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日記「メンテナンス時」

娘が産まれたのは記録的な暑さの夏だった。梅雨らしい雨降りはなく集中豪雨や台風など自然災害も多い年だった。大きなお腹を抱えて異例の暑さと快晴が続く6月~8月はほとんど冷房の部屋にこもっていた。暑さに弱い体質に加えてもうひとりの命が宿る身体はとても熱かった。あの年を思わせるような6月も半ば。梅雨はどこへいったのだろう。しとしと気怠い梅雨寒の季節は未来にはもうないのだろうか。

家賃7万2千円2DKの駅近のアパートから、最寄り駅まで徒歩15分の一戸建て建売住宅を購入し移り住んで16年。きれいに住んできた。未だに新居感がありつつも慣れ親しんだ我が家である。キッチンはもう少し広い方が良かったなとか、洗面所はもう少し広い方が良かったなとか、玄関が無駄に広いなとか、ベランダが3つあるより南側に大きく1つある方が便利だなとか、暮らしてみるとそれなりに不満もでてくる。

子供の頃マンション住まいだった為、戸建ての家は憧れだった。毎週日曜日は新聞の折り込みチラシの住宅のチラシを眺めてわくわくした。理想の間取りをノートに書いたりした。今もなおその癖が治らない。専業主婦は家にいるのが仕事だからその癖はより一層強くなったように思う。

不満はありつつも戸建ての暮らしはやはり好き。将来は娘が孫を連れて帰って来れる場所にしたいとも思う。私には帰る実家がないからその思いは強い。本当は自分だけの別の未来を妄想しながら、今日も掃除に勤しむ。

昨年はエアコンが怪しくなってきたので買い換えた。今月初旬には冷蔵庫が怪しくなってきたので買い換えた。今週は元々備え付けの食洗機の電源が入らなくなった。修理を呼ぶと17年前のモデルなので部品がなく修理不可能とのこと。でたでた家電あるある。使い慣れているし修理すればまだ使えるのに勿体ないなぁと常々思うが、新製品は機能も良いしエコなので、とお決まりのセリフを頂く。昨年から家電の出費が大きい。家電の寿命は10年とはよく言うが、要するにそうゆう時期なのだ。

さてさて今日もくそ暑い。お隣さんの紫陽花が雨を待ちくたびれてへたっている。食洗機が使えないのは不便だけれど冷たい水で食器を洗うと気持ちが良い。エアコンは一度つけたらその快適さに負けてしまうから扇風機で我慢する。

暑い季節は朝の涼しい時間帯に早々に家事を済ませるのが私のルール。最近はこの朝のルールの中にカーヴィーダンスを取り入れた。樫木先生のDVDを観ながら20分程の運動。先々週、久々に会った兄がこっそり母親に「由紀はちょっと大きくなったなぁ」と言っていたらしい。太ったとかでぶになったとかではなく「大きくなった」この物言いは兄の優しさと受け取っておこうと思う。カーヴィーボディーを取り戻すべく、私の身体もメンテナンス時である。

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