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コーチングには人間関係を活き活きと改善できる力がある

コミュニケーションの課題はどんな世代でも存在する。特に私は会社員として、上司や同僚・部下との人間関係に悩むことも多く、書籍から学ぶことを続けてきた。
今回、読書の秋2020で取り上げられて初めて知った「コーチング」という技術にとても感動した。もっと早く知っていれば、これを適用し、うまくいったシーンが数多く思い返されるからだ。
そこで、過去の上司とのやり取りをセルフコーチング・現在の同僚に対するコーチングを自分なりに適用してみながら、私が感じたコーチングのすごさをほんの一部であるが紹介させていただきたい。

大前提は相手と対話すること

本書の冒頭でも触れられていることだが、コーチングという言葉そのものから受ける印象と実際の内容は大きく異なる。いわば誤解しているということについて著者が述べていることは以下の通りで、

一部でコーチングが誤解して使われていることに対する懸念がある。
コーチするという印象から、問いかけている側が既に持つ答えに誘導するような問いかけをするのはコーチングではない。

コーチングではあくまでも、問いを2人の間に置き、一緒に探索しながら相手の発見を促していくというアプローチをとる。対等に話をし、見えていない答えに一緒に立ち向かうことは、まさに現代の多様化した人間関係の改善に求められているものと言えるのではないか。
そして本書では通常1対1で用いられる、コーチングというスキルをベースに、いかにチームや組織の中での対話を起こすのかにも焦点を当てている。
こういった点から、私のようなコミュニケーションで悩み、また組織で働く会社員にもコーチングを適用しやすく書かれているのが非常に勉強になる内容だ。

過去の上司とは対話できなかったが

このコーチングを昔の出来事で何か適用できなかったか考えてみると思い出したことがある。
当時の上司にはこんなことを頻繁に言われて嫌だったものである。難しい実験で納期が迫り、焦って失敗続き。それに対して追い打ちをかけるように、

「なぜそんなことをしたのか?」
「は?その手順は良くないことくらいわからないのか」

ミスしないように、追い込まれるほどにミスも重なり、その場に居るだけでも精神的にしんどくなったのを覚えている。

しかし、このように成果が早くほしいのに単純なミスばかり繰り返して一向に進まない、こんな状況でどう接するのが良いのか?
当時は見当もつかなかったが、本書には載っている。
例えば、承認し続けるというスキルだ。

叱るのは多くの場合、上司の感情的な反応でしかない。この反応すること以外の新しい行動に意識を向ける。
どんな小さなことでもポジティブなものを発見したら、そこに言葉をかける。努力を知っている、改善しようとしていることに気付いている、そのことを言葉に表し続ける。

もし当時の私に、私自らへ承認し続けるスキルでセルフコーチングするとしたら、
「この評価ライン工夫したんだな」
「遅くまで頑張ってるな」

そんな些細なことを声かけられるだけでも、当時はものすごく元気になっただろうというのは容易に想像できた。コーチングの効果は相当なものだとこの時思えたのである。

同僚が客観的に答えられた「なにが~」という問い

更に、この本を読んでから早速業務で使ってみることにしたスキルが次の通りだ。
最近一緒に業務を行っている同僚の後輩と、あまり効果がみられない実験をどうやればうまくいくか考えているシーンがあった。
このように、あることがうまくいかない時によく「なぜこうするのか?」というなぜの問いをかけてしまいがちだ。しかし本書では”なぜ”のかわりに”なに”を使うことを提案している。

なぜ?という言葉を使う状況で、相手はどんな反応をするか?自分が聞かれたらどんな反応が起こるか?
なにを提案するのは、なにを使った質問のほうが、内側の答えに至りやすいから。
逆になぜと言われると、とりあえずそれ以上攻撃されないように防御壁を築きたくなります。

なぜなの?が、暗に攻撃してしまっていると捉えられるのは、悪いことをしたときになぜか?と聞かれることが多いからである。確かに、過去の上司は散々なぜ?と尋問してきていたから身をもって防御していたことを体験している。

そこで私はこのうまくいかない状況に、なぜそうなってうまくいかなかったんだろうね、ではなく、
「なにがそうさせてしまったんだろうね?」
という問いを後輩にかけてみた。
すると、嫌な顔一つせず、
「やはりですけど、あの時強引に決めたのが原因じゃないかと思ってたんです。」
というように、むしろ自分の中でこう思ったんですとすんなり教えてくれた
なぜ?だと感情的にも引っかかるものがありうまく答えられないが、なに?だと自然に客観視して話ができたのにはとても驚いた。

まとめますと

1、コーチングが誤解され、相手を誘導するように使われていることが多い
2、コーチングは問いに対して一緒に探索し、相手の発見を促すような対話的アプローチをとる
3、過去の事例から、相手からコーチングが無くても自らにコーチングし対話することができる
4、現在の事例から、本書に書かれたことは早速実践的に役立った

上下関係や自分の成功体験から指導・問いを行うことが多かったが、変化の激しい世の中・多様化した価値観では答えがすぐ見つからない。そんな時このコーチングは、答えの見つかっていないものを一緒に探していく働き掛けという、現代に求められているアプローチ方法だと感じた。

もちろん、コーチングスキルはお互いが知っておくほうが良いが、指導される立場にあって自分がコーチングされなくても、自らにコーチングを適用することで自身を客観視して高めていくこともできそうだというのは新しい発見であった。

他にもここでは挙げきれない私自身が知らなかったスキルがたくさんあり、日常の中で試してみてコミュニケーション改善に努めようと思っている。
コーチングと本書との出会いに感謝している。

#読書の秋2020

サポートいただけるお気持ち非常に嬉しいです。まだまだ修行の身、本などで学んでいこうと思います!