そして、ちょっと心配だったんでしょうね。
デザートの頃に新人スタッフと一緒に先輩スタッフも来て、「今夜は楽しくお過ごしいただけましたか」と聞きに来ました。
十分あたたかいサービスを受けていましたし、ちょっとだけ昔の部下に似ていたからか、二人のやりとりで懐かしい気持ちになりました。

今年の1月に伺った時、私は少し疲れいました。
それにコンシェルジュの女性は気づいたようです。

いつもと違って、窓際の八坂の塔が見える角の席に案内されました。
日が暮れて、夜になってくると、お庭の篝火のゆらめきと八坂の塔を見ながら思考の整理をしていました。
少しずつ穏やかな気持ちに変わっていく自分に気づきます。
ストレスが緩和したかなっと思ったタイミングで、スタッフの方からの声がけがありました。
あぁ、自分一人の時間を作ってくれたんだなと、その気遣いが本当に嬉しかったです。

お店の席から見えた八坂の塔

帰る時に、コンシェルジュの女性に「少しでもお疲れは取れたのであればいいのですが・・・」と声を書けられました。
あぁ、やはり気づいてあの接客サービスをしてくださったんだなと本当にありがたくなりました。
「一人でイタリアンレストランなんて、本当にかっこいいですよね」とコートを渡しながら言われ、照れてしました。
私からすれば、彼女の方がもっと素敵です。
でも、そう言ってもらえたのだから、また頑張るかと笑顔でお店を出られました。

冬に暖かい気持ちのまま帰れるようにということかな。
入り口で預かってくださるコートのポケットに、いつもホッカイロが入っているのです。
コートを羽織ると暖かさを感じます。

門をくぐった時から出て見えなくなるまで、最高のサービスと笑顔に本当に感謝しています。

まとめ

「お気に入り」、つまり、その人にとっての良い「気」があるところ。
よくよく考えると自分のためだけの時間をどのような場所で持ちたいかに寄るのかもしれません。

そのお店を頭に思い浮かべるだけで、ふっと微笑んでしまう。
心が温かくなる。
そして、次回そこに行けるために頑張らなきゃって思える。

私にとってのこのお店が好きなわけは、そこが私にとってのサードプレイスだから。
サードプレイスとは、家庭(第1の場)でも職場(第2の場)でもない第3のとびきり居心地の良い場所です。
私のためだけの時間を過ごし、最高のサービスをいただき、エネルギーチャージできる場所だからです。

このブログを書きながら、お店の門が頭に浮かびました。
かっこよくいられるように、また明日から頑張ろうと思います。

#このお店が好きなわけ