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指先のいろどり

久しぶりにネイルをした。
誰に見せるわけでもない生活をしているのにやる意味は正直あまり見出せなかったりもしたけれど、それでもやりたいと思った。
もともとなぜかネイルをすることが好きだったのは、絵を描くことも音をつくることも得意でない私にとって、頭の中で思い浮かんだデザインを形にできる唯一の方法だからかもしれない。

オフィスワークをしていた頃、少し虚しくなったときでも指先を見てテンションをあげることは多々あった。
誰に褒めてもらえるわけじゃなくても、ただの自己満足であっても、少しだけ自分の機嫌をとれるならこれは、きっと有効な手段だ。

ネイルサロンに行っている友人もたくさんいるし、それをいいなと思うこともよくある。
値が張る分クオリティも高いし、人とあまり会話することのない日々の生活に飽き店員さんとのお喋りを楽しみに行っているという人もいた。
でも私はネイルサロンに行ったことが一度しかない。
仕上がりの良さは劣るものの自分で形にする方が気楽で楽しく、そして安かった。

趣味の一環レベルのネイルでも、自分の機嫌をとることができたらきっとそれは十分だ。
ネイルサロンに行くと一回の施術で五千円から一万円くらいかかってしまうだろうけど、セルフだったら300円のポリッシュでもそこそこのものが買える。
一回のネイルでだいたい5本くらいのポリッシュを使うものの、ひとつのポリッシュがなくなるまではかなりの回数使うことができる。
今回は1週間で剥がれるというセルフジェルネイルのキットを使ったら、1週間も持たずに数日で全て消えてしまったけれど。

趣味といえるほどではないかもしれなくても、周囲にあまりセルフでデザインを入れたネイルをやっている人はそういえば思い当たらないから、多少はそういっても許されるだろうか。
少しずつまたオフィスワークをする自分に近づいていく過程で、喪ってしまったいろどりを取り戻していきたい。

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