仕事に対する信念は必要か

こんにちは、辰巳です。

突然ですが!

音楽講師の皆様は、次のように聞かれたらどう答えますか?

「良い先生ってどんな先生?」

「レッスンの目標って、結局何?」


、、、いかがでしょうか?(^^)





この質問は、答えの内容はさほど大切ではありません。

そうではなく、

明確に答えられるかどうか、という事が大切なのです。

やりたい事やイメージがハッキリ持てている事が大切なわけですね(^^)


そして、答えた内容が、その先生にとっての「良い先生」「レッスンの目標」の概念なのです。

「概念」は、1人1人の生きてきた中での経験や価値観から形作られます。ですから、先生方1人1人違って当たり前です。


「概念」または「信念」が明確という事は、自分の中に一本筋が通っている状態。やりたい事がハッキリしているので迷ったり悩んだりする事が少なくなるメリットがあります。

しかし一方で、明確な概念はストレスの元にもなるのです。


もう少し詳しく「概念」の正体を見てゆきましょう。


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「概念」とは、言い換えると「自動思考」です。

物事を認知•判断する時に、「全てを一から考えて結論を出す」には労力が必要ですから、経験のある事に関して、脳はその思考のプロセスをショートカットするのです。

例えば道に猫が歩いているのを見て 、

「耳が三角で尻尾が長くてニャーと鳴くから、、、つまり猫だ!」

なんていちいち考えないですよね、結論以外はショートカットしますよね( *´艸`)


さらに「概念」は、経験や価値観から作られているため「思い込み」「固定概念」と言い換える事も出来ます。

ある人にとって「猫の概念」は、「可愛くて甘えん坊」かもしれませんし、別の人にとっては「薄情で凶暴」かもしれません。経験が違えばそうなります。


そうなんです。

「概念」とは「1人1人違う思い込み」なのです。

という事は、定義がある訳でもなく、また、いつ変更しても構わないという事ですね(^^)


冒頭で2つの質問をしましたが、


明確に答えられる事が大切である一方で、

それが「概念」「思い込み」であると認識している事もまた大切なのです。

これがつまり「融通」「柔軟性」です。

甘えん坊の猫もいれば、薄情な猫もいる。しかし、そういう認識では記憶の整理が煩雑になるため、1つの認識を「代表選手」にして概念にしてしまうのです。


レッスンで先生方がストレスを感じる原因の1つは「概念」に縛られてしまう事です。


「先生とはこうあるべきだ」

「レッスンとはこうあるべきだ」

という概念が、自分のプラスになる分には良いのですが、もしストレスの原因や、生徒さんを理解できない原因になっているのであれば、自分の概念を疑ってみましょう、ラクになれるかもしれませんよ( *´艸`)

「概念」を信じて行動する一方で、同時に疑う事もまた大切、

自分を信じろ!自分を疑え!

という事です( *´艸`)


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自分の思い込みに気付けている状態は「メタ認知」が働いている状態です。

メタ認知は「自分の無意識にどれだけ気付けているか」「認知に関する客観的な認知レベル」くらいに解釈してください。

メタ認知は「無意識の概念を意識化」してくれるため、今まで無意識だった思考や行動を自分でコントロール出来るようになります。

人には誰しも「思考のクセ」「考え方の傾向」があります。「無意識の思考のクセ」には支配されてしまいますが「認知している思考のクセ」であれば、こちらが支配•コントロールする事が出来るわけです。

「無意識に見ている物」からは目を逸らせませんが、「無意識に見ていると気付いている」状態ならば、見続ける事も目を逸らす事も自分で選べるという感じです。


また、思考のクセが顕著に現れるのは、コンプレックスに関わる事です。


例えば、容姿に自信のない女性が好きな人に告白して、フラれてしまったとしましょう。この時、女性は「きっと容姿のせいだ」と思い込んでしまう傾向があるのです。そこで女性は、美しくなる努力をするわけですが、おそらく努力するべき点はそことは限らないのです。もしメタ認知が働いていれば、「フラれたのは容姿のせいだ、というのは思い込みかもしれない」と考えられたなら、客観的に努力すべき点が他にも見えてきていた事でしょう。


レッスンシーンにおいても同じような事があります。

手が小さい事がコンプレックスの生徒さんは、上手く弾けないテクニックがあると「手が小さいせいだ」と思い込んでしまう傾向が強いのです。これは、コンプレックスによる認知の偏りです。

本当は力が入って上手く弾けていないのに、偏った認知では他の理由は思いつかないし、先生から注意されてもあまり耳に入らないのです。しかしここでもメタ認知が働いて「自分は手が小さいから弾きにくい、という思い込みがある」と考えられたら、もっと色々な角度から練習方法を考えられるわけです。


「認知の偏り」は、コンプレックスに大きく影響を受け、「メタ認知」がそれを調整する。


なんだか、認知認知、、、認知だらけの話になってきました、、、


メタ認知は、先程のような練習シーンでも、舞台での演奏シーンでも役立ちますから、是非身に付けたい力です。このあたりの具体的なメタ認知の育成方法はまた別の記事で詳しくお伝えしますね。

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今日は話が少しあちこち行きました^^;

まとめると、

仕事に対しての「概念」「信念」が明確である事は、迷いや悩み事が少なくなるが、

他方で、

「概念」には偏りがある事を知らなければ、思考や行動に制限が多くなり生きづらさやストレスの元にもなる。

概念や認知の偏りをニュートラルにしてくれるのは「メタ認知」である。

、、、といったところでしょうか(^^)


繰り返しになりますが、メタ認知は、レッスン、練習、演奏、すべてにおいて有用な力です。

詳しくはまたゆっくりと!


お読みくださってありがとうございました♪










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