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日記

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何も起こらない日はない。何も感じない日はない。詩への架け橋になるように日々をつらつら綴る。
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#雨の日をたのしく

日記「春の雪」

日記「春の雪」

せっかちな子はひらいてしまった桜は凍ってしまっていないだろうか。暖かい日が続いて当分は思い出すこともないだろうと思っていた雪。そうだ今のうちに冬に起こった出来事を思い返しておこう。そのための雪降りなのだろうから。

久しぶりに冷え込んだ朝は閉まってしまった冬服を引っ張りだして着た。朝が早く来るようになって電気をつけずに着替えができる。春ってこんな朝が何度かあるなぁって思いながら。私もひと枝の桜に似

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日記「夜明けの雨はミルク色」

日記「夜明けの雨はミルク色」

昨日は日暮れがやけに早いなって思っていたら、窓から雨の音がして窓をあけたら雨の香りがした。久しぶりに雨だなって思って雨の香りをかいでいると、雨の音って何だろう、雨の香りって何だろう、ふと考える。雨の一粒と一粒がぶつかったら音がするのだろうか。多分、雨が屋根や木々に落ちた時の音だ。雨に香りはあるのだろうか。雨に濡れたアスファルトや庭の土の匂いだ。だから正確には、雨が落ちた時の音がして、雨に濡れたアス

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日記「水の反映」

日記「水の反映」

本降りの雨あがりの夜に日課のウォーキング。いつも水のない川に水が流れている。街灯のあかりが水に映る。明るい夜。そういえばドビュッシーのピアノ曲に「水の反映」という曲があったな。卑猥なヒップホップを止めて聴く。ドビュッシー独特の幻想的で美しい旋律にぴったりの光景。つかみどころのない不可解な曲であるが川の水に映る光はそもそもつかみどころがない。

しばし水面を眺める。夜の川べりで柵にもたれ物思いにふけ

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