クレームから心を守るために

こんにちは、辰巳です。

皆さまはお仕事をされていてクレームを受けた事はありますか?

また、ご自身がクレームを言った事はありますか?

「クレーム」は、それ自体が悪い訳ではないのですが、行き過ぎた内容や、主張の方法が適切でない場合は問題となります。

今日はそんな「行き過ぎたクレーム」についてのお話です。


クレーム対応とは

「クレーム対応」と聞くと、どんな事をするとイメージされますか?

相手を説得する話し方の事でしょうか?

そういう方法もあるかもしれませんが、ここでは「相手を変える事は出来ない」という前提でお話します。ですから説得はしません。

私の考える「クレーム対応」の1番の目的は、

「クレームから自分の心を守る事」

です。

そのためには、「相手(クレーマー)と自分を理解する事」がポイントです。

まずはクレーマーを理解するために、彼らの心理とタイプについてお話します。


クレーマーの心理とタイプ

過剰なクレームを言う人には、心理傾向やタイプがあります。

「認められたい気持ちが過剰」

「自信がなくコンプレックスがある」

「傷付きやすく過剰に反応(攻撃)する」

「人を信用できない」

「弱みが見せられない」

「被害妄想がある」

「自分が正しいとしか思えない」

「『〜べき』が多く、その価値観以外は許せない」

「引っ込みがつかない性格」

「『当たり前』のレベルが高い」

「『お客様は神様』的な価値観」

「自分は世間の不満の代弁者(正義のヒーロー)と思っている」

「世の中を良くするために正しい主張をしている(偏った正義感)」

「自分なりの正義を主張するためには他者に迷惑をかけた方が効果的だと考えている」

過剰なクレームを言う人や問題行動を起こす人には、このような傾向があります。


すり替えられた傷付きのクレーム

先述のとおり、クレーマーには傷付きやすい人が多いのが特徴です。ですから「怒りのクレーム」の背景には「傷付き」が隠れている事が考えられます。

しかし、「弱みを見せられない」「傷付いた気持ちを認めたくない」という理由で、その気持ちは、無意識に、また自動的に「怒り」や「相手の欠点への攻撃」へとすり替えられて表現されるのです。

例を見てみましょう。

音楽教室では「先生がレッスン時間を守らない」というクレームが少なくありません。

前の生徒さんのレッスンが伸びてしまい、次のレッスンが数分遅れて始まるようなケースです。

ここで「レッスンの時間を守ってください」というクレームが出たとしましょう。

このクレーム、表面的には、

「レッスン時間が守られていないという事柄への不満」

「時間を守れない先生への怒り(攻撃)」

に見えるのですが、その背景には、

「前の生徒には熱心なのに自分に対してはそうでない」

「自分は先生からおろそかにされて悲しい」

といった気持ちが隠れている可能性があります。


相手を理解する

先述のように、怒りや攻撃の背景に隠れている悲しみや傷付き、

この事に気付いてあげられるのが「相手を理解する」という事です。

もし、相手を理解せずに言葉通り「時間を守れなかった事」だけに謝罪してその場は収まったとしても、「傷付き」という本質に対してはケアがされていませんから、またちょっとでも時間が遅れるような事があれば「謝ったのは言葉だけだったのか!」と、更なる怒りを買うかもしれませんし、または、別の事にかこつけて攻撃されるかもしれません。

しかし、相手の傷付きを理解した上で対応するなら、「◯◯さんのレッスン時間を大切に出来なくて、嫌な思いをさせていたのですね、すみませんでした」といった謝罪をする事が出来ます。

「時間」という「事柄」ではなく、「あなたを大切に扱わなかった」という「感情」に対しての謝罪です。

このように、このケースのクレームの本質である「傷付き」をケアする対応が出来たなら、相手も「分かってくれて良かった。自分も大切に思ってもらっていたんだな」と感じてもらえるでしょう。

感情への対応が出来ると、相手がそれ以上ヒートアップする事も防げますから、攻撃もエスカレートしないでしょう。これは自分の心を守る事にもつながります。

繰り返しになりすが「事柄への対応」だけでなく「感情への対応」がセットでなされるという事がポイントです。


自分を理解する

相手を理解できたら、次は自分です。

先程の「レッスン時間のクレーム」で、クレームを言われた先生はどんな気持ちになったでしょうか?

多くの場合、レッスン時間が伸びる事に対して、先生には「次の人をおろそかにしてやるゾ」なんて悪意はないでしょう。

きっと先生はレッスンに熱心で、一生懸命で、その結果、時間がちょっと伸びてしまっただけ。

それに、遅れて始めたぶん延長して、長くレッスンしているから大丈夫だろう。

そう思っていたかもしれません。

熱心な先生は、特定の誰かというよりも、みんなのレッスンに対して時間ギリギリまで頑張るものですよね。

良かれと思って熱心に頑張っていた。

なのにそこにクレームを言われてしまった。

、、、

傷付きますよね。

先生はなぜ傷付いたのでしょう?

それは、先生が生徒のために一生懸命頑張っていたからです。

手を抜いてテキトーにやっていた事や、または悪意をもってやっていた事には、どれだけクレームを言われても、そう傷付きません。

しかし。

熱心であればある程、グサっと傷付き、ショックは大きくなるのです。

もしクレームにショックを受けてしまった時には、「自分がなぜこんなに傷付いているんだろう?」と考えてみてください。

そうすると、「あぁ、自分はそれだけ一生懸命に取り組んでいたんだな。それを否定されたから傷付いてしまったんだな。」と感じられる事でしょう。

これが、「自分を理解する」という事です。

傷付きやショックの大きさは、出来事の大小と比例するわけではありません。

出来事に対して、どれだけ誠実に取り組んでいたのかに比例するのですね。

こう考えると、クレームに傷付いた自分に「それだけよく頑張ってたって事だよね、エライエライ」と自分で自分に声をかけてあげられます。

「自分を理解する事」は、「自分で自分のケアをしてあげられる」という事です。


まずは感情、それから事柄

ここまでお読みいただき、クレームの背景には満たされないネガティブな感情が隠れている可能性が高い事をお分かりいただけたと思います。

対応するなら、まずは感情へのケアを。

その次に、出来事への謝罪や解決方法の提案をするのが良いでしょう。

ちなみに、

謝罪や解決方法の話し合いは、内容だけでなく「誰が対応するか」という点もポイントです。

当事者だけではなく、その上司などが対応する事で、同じ内容の対応であってもクレーマーにとっては「大切に扱われている」という印象を強められますから、「役職」が切り札となります。

お店でレジのお姉さんにちょっとクレームを言ったら、後日社長から仰々しく謝罪の電話があったらビックリしますよね( *´艸`)

さすがにそれはやり過ぎかもしれませんが、

一般的に、クレーム対応する人は「クレームを言われた当事者」→「奥から別のスタッフ登場」→「スーツを着た男性登場」と、3段階で対応すると効果的とされています。

もちろん、直接関係のない上司より当事者と話したい人もいますし、まあそこはケースバイケースですけれど( *´艸`)


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一生懸命頑張っている皆さまが、クレームから心を守れますように(o˘◡︎˘o)

お読みいただきありがとうございました♪







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