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美術館巡り

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文学にまつわるテーマで美術館を巡った様子をアップしていきます。
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記事一覧

山種美術館を巡って(東京都・渋谷区広尾)

<美術館紹介> 山種証券(現・SMBCフレンド証券)の創立者である山﨑種二(1893~1983)が個人で集めたコレクションをもとに、1966年日本橋兜町に日本初の日本画専門美術館として開館しました。 種二氏は「絵は人柄である」という信念のもと、横山大観や上村松園、川合玉堂ら明治・大正・昭和の時代に活躍していた画家と直接交流を深めながら作品を蒐集なさっていたようです。2代目館長山﨑富治(1925~2014)は、種二と共に速水御舟の作品105点を一括購入したほか、東山魁夷や加

太田記念美術館を巡って(東京都・渋谷区神宮前)

<美術館紹介> 1980年に浮世絵専門の美術館として開館。実業家の太田清蔵氏が国内外から蒐集したコレクションをもとに設立され、収蔵品は約14000点にのぼります。 太田清蔵氏は、浮世絵の海外流出を嘆き、日本で浮世絵が見られなくなってしまうようなことがないようにと蒐集を始めました。そのコレクションは、浮世絵の初期から末期までの代表的な作品を網羅し、また保存状態の良好なものが多いことで知られています。月毎に展示作品を入れ替えられて、さまざまな企画を通して浮世絵の魅力を味わうこ

三井記念美術館を巡って(東京都・中央区日本橋)

<美術館紹介> 旧財閥三井家の伝来品を収蔵展示するために設立され、当初は1985年、東京都中野区上高田に「三井文庫別館」として開館。 2005年より、旧三井鉱山の入居していた東京都中央区日本橋室町の三井本館7階に移転して開設されました。 場所は三井本館になりますが、昭和初期の重厚な洋風建築として、国の重要文化財に指定されており、美術館の入り口は、隣接して建設された超高層の「日本橋三井タワー」のアトリウムに設けられています。 <訪ねた日> 2020年9月13日 <展

静嘉堂文庫美術館を巡って(東京都・世田谷区岡本)

<美術館紹介> 公益財団法人静嘉堂が主体となり、三菱財閥の岩崎家が所有するした庭園と遺品の古典籍・古美術コレクションのために美術館を建設。1992年に開館。展示している美術館。 世界に3点しか現存していない中国・南宋時代の国宝「曜変天目(稲葉天目)」をはじめとする所蔵品を、年間4~5回の展覧会でテーマ別に公開しています。 下が古典書籍が保管されている静嘉堂文庫です。 こちらは事前予約が必要なようです。 ところが2022年に移転を発表することになりました。移転場所は、

森美術館を巡って(東京都・港区六本木)

<美術館紹介> 六本木ヒルズ森タワー53階にある美術館。建物内の展示空間としては日本で最も高い所にあります。 施設設計は、アメリカ・ニューヨークのホイットニー美術館や、ドイツ・ベルリンのグッゲンハイム美術館等を設計した、リチャード・グラックマン氏。世界の先鋭的なアートや建築、デザインなどを独自の視点で企画展を展示しています。 企画展と並行して開催している小プログラム「MAMプロジェクト」「MAMコレクション」「MAMスクリーン」「MAMリサーチ」で世界の現代アートを多角

原美術館を巡って(東京都・品川区北品川)

<美術館紹介> 東京ガス会長、日本航空会長、帝都高速度交通営団(営団地下鉄)総裁などを歴任した実業家・原邦造氏の邸宅で孫の原俊夫氏が1979年に開館。伊香保温泉にある伊香保グリーン牧場内のハラミュージーアムアークとは姉妹館で、ともに現代美術の展示を中心に人気を博してきました。建物は上野の東京国立博物館本館や銀座の和光本館の設計で知られる渡辺仁氏。 白く平面的な壁やガラス窓、鉄格子などを取り入れたモダニズム建築で素敵です。開館後、磯崎新の監修のカフェとホールなど増築されてい

サントリー美術館を巡って(東京都・港区赤坂)

<美術館紹介> 「生活の中の美(Art in Life)」を基本理念に1961年に開館。当初は千代田区丸の内のパレスビル内から始まり、1975年に港区赤坂のサントリービルに移転。2005年1月にサントリー東京支社がお台場に移転することに合わせて一時的に休館。そして、2007年3月30日に東京ミッドタウン」再オープン。2019年11月に一時的に休館し、改修工事を施し、2020年7月にリニューアルオープンしました。いろいろ紆余曲折があるのですね。 ちなみにリニューアルのデザイ

