日記「水の反映」

本降りの雨あがりの夜に日課のウォーキング。いつも水のない川に水が流れている。街灯のあかりが水に映る。明るい夜。そういえばドビュッシーのピアノ曲に「水の反映」という曲があったな。卑猥なヒップホップを止めて聴く。ドビュッシー独特の幻想的で美しい旋律にぴったりの光景。つかみどころのない不可解な曲であるが川の水に映る光はそもそもつかみどころがない。

しばし水面を眺める。夜の川べりで柵にもたれ物思いにふける。向こう岸を走る人がこっちをちらちら見ている。いやいや大丈夫ですよ、入水なんてしませんよ、こんな浅い川ではあの世に行けませんし。あはっ。向こう岸を走る人がそんな風に思っているかなんてわからない。人の気持ちは水面に映る光のようにぼんやりとつかみどころはみつからないもの。自分の気持ちですらそんなものだ。移ろいやすく揺らぎやすい。

最近、はっきり気がついたことがある。どうやら私は夜が好きらしい。

#日記
#ドビュッシー
#ウォーキング
#夜