よく噛んで食べること

インターネットが全世界の人々の生活の基盤となって久しく、今では常にオンライン環境に自分を晒し続ける生活が世のスタンダードとなっている。

今やほとんどの人がスマホを使い、SNSにアカウントを持っている。SNSをひらけば皆が魅力的な出来事や、創作物、意見など多種多様な方法で自己主張をし、自分の人生の価値を誇示しようとしている。そして、皆がそれを互いに閲覧し合う。その生活をしていれば、どうしても他人の人生を眺めてい時間が長くなりすぎる。

コミュニケーションを取ることは素晴らしいことだし、友達がいるのも素敵なことだろう。しかし、「自分」の人生の時間の大半を、それに費やしていいることは果たして自分の人生を生きていると言えるのだろうか。

自分の人生を生きると言うことは、自分の個性を尊び、行動することだ。

他人の人生を眺め、芸能人のスキャンダルを追いかけ、批判し、正義という甘美な麻薬に浸ることは承認欲求を満たすことに繋がる。しかし、それはあなたでなくてもできることだし、あなた自身は、何一つ成長しない。

ちなみに人生論なんてのもネットで調べれば腐る程出てくるし、好きなことで生きていく方法や、悩みに寄り添ってくれるような文章なんてのも腐る程出てくる。

結局は自分で解決するしかないのだ。正論がこれだけネットに溢れ、悩みを解決する成功者の教えに数秒でアクセスできる現在にあっても皆人生に悩み、苦しむ。

大切なのは他人が考えた結果の結論をそのまま使うことではなく、自分でどう考えたかだ。そのためには自分の目の前にあるものをよく見て、感じて、自分の考えを深めること。そうすれば自然と自分の考えで行動することができるようになり、自分の行動に責任が持てるようになる。それを繰り返せばきっと、承認欲求を満たすだけの毎日ではなく、人生は、自分だけのものになる。