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グーグル(GOOGLE)カスタマーサポートとのチャットに費やす、クリスマス(Yukie Kudo、工藤雪枝)

上記は、懐かしの英国はロンドン、セントジェームス公園でリスに餌をあげている私、因みにこのリスちゃん達、餌に選り好みがあり、ピーナッツはだめでカシューナッツがお好きだったりするので、事前準備が必要。

それにしても今日は2020年12月25日。日本では12月24日が本格的クリスマスとして焦点があてられている感があるけれど、欧米では専ら(もちろん宗教にもよりますが)12月25日。そして26日では英国ではボクシングデイ。フラット(米語ではアパート)などの管理をしてくださる方々などに対してお礼をする日でもあり休日でもある。

私にて、たまたまいろいろな問題があり、グーグルに連絡してみることにした。他に用事もなき、実に孤独なる我が身。また、面白いことに各国語で調べると、どの国の人々もあえて日本語にすると「どうすればGoogleの問題に関して人間のサポートを得られるのか?」という問いの多いことといったら!かつて日本企業が世界を支配していた頃はカスタマーサポートなど、数回電話のベルが鳴って出ても「大変長らくお待たせいたしました、ご用件は何でしょうか?」という感じで、まさに至れりつくせりであった時代を覚えている方々も多いであろう。

でも今や日本人でなくとも、世界中で、「人間」のカスタマーサポートを求める顧客サポート難民がうようよと大勢いることを私にては、「自分だけではない」と悟ったのであった。

そこで、今回、電話によるサポートをと思ったのであるが、それを受けるためにはGoogleのOOのサービスにアップグレードしなければならないという。そこでそれにアップグレードしてみた。そうしたら、電話は確かにかかってくるのだけれどうまく繋がらない。そもそもGoogle翻訳など理解できる言語、例えば日本語の「病は気から」と入れると「I am sick too」「私も病気です」と出てきたりするし、どうせチャットなどAIとかロボットとチャットさせられるのだろう、故に「サポート難民」が多いのだろうとあまりチャットには乗り気がしなかったのである。

でも仕方がないので、チャットやってみましたよ。そもそもGoogleってすごく米語なんですよね。確かに私も米国に住んだ時期もあったものの、大学院とか仕事も英国。英国マッキンゼーで英国企業を相手に日本人一人で(ロンドンオフィス)仕事していたので、はるかに英国英語の方が肌に染み付いており、米語はもう、受け付けられないのである。

いろいろと違う言葉(単語)も多すぎるほどあるけれど、まず言い回しが違いすぎるほど違う。英国で米国流に、Thanks とかThank you とかThank you very much と言っても言われた方は全く感謝などされていないと思われるから(人種差別とかの問題ではない)お気をつけあれ。英国では(階級にもよるが)Thank you very much indeed まで言わないと感謝ではなく逆にThanks など侮辱罪で訴えられかねないぐらいなのである。

舞踏会などで、「次に一緒に踊っていただけますか?」というなれば、米語ならば、Can I dance with you?で十分だろうが、英語であればMay I have the pleasure of your next dance?ぐらいはあたりまえ。とにかく階級に関係なく気遣いの度合いと間接的言い回しは半端なく、私もそういう英語かつ発音であるので、実に文章が米国人には分かりにくく到底相手がAIやロボットであれば理解不可能。

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(上記は、私が英国の大学院に留学中、住まいのアパートではなく英国流に言えばフラットにて撮影)

それぐらい米語と英語は違うので、マッキンゼーロンドンオフィスに勤務中もマッキンゼー東京オフィスから何の用だったのかは想像もつかないが上司たる立場の人々がやってきて昼食など、まあそれなりのレストランにお連れする際など、マッキンゼー東京自体が、欧州(まあ欧州というくくりもひとくくりにできないし欧米など、もう私においては到底言語道断なるひとくくくり故に言葉として成立しないと思うのだが)とかではない米国しか知らない人が多いので、英国流の英語ではないThanks を連発。ナイフとフォークは米国流にフォークを右手に持ち変えてお食事されるわ、我が行きつけのレストランの方々の私が感じたことも経験したこともない冷たい視線が痛いぐらいに私には分かれども、「上司連中」にては全く気づかないわで、実に多くの不愉快なる経験をさせられたものである。

欧州とひとくくりにできないのは英国とフランスとでは食事を終えた時のナイフとフォークの置き方も違うし、テーブルセティングも違う。北イタリアと南イタリアなど別の国の如しである。

さて本題に戻ると、英語では、もう、米語と違い、気遣い故に、I want you to など決して言うことなどはない。 I would appreciate it very much if you possibly could help me to do ~~   という感じで延々と間接話法が長々と続くのであり、それは階級を超えてそういう感じである。

