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防災士研修での学び 〜自助・共助・協働

二月に防災士の資格を取るために2日間の研修に参加した。
事前に分厚い教本を一読して、ネットでテスト勉強。内容は過去にあった災害のことやその歴史、日本は世界でも指折りの災害大国であることを改めて思い知らされた。

2日間の研修では、元NHKの方や東大で災害対策を専門に研究されている教授などの講話、避難所の運営シミュレーションの実習ゲーム、AEDの実践研修など、みっちりと防災士になるための心構えを叩き込まれる。

最初は、簡単なテストに合格すればいいかな、と軽い気持ちで考えていたけれど研修を受けるうちに、どんどん危機感と意識が変わっていった。


自助・共助・公助

行政や政治家がよく言われる言葉。私もどこかでみたことがあった。
でも、防災士の教本には「自助・共助・協働」と書いてあり、最後の「公助」がなぜ「協働」なんだろう?と疑問に感じていた。

研修で繰り返し言われたことは、まずは徹底的に「自助」自分の命は自分で守ることだった。自助はもちろん自分と家族、日頃の防災グッズを準備したり、いざ災害が起こった時のタイムライン(いつどこでどうするのか)を考えておくこと、それを家族と共有することも大切。

さらに驚いたことは、「公助」で助けられた割合が、たったの1.7%しかないこと──。
災害が発生した時のリアルは、ほとんどが自分や家族で命を守る(自助)か、近くにいる人たちが助け合う(共助)しかないという事実──。

東日本大震災の時を思い出した。
確かにあの状態で、消防や救助隊などはほぼみかけなかった。一緒にいた仲間と半ばサバイバル状態で、一夜を過ごし、家族の安否を確認し、翌日は職場の仲間と5時間以上かけ、当時勤めていた埼玉の職場に向かう。
携帯電話の会社なので、医療機関に衛星電話を貸し出したり、避難所に充電ステーションを設置したりした。

まずは自助、そして「協働」すること

よくよく考えてみると──災害はいつくるかわからない。それも普段の平常的な感覚の生活の中に突然来ることしかない。

先日もあったけれど、会社の避難訓練などは、事前に内々に周知がきていてある意味"スケジュール"されていることが多い。
かといって、常に気を張ってピリピリしていることも現実的ではない。
そうなると、普段の生活の意識の土台に防災・減災のマインドセットを持っていないと、自分の命を守ること、ひとを助けることはできないんだ、と改めて考えさせられた。


「防災士」になって思うこと

もともとのきっかけは、環境系の仕事になって、地域コミュニティと関わることが増えたこともあり、その中の活動で基礎となるのが防災だと感じたことだった。
そんな中で、自分が住む町の町会の防災部長のポストが空席になっていたので、立候補して防災部長になり、複数の町会の方々と大規模な避難訓練を3年ぶりに実施、恥ずかしながら、大人になって初めての経験で、名ばかりの防災部長になってしまっていたように感じていた。

「防災士」になって思うことは、災害を自分ごととして、真剣に捉えないといけないな、ということ。

自分の命、大切な家族の命、そして周りで一緒にたくさんの人たちが生活している。
まずは自助をしっかり考え、その後は地域コミュニティの共助、町会の防災部長の役割も本当に大切なことだと思う。

今月に年度末の役員会があるから、会長や役員の皆さんにしっかり学んだことを伝えて、少しでも「協働」ができるように働きかけをしたいと思った。

いま、国内で20万人以上が防災士になっているらしい。
私は少し気づくのが遅かったけれど、今回のタイミングで防災士として学べたことは本当によかったなと思った。

皆さんもぜひ機会があればチャレンジしてほしいです。




©️2023 Mahalopine

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