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保育士という仕事

私の保育士歴は、現在で約10年です。
サイドFIRE目指して不動産投資を開始しましたが、完全に仕事を辞めて不動産収入だけで生きていきたいか?と言われればそうでもありません。

保育士という仕事は、その責任の重さや大変さに比べると薄給で、報酬が見合わないブラック職種(介護も同じ)ですが、やはり子ども達は可愛くて、楽しさもやり甲斐のあって、私には向いているとも思うのです。

サイドFIREできても、保育士の仕事は週3勤務とか朝夕だけの短時間勤務とかで余裕を持った働き方ができればいいなと考えてます。

保育士資格は年一度だけの試験で取得

前職を辞めると決めたときから、保育士資格は取りたいと考えていました。スポーツを指導する対象は老若男女すべての年齢層でしたが、その中でも特に子ども達に教えることが好きだったので。
3月末で退職し、8月の保育士試験に向けてユーキャンの教材を購入し勉強開始。無事に合格できました。

夏の保育士試験は10科目

一発試験だとピアノ弾けなくても実習行かなくても取れるんです。大学のとき中高教員免許(保健体育科)は母校へ教育実習に行って取りましたが。ちなみに私はピアノは弾けないどころか楽譜すら読めません(笑)。ついでにめちゃくちゃ音痴です(泣)。

リモートやテレワークは不可能

AI化やリモートワークが進む時代になっても、保育士の仕事は絶対になくならないし、オンライン授業はできてもオンライン保育なんて絶対に出来ない。
どんなに時代が変わっていっても、保育も介護も【人の世話は人にしか出来ない】のです。なのにどうしてこんなにも仕事内容と報酬が見合わないのでしょう?

保育園の預かり時間は7時〜19時なので、早朝勤務は6:45から。会議や研修は夜19時までの保育が終わってからなので20時半までとかになる。
幼稚園と違って朝早い勤務もあれば夜遅い勤務もあって、毎日変則時間勤務。土曜出勤もあり、小中学校にはある夏休みや春休みは保育園にはない。3月31日の夜まで年長児を預かって送り出し、翌朝4月1日には新入園児を迎える。この年度替わりの時は「んなアホな!」てぐらい忙しすぎてハゲそうになる。

ただ「好き」という気持ちだけで頑張るのは大変!

30人の4歳児を1人の先生で受け持つ

保育士1人あたりで見れる子どもの数(対人数)は、法律によって決まっています。4・5歳児は30対1、3歳児は20対1です。いやいや、考えてみて?これ決めた人、4歳児がどんなんか知ってる?と言いたくなります。
オシッコやうんちを漏らすことなんて日常茶飯事だし、ケンカもするし、泣くし拗ねるし、全員が大人の言った通りに動くなんてことはない。予想外の動きもあって驚かされることも多々。
「だって保育士はプロなんでしょ?」と言われても、ほんっっっとに大変なんです!

それでも必死に子ども一人ひとりと向き合って、保護者とも向き合って、日案・週案、月カリ年カリ、指導要録などの事務書類で机と向き合って、仕事をしているのです。悲しいニュースや理不尽なクレームもある中で。

なのにどうしてこんなに給料が安いのか?

子どもと遊ぶだけで、特別なスキルはいらないとでも思ってる?本当に、仕事に見合わないほどの薄給です。
制作の準備や行事の多さも、どれだけ手間や時間がかかることか。待遇改善しないと、どこも保育士不足なのは変わらないでしょうね。それでも10年続けているのは、ただ子どもが好きでかわいいから、それだけです。

制作準備やおたより作成も時間がかかるのです

保育士は「人間性」がすべて

【人生に必要なことはすべて、幼稚園で学んだ】という言葉を聞いたことがありますか?

・優しくしてもらったらありがとうと言う
・嫌な思いをさせたらごめんねと言う
・自分がされて嫌なことは他の人にしない
・人の身体や心を傷つけてはいけない
・順番を抜かしたり急かしたりせずに並んで待つ
・人の物を取ったり盗んだりしない
・共有の物はルールを守って仲良く使う
・使った物は元の場所に片付ける
・相手の気持ちを考えて発言したり行動したりする
・作ってくれた人に感謝してごはんを食べる

食育も大事。就学前から学びます。

挙げればキリがないのですが、今の私たちも、これら当たり前のことを子ども時代にすべて教わったはずです。社会や集団の中で生きていくために必要な、人間性みたいなこと。

でもこの幼稚園で学んだはずの当たり前のことを大人全員が守れていないから、世の中に犯罪や煽り運転などが起こるのでしょう。社会のルールと言うべき人間性を子どもが身につけられるよう、子ども自身の頭で考えたり判断したり行動できるよう、導くのが大人としての役目だと考えています。

ここからは持論になりますが、人として生きていくために必要な人間性があらゆる人に備われば犯罪はかなり減らせます。でも、争いは世の中から絶対に無くなりません。なぜなら【正義の反対は必ずしも悪ではなく、他人の正義である】から、そして【自分の常識と他人の常識は違う】からです。
置かれている環境によって、個人によって、正義も常識も守りたいものも違うはず。大事なのは、その違いを理解し合って暴力ではない解決方法をみつけることではないでしょうか。

私が子ども達に伝えたいこと

私には自分の子どもはいません。残念ながら長年の妊活も実らず、子宝には恵まれませんでした。でも、保育士というよりひとりの大人として、次の世代の子ども達に伝えたいことはいっぱいあります。

保育園や幼稚園は、学校や社会に出る前に人間関係を築くうえでもっとも大切なことを幼少期に身につけておく、大事な時期です。人生はひとりでは生きられない。たくさんの人と出会って色んな人から影響や刺激をもらうもの。考えの違いを理解し合って、多くの経験を積んでほしい。苦しさや悲しみも含めて色んなことを感じたり、出来ないことが出来るようになることの喜びや、何かを一生懸命に頑張ることの楽しさも知ってほしい。

子どもは親の所有物ではない

親が素晴らしい教育を受けさせたり、習い事をいっぱいさせたり、進学に口出ししたり、こうなって欲しいと願ったり押し付けたりすることは、本当に必要でしょうか?いろんな選択肢を与えたい、という親の気持ちももちろん分かります。
でも、こどもは親とは別の人格を持ったひとりの人間であって、親の願いや期待を背負わせすぎてはいけないと思います。

良い人間関係が築けていて多くの人に囲まれていれば、子どもなんて勝手に影響を受けてやりたいことや好きなことを見つけてきたり、将来の夢を持つようになるものです。

子どもの可能性は無限大!

周りの人たちを大切にしていれば、周りから自分も大切にされます。
もちろん親が子に与える影響が最も大きなものですが、1人や2人の力だけでは子どもは育たない。偏った考え方にならないよう、学校や友だちなどたくさんの人と接することから学ぶべきだと思っています。
幼児教育の重要性が叫ばれている時代ですが、親は子どものやりたいことが決まってから全力で応援する、でも遅くはないかもしれません。

保育士ひとりができることなんて、ほんの僅か。でもたった一人でも一言だけでも、のちのち「あんな先生いたなぁ」「こんなこと言ってたなぁ」と私のことを覚えていてくれていたら、本望です。そう思って10年続けてきたし、これからも頑張ろうと思えるのです。

子どもたちの成長に関われる仕事は、素晴らしいものだし誇りもあります。だがしかし!労働に見合う報酬をくださーい!
求む、保育や教育職の待遇改善!

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