それで、私も多くのGoogle サポート難民の方々と同じように人間と、かつ出来ればロンドンか英国の方々と話をして問題を解決したかったのである。何故なら、野球のルールさえも全くわからない英国人。英国航空で米国などに行くと、機内ビデオで「野球のルールの基本的解説」などが上映されているから面白い。また、それぐらい気遣いをする英国英語にて、ロンドンマッキンゼーにても多くの英国人エリートが皆、「米国人と話すと怖い」とか傷つくと涙にならんばかりに、辛そうにしているのを何度聞いたことか!私も同じである。米国人、あまりに単刀直入で、アグレッシブで、ちょっと怖すぎるのである。

そんな私においても、もうエイヤーっていう感じでGoogleサポートのチャットやってみました。一体どこの国に繋がるのやら。やはりまず電話してみたら、電話が上手く繋がらなかったので、最終的には嫌々ながらもクリスマスにてチャットする羽目に(- -;)

まず最初の無名なる方。こちらも英語で状況を伝えつつ、相手はロボットとかAIでは?と警戒心満載。でも意外とこれが親切なのである。もしかしたら、米国人ではなかったのかも?最後には、私の方から、「あなたがどんな宗教を信じておられるか解りませんが、ホリデーシーズンに、こんなにご親切にご対応いただき心から感謝申し上げます」と書いたところ、実に絵文字入りのキュートな回答が来て、お互いにクリスマスにて、本来の祝日モードでない孤独者同志の意気投合モードの連帯感にまで発展した感さえあった!おそらくあの感じはヨーロッパか英国人かもしれないと思ったりした。日本時刻の朝5時あたりである。

それでその次にその最初の「方」のアドバイスに従って2番目の「方」マイケル。その方は名前名乗りました。でもマイケル。私の長々とした英語に嫌気がさしたのか、何と、接続を向こうから切られると言う羽目に。きっと、米国人にて、我が英語にて、全く理解不能だったのだと思う。最初の「方」とは全く違う。

次に、マイケルが勝手に切断したことを察知したアントニオが登場。アントニオも米国人らしく、これまたえらく、私の状況および、問題把握に時間がかかっている。また出してくる答えが、サポートのウェブアドレス、いわゆるチャットの価値のない、サポートページのURLである。

同時に、問題を正しく把握しているか否かと言う意識の確認を常に向こうから打診してくる。なるほど。英国人の航空管制とか一度聞いてみたいものだとふと、航空オタクの私など思ったりしたくらいである(笑)。実は私にては、米国の同時多発テロ直後に米国の全米での講演ツアーがあり、またその際に乗客の安心感の為にと言う意味でUNITED航空などが全てのコックピットの交信を「9チャンネル」で全ての乗客に公開していたことがあり、航空オタクたる私を実に楽しませてくれたことがある。同時に気づいたのが、日本の民間航空の管制と少しシステム(管制のエリアに入る時とそこから別の管制に移るときの表現など)が少し違うことである。でも「タクシー、ランウェイ、ノーヴェンバー、Nに進んでください」とか聴いていてA-Zまで(実はこのAーZがロンドンに住むには必需品たる地図帳でもあるのだが)全て軍事用語というか、航空用語で言えてしまう私にて、「ああ、N=NOVEMBER、わかるわ、G=GOLFよね、」とか一人うけしていたのである。

でも英国英語の管制とか、まあ、実際には英国英語もその場合には簡素化され、単純化されているのは間違いないとは想像するも、本当にぜひ一度聴いてみたいとさえ思う私である。

おっと、航空路を思わず外しまくりのこの記事である。アントニオでしたね。彼とも最後には、メリークリスマスで意気投合しましたが、最初の「方」との連帯感と感動感ほどの一致はなかった。アントニオと言う名前が本当なら、おそらく彼はカトリックだろうし、故に私もこちらから「あなたが何の宗教を信じているかにかかわわず」という前提も付けなかったぐらい。やはり最初の航空というか、もう軍事航空用語的に言えば国籍も名前も不明のミステリアスなるUNKNOWNのお方との一致感と連帯感が最も際立っていた。

あのお方はもしかして英国人では?と私にては、英国英語でGoogleを使用することが多いのでそう思ったりするぐらい、我が状況をよく理解して下さったのである。まさに北海道の我が生まれ故郷「美幌」の「美幌峠」が有名になった「君の名は」の映画。そのオリジナルは英国映画の「The Waterloo Bridge」である。そのUNKNOWNのお方のお名前は?

そんなことを思いながら、ふと懐かしくなり思わずロンドンのガイドブックなど眺めたりしつつ、ますます問題解決から現実逃避し、そういえば、あのThe Waterlooo Bridege 邦画タイトル「哀愁」 にはロバートバーンズ、スコットランドの詩人にも関係する邦題「蛍の光」のワルツも登場する。「蛍の光」の原題 Auld Lang Syne を思い出しながら、英国人の友人たちや彼の地で出会った人々とのあたたかき友情に想いを馳せ、もうすぐやってくるBREXITのことを考え、何だかしんみりしつつも、今度リチャード・ブランソン氏に会う機会があれば、英国の航空管制用語のことを是非聴いてみたいなどと、どんどん、我が思考は現実から逃避して、懐かしき昔の日々(まさにAuld Lang Syne -Old Long Scenes)へと逃避するのであった。




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