人生をかけた大ジャンプを|心が燃えた日
ある人の小さなガッツポーズは、何万ものココロを魅了し
ある人の小さな言葉は、何万もの想いを裏切った
「俺にも飛べる。俺がやらなきゃ。」
1人の少年が飛び立つには何の迷いもなかった
Part7. 人生をかけた大ジャンプを|心が燃えた日
2017.9
社会人になって半年が経とうとしていた。失敗に終わった学校建設を後ろ目に僕は忙殺された毎日を送っていた。予想はついていたが、広告業界の仕事は忙しくて、平日の帰宅は夜遅く、休日はただただ寝る日々。それでも上京してきて東京の毎日は新鮮で充実してて、新しい仲間と元気にやっていた。
ネパールを忘れたわけではなかった。度々OBとして学生団体の活動に顔を出したり、後輩と飲みに行ったりしてる中で、色んな声を聞くこともあった。
「学校建設の話はそれっきり連絡がないです、、、」
「新しい支援先の話もうまく進めることができず、、、」
痺れを切らしたある後輩は仲介役のNPOに公の場で噛み付き、卒業している僕に管理がなってないと叱られることがあったのはここだけの話。(その後輩は後のDREAM-Hack副代表になるのですが笑)
ただ彼の発言は正しかったと僕は思います。僕らが学校建設のために集めたお金の使途を教えてくれなかったことに対して、それを明示して欲しいと伝えることは正当な権利だったと思います。
当時のメッセージが残っていたので一部だけ。。。
2018.2.12
今すぐにネパールに行きたい気持ちはありつつも、今の自分を生かしていくのに精一杯な自分。プロジェクトを一身に背負ったものの、何も行動に起こせていない自分。
もどかしく感じていたあの日、彼女は飛んだ。
そして小さなガッツポーズをした。
メダル候補と注目され、色んなプレッシャーや葛藤を乗り越え、プライドをかけた大ジャンプ。彼女のこの小さなガッツポーズは、きっと誰のためでもなく、自分のプレーに、自分の人生に対してのガッツポーズだった。
彼女のこのプレーは何万ものココロを動かした。
そして、僕のココロも燃やした。
自分は今、人生をかけて生きているだろうか?
プライドを持って生きているだろうか?
昨日の自分に誇れる自分であるのか?
出会った人が誇れる自分でいるのか?
何気なくテレビを見ていた自分に問う。
彼女の人生をかけた大ジャンプと小さなガッツポーズは僕の覚悟を決めるには十分な理由だった。
「俺も飛ぶ」
次の日には会社の同僚や上司に宣言している自分がいた。当時は衝動だったかもしれないが、今動かなければもうチャンスはこない。やると決めた以上、色んな反対を振り切った。
2018.2.15
僕はそれ以降一切連絡がこない、NPOの事務所にいた。いてもたってもいられず、まずは状況の把握とこれからについて話し合いをするために。
そして、あの発言がさらに僕を本気にさせた。
・「学生さんではダメ」
・「ネパールはダメ」
学校建設の失敗。全ての原因と責任を「学生」と「ネパール」のせいにされた。
とても悔しかった。何が悔しかったかって、僕らはお金を集めて渡しただけでなく、そのプロセスを現地と一緒に築き上げるという責任を果たしたのに僕らのせいでできないと言われたからだ。
確かに学生の力だけでは一つ学校を建てるのにもとてもハードルが高い。だからNPOや自治体や企業や村人などと協力して一つのプロジェクト成功のために動くのだ。
そんな中でNPOには、プロジェクトを潤滑に回すため、建設に至るまでのプロセス・お金の管理などを任せていたのにもかかわらず、監督不行や怠慢な対応など真摯にプロジェクトに向き合わなかった結果、全ての責任をお金がない「学生」だからできないと判断し、さらにネパールのプロジェクト成功率が悪くお金が集まらないと言って、ネパールのせいにもするような姿勢に対して、そしてそれを当たり前かのように口に出す姿を見て、僕は悔しさを超えて呆れたのを今でも覚えている。
それはそうだろ。どんなプロジェクトでも真摯に向き合わなければ成功しない。それはお金があるとかないとか関係なく、気持ちの問題。
大好きなネパールのために、頑張った学生の気持ちを考えたことはあるのか。ネパールの村人や現地のカウンターパートがたくさん苦労していることは知っているのか。寄付をしてくれた人たちの暖かい気持ちを感じているのか。
こんなことあっていいはずがない。
こんな終わりがあっていいはずがない。
こんなんじゃ誰も幸せになれない。
世の中、役割。
DREAM-Hackを立ち上げた自分が一貫して伝えてきたこと。
それはこの時、反面教師的に芽生えたものだ。
DREAM-Hackに携わる全ての人が、夢に向かって「ワクワク」できる人生を歩み、自分の可能性を信じられる社会の実現に貢献する。
自分のために
相手のために
社会のために
もう誰も傷つけたくなかった。
俺がやらなきゃ誰がやる。
ココロを燃やし、全ての想いを背負って僕は飛んだ。
つづく
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