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憂鬱な気分ですか?タイスなんてどうでしょう?のための曲 #09

今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介

ジュール・マスネ(1842–1912) /    タイスの瞑想曲

なんだか、雨がつづくらしい。ということでまた少し気分が憂鬱になりはじめる、たぶんわたしの部屋の窓は大きすぎるし外の光が入りやすすぎるんだと思う。晴れた日は最高な気分になり雨がつづくと空の不幸を全部背負ってしまった気分になる。だけどやっぱり、この先もずっと部屋を探すときは日当たりを真っ先に考えるだろうなあと思う。それから台風の時はほんとうに怖い(!)

憂鬱な気分ですか?タイスの瞑想曲なんてどうでしょう?
『ほんとうにほんとうに、この曲は美しい、弦楽器奏者が羨ましくなる』
マスネはフランスの作曲家で、この曲はオペラ「タイス」の間奏曲である。彼は当時とても人気な作曲家であり、いかにもこの時代のフランスを思わせる旋律が美しい。(時代によってその時の”はやりうた”のようなものがあるけれど、それがクラシック音楽において作品の中に埋め込まれていることがよくある。模倣やオマージュ作品とはまた別の、同じ時代にみられる傾向がある。たとえば現代のポップスにもそんなものがあるように)そのいっぽう、彼のあまりにも甘美で宗教的なメロディーは強い個性も放っていた。
そして「タイス」このオペラのあらすじ、知っていますか!とっても美しいんです!(大声で叫ぶ)紹介している瞑想曲は、修道僧アタナエルが真逆の存在である高級娼婦タイスに恋をして、彼女にどうか改心してまっとうな人生を歩んで欲しいと願い説得、そしてその言葉に心を動かされ、ながい瞑想をして考えるシーンで使われている。はなしを全て理解してきくと、この曲の美しさが倍増する。彼女の決断で迎えることができたのは悲劇のみだと思うと、なんだか永遠に瞑想のシーンでとまってしまえばいいのに、と思ってしまう。

マネスはこの作品を宗教的なイメージをもって演奏することを指示している。たとえば速度はAndante religioso (たまに信じられないくらい遅かったりする演奏があるけれど、それはどうなんだろうと思う)それから、冒頭のフレーズが最後にももう一度登場するが、瞑想とともに変化したタイスの心の動きをフレーズの強弱の違いなどで感じることができる。


プログラムの曲解説みたいになってしまった、そういうのは好きじゃないのになあ



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