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ハミルトン原作レポをはじめます

ブロードウェイの大人気ミュージカル『Hamilton』。観劇したことは無いけれど、曲や映像で見て私も大好きなミュージカルです。


ラップを多用した今までのミュージカルとは全く違う曲調や、白人社会の話にもかかわらず黒人やヒスパニック系のキャストをあえて多様したり、語りたいことがいっぱい。

が!日本にはまだファンが少ないため、#ハミルトン布教の会 として勝手に活動することにしました。

そこで購入したのがミュージカル『Hamilton』原作のこちら。

かなり分厚い本で、届いたときは引きました。(笑
800ページ以上×2冊の超大作。
あまりにも長い・・・

ただ、英語わからないけどハミルトンを理解したい!そしてみんなにハミルトンを知ってほしい!という動機で読み始め、noteで共有することにしました。

とはいえ、あくまで歴史。かなり長いし、硬い文章だと読むの辛いから、勉強が嫌いでも読めるラフな文章にするつもりです。


ハミルトンって何した人なの?

アメリカという国をつくった人の1人です。

日本人にはなじみが無いですが、知らずに肖像画を目にしている人は多いはず。
なぜなら、彼は10ドル札に印刷されてるから!

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はい、この人です。

ではさっそく、内容に入っていきますね!


売春婦の息子?/ son of a whore

How does a bastard, orphan, son of a whore and a
Scotsman, dropped in the middle of a forgotten
Spot in the Caribbean by providence, impoverished, in squalor
Grow up to be a hero and a scholar?

こちらは最初のハミルトンを紹介する曲「Alexander Hamilton」の出だし。

「son of a whore」
whore=売春婦とか尻軽女という意味。私生児であることで有名なハミルトンですが、しっかり書籍を読むと意味が全く異なりました。

まず、ハミルトンの母親は16歳のときに紹介された12歳以上も年上の金目当ての男性と結婚。旦那は彼女の家の資産を使いつくし、商売もうまくいかなくて借金を増やしていった。で、彼女は嫌になって島を出たという経緯があったそうで。(そりゃ嫌になるよね!)

そういえばキリスト教は簡単に離婚できない。「別居」という形になるから、その後彼女はハミルトンの父親ときちんとしたパートナーだったけれど、どうしても私生児扱いになってしまうんですって。

ちなみにハミルトンの母親はその後正式に離婚したものの、裁判所に再婚を禁じられてたらしい。しかも元夫は再婚はできるのに!
男女差だよね。ありえない!
で、その元夫が何かあるたびに彼女の悪口を言いふらし、「whore」という印象がついてしまったんだそう。ひどい!


生まれ育ったのは西インド諸島

まず、西インド諸島ってどこよ。
インドの西かと思ったら全然違った('_')

アメリカ大陸の右下。キューバよりもさらに右。

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※フラグはBroadwayとWestEndだよ

ミュージカルファンなら、プエルトリコって言ったらわかるかも。
『WEST SIDE STORY』のベルナルドがいるシャーク団はプエルトリコ移民です。
ただ、当時全部英国領だったわけじゃなくて、同じ島の中でも当時プエルトリコはスペイン領だったそうな。

そしてハミルトンが育ったセントクロイ島(サンタクルス)では、砂糖の生産がさかんで、奴隷が身近にいたことが、後の彼の政治思想にも大きく影響しています。


奴隷制度禁止を唱えた背景

ハミルトンは奴隷制度廃止を強く唱えていて、これは小さい頃、奴隷の少年に世話をしてもらったということが影響を与えているのではないか、とのこと。
後述しますが、物ではなく、人として接していたんです。(当たり前なんだけどね(泣

自分と違う人に対して、全体で見ると偏見があっても、個人で関わると同じ人間なんだって思うことってある。
これ、今も外国人、学校で違うクラスの人・・・いろんなことに共通して言えるよね。

彼が奴隷制度廃止について努力したのは、もちろんこの残虐さを間近で見ていたというのもあるけど、加えて奴隷が暴動を起こすことを恐れて日々過ごす必要があったというのも理由の一つとしていました。

というのも、セントクロイ島では白人全員の義務として、奴隷による暴動が起きたら呼び出されて処刑の手伝いをする義務があった。
アメリカに行って自由を愛していても、無政府状態を恐れていたのはこういった背景もあるのではないかと考察していました。

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「奴隷」という言葉だけでは、わからないこと

勉強をしてこなかった私ですが、少なくとも、黒人が奴隷だったことは知っていました。
けれど、ただ言葉で「奴隷」と聞くのと、具体的な描写をもとに想像するのとではまるで違っていて・・・本当に気分が悪くなったよ・・・(T_T)

跳ねたり走らせて体力をはかる奴隷競売、むち打ち、熱帯下での農作業で5人に3人が5年以内に亡くなる過酷な環境。
反抗して手を上げただけて手を切り落とされたり、逃亡したら足を切り落とされる。さらに焼き印、去勢、首枷・足枷での拘束。たぶんもっとひどいことはいっぱいいっぱいあったと思うけどもういい、調べたくない。

特にハミルトンが育ったセントクロイ島は、白人1人当たり12人の黒人を所有していたとのこと。
てか、「所有」って!
さらに、奴隷の輸入、貸出、入荷、販売。
もう完全に人ではないよね。物扱い。
本当に21世紀の日本に生まれてよかった(T_T)


はい、今日はここまで。
引き続き、読み進めるたび更新していきますね。

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