国立西洋美術館を巡って(東京都・台東区上野公園)

<美術館紹介> フランス政府から寄贈返還された松方コレクション(印象派の絵画およびロダンの彫刻を中心とするフランス美術コレクション)を中心に、西洋美術に関する作品を広く公衆の観覧に供する機関として、1959年4月に開館。西洋美術全般を対象とする唯一の国立美術館です。 2016年7月に国立西洋美術館を構成資産に含む「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」が、世界遺産一覧表に記載されました。夜なので少々暗い写真です。 正面右横にロダンの作品がありました。

SOMPO美術館を巡って(東京都・新宿区)

<美術館紹介> 旧館名は東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館。1976年に開設され、東郷氏の作品を中心に展示されていました。夢見るような甘い女性像が人気を博し、本や雑誌、包装紙などに多数使われ、昭和の美人画家として戦後一世を風靡した作品が人気を博し、書籍の装幀や企業パンフレット、洋菓子店の包装紙などのデザインの仕事でも注目の存在でした。そんな東郷氏の作品が中心の美術館のエッセンスを残して新たに開館しました。 現在は公益財団法人SOMPO美術財団が運営しています。各種展

ポーラ美術館を巡って(神奈川県・箱根町)

<美術館紹介> 2002年9月にポーラ化粧品の創業家である鈴木常司氏が収集した美術品約9500点を展示するため開館しました。所蔵する集めたコレクションは、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、彫刻、東洋陶磁、日本の近現代陶芸、ガラス工芸、化粧道具など多岐にわたりますが、モネ・ルノアールなど印象派の充実度は群を抜いています。 入口のガラスデザインが印象的です。 富士箱根伊豆国立公園に位置し、「箱根と自然と美術の共生」のコンセプトのもと、ブナやヒメシャラなどが見られる遊歩道を

岡田美術館を巡って(神奈川県・箱根町)

<美術館紹介> 2003年、箱根町小涌谷にあった欧米人向けのホテル「開化亭」の跡地に建てられた美術館。 展示面積は約5,000㎡にも及び、日本・中国・韓国を中心とする古代から現代までの陶磁器や絵画など、常時約450点の美術品が展示されています。小田原駅からバス40分、強羅駅からバス5分バス停「小涌園」より徒歩すぐ、小涌園ユネッサンの向かいです。箱根美術館等、箱根の美術館とのパックチケットは少しお値打ちです。美術館利用の場合は、駐車場・足湯入場料無料になります。 <訪ねた

成川美術館を巡って(神奈川県・箱根町)

<美術館紹介> 1988年に開館した日本画家の作品4000点余りを所有していた個人美術館です。文化勲章受章画家・山本丘人氏に平山郁夫氏など誰もが知る現代日本画作家の作品をコレクションされています。年に3回展示替えを行い、美術館収蔵の秀作をご紹介しています。箱根の芦ノ湖のほとり、箱根海賊船が発着する元箱根港の目の前に建っており、展望ラウンジからの眺望はまさに絶景。 敷地入口から美術館玄関まで、屋外のエスカレーターで上ることができました。樹齢3000年と言われる長寿の樹「大王

バンクシー展を巡って(神奈川県・横浜市)

<展示場紹介> 横浜駅直通・アソビルにてバンクシー展を開催していたので行ってきました。横浜駅直通で雨に濡れません。みなとみらい線なら徒歩5分程、みなみ東口出るとすぐのビルです。1階は、お食事のテーマパークみたいなところ。展示場の2階半分は謎解きアトラクション。他の階は、ワークショップを楽しめたり、子供の遊び場がありました。整えられた美術館ではなく、少し古いビルが会場というのも、バンクシーの雰囲気を盛り上げてくれました。 その後、10月からは大阪でも開催予定。正式には「バン

国立新美術館を巡って(東京都・港区千六本木)

<美術館紹介> コレクションを持たず、国内最大級の展示スペースを生かした多彩な展覧会の開催、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供、教育普及など、アートセンターとしての役割を果たす、新しいタイプの美術館として、2007年1月に開館。 内外から人やモノ、情報が集まる国際都市、東京に立地する美術館として、「美術」を介して人々がさまざまな価値観に触れる機会を提供し続けています。「森の中の美術館」をコンセプトに設計された建物の南側は、波のようにうねるガラスカーテンウォールが美し