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太田記念美術館を巡って(東京都・渋谷区神宮前)

<美術館紹介>

1980年に浮世絵専門の美術館として開館。実業家の太田清蔵氏が国内外から蒐集したコレクションをもとに設立され、収蔵品は約14000点にのぼります。

太田清蔵氏は、浮世絵の海外流出を嘆き、日本で浮世絵が見られなくなってしまうようなことがないようにと蒐集を始めました。そのコレクションは、浮世絵の初期から末期までの代表的な作品を網羅し、また保存状態の良好なものが多いことで知られています。月毎に展示作品を入れ替えられて、さまざまな企画を通して浮世絵の魅力を味わうことができます。

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<訪ねた日>

2020年9月29日

<展示に関して>

企画展のみです。

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「血」「妖艶」「闇」というキーワードを通して、月岡芳年の怪しい魅力が掘り下げられています。

月岡芳年(1839年~92年)
幕末から明治時代前半にかけて活躍した浮世絵師です。
河鍋暁斎、落合芳幾、歌川芳藤らは歌川国芳に師事した兄弟弟子の関係にあり、特に落合芳幾は競作もした好敵手であもありました。

様々な作品を手掛けていますが、中でも印象的な作品が、残酷な殺戮シーンを描いた「血みどろ絵」でしょう。「無惨絵」とも呼ばれる、飛び散る血をおどろおどろしく描いた表現は、江戸川乱歩や三島由紀夫など、大正・昭和に活躍した文学者達を惹き付けたことでも知られています。

また美人画も多く手掛け、内面の魅力を感じさせるような妖艶さが漂っています。

血みどろ絵の代表作
『英名二十八衆句 団七九郞兵衛 』
外題は赤地の短冊枠に画題とともに記され、その左の白地の短冊枠に松尾芭蕉、大島蓼太、向井去来らの俳句が記されています。
二十八衆句というのは仏教の「二十八宿」に基づいており、「衆句」イコール「衆苦」に通じ、地獄絵と捉えることもできます。
これは文楽の「夏祭浪速鑑」の芝居絵です。このシーンは「長町裏の段」舅殺しの1シーンです

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美人画代表作
『風俗三十二相 あいたそう 嘉永年間おいらんの婦宇俗』
闇に関しては妖怪を題材にした代表作
『和漢百物語 真柴大領久吉公』
どうやら雷だけは苦手だった秀吉。
というのも秀吉は自分で建てた寺が落雷にあって全焼という、雷運の悪い経験が多いからとのこと。
この絵は、秀吉が「弘法大師がなんぼのもんじゃぁぁい!」と高野山を攻めるべく視察に来ていた時の逸話で、どうやら秀吉は弘法大師の逆鱗に触れたらしく、突然激しい雨と雷に襲われ、引き返したのとのお話です。

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闇に関しては妖怪を題材にした代表作
『和漢百物語 真柴大領久吉公』
どうやら雷だけは苦手だった秀吉。
というのも秀吉は自分で建てた寺が落雷にあって全焼という、雷運の悪い経験が多いからとのこと。この絵は、秀吉が「弘法大師がなんぼのもんじゃぁぁい!」と高野山を攻めるべく視察に来ていた時の逸話で、どうやら秀吉は弘法大師の逆鱗に触れたらしく、突然激しい雨と雷に襲われ、引き返したのとのお話です。

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先日読んだ直木賞候補作品「稚児桜」を思い出しました。各作品には、下地となる歌舞伎、能等の物語が記されておりますから、時間をかけて楽しみました。

<売店に関して>

売店は、受付横に小さく置かれ、図録、葉書、ファイルなどありました。
今回の図録を求めました。

地下には手ぬぐいやさんがあります。エコバックやブックカバーなど、以前より種類が増えてました。もちろん、そのまま使っても、飾っても、素敵な柄はみていて楽しくなりました。

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<カフェに関して>

カフェはありません。2020年6月5日原宿駅前に新しくできたビルWITH HARAJUKU。その3階にある「EATALY」で、カルボナーラとベリーのアイスハーブティーを頂きました。予約席多く、混んでます。

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