2つの質問を使い分ける

こんにちは、辰巳です。

皆さまは、日常的に「質問」をされますよね。

「今日の晩ご飯、何?」

「昨日、あのテレビ見た?」

「もう宿題やった?」

こんな質問や、

「映画どうだった?」

「休みの日は何してるの?」

「将来の目標は?」

こんな質問も。


前の3つの質問と、後の3つの質問、それぞれに共通点があるのにお気付きでしょうか?

今日は「質問の方法」についてのお話です。


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「今日の晩ご飯何?」

「もう宿題やった?」

などのように「イエス」か「ノー」、または一言で答えられるような質問を「クローズド・クエスチョン」と言います。


他方、

「旅行どうだった?」

「将来の目標は?」

このように、一言で答えられない、説明や意見を求める質問を「オープン・クエスチョン」と言います。



「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」、それぞれどのような効果があるのでしょうか?



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クローズド・クエスチョンには、

話す事が苦手な相手でも答えやすい

物事を自分のペースで進められる(主導権を得る)

短い時間でやりとりが進む

などという特徴があります。

少し詳しく見ていきましょう。


①「話す事が苦手な相手でも答えやすい」

話す事が苦手な人や小さな子供にとって「自分の考えを話す」事はとても難しいのです。

そこで、答えを相手に丸投げせず、選択肢を提示してあげる事で相手が答えやすくなるのです。

ピアノのレッスンでは、「どんな曲を弾きたい?」と聞くのではなく、「この曲とこの曲、どちらを弾きたい?」と聞いてあげるような感じです。


②「物事を自分のペースで進められる」

「A案とB案、どちらにする?」と選択肢を提示して質問したとします。しかし、この場合A案もB案も、考えたのは質問者ですから、相手がどちらを答えても質問者は自分の有利な内容にする事ができるわけです。

相手に選ばせているように見せかけて、自分のやりたいように事を運ぶ事が出来るのですね。

ピアノのレッスンであれば、「先生が考えた練習方法にする?それとも、自分で練習方法考えてみる?」みたいな感じです。生徒がどちらを選んでも先生的にはアリですよね( *´艸`)

ところが、生徒は「自分で選んだ事をしている」という気持ちになるのです。人は自分の選択には責任感を持ってしまうのです。

生徒は自分が主導権を握っているつもりでも、実は先生の手のひらの上で頑張っている状態、実の主導権は先生にあるのです( *´艸`)

この状況は、先生の意図的なクローズド・クエスチョンによって作られているのです。


他にこんな応用方法もあります、

会社の上司と部下の関係であれば、まず上司がA案とB案を作成し、部下にどちらが良いか相談します。もちろん、どちらを選んでもアリな内容を準備しておきます。例えば部下がA案を選んだとします。するとその時点で、A案の責任の所在は部下になるのです。案を作成したのは上司なのに、選んだ本人は、自分の選択に責任感を持つわけです。そして、案を遂行させ、成功した暁には上司は部下に「君が選んでくれたおかげたよ!」などとコンプリメントして自信をつけさせる、
こういった事にも応用出来ます。

先述のA案とB案のやり方は、発表会やコンクールの曲選びにも応用出来ますね。


さらに、ビジネスシーンにおいて、質問能力の高い人であれば、相手がイエスと答えてもノーと答えても自分の有利な結果になるように持ってゆく事も出来るのです。交渉やビジネスの場においての強みになる能力です。


③「短い時間でやりとりが進む」

クローズド・クエスチョンは、結論に早く到達出来ます。時間が限られた場面においては、クローズド・クエスチョンメインで話し合いを進める事を意識するのが良いでしょう。時間内にきちんと結論を出せるようになります。



ここまで、クローズド・クエスチョンの特徴や使い方をご紹介してきました。

クローズド・クエスチョンにはご覧いただいたようなメリットもある一方で、デメリットもあります。

デメリットは、

相手の考えや意見を充分に汲み取れない、会話が一方的になる、相手が言いたい事が言えない可能性がある、的を得ない結論に達する可能性がある、

などなどです。


相手の考えや意見を知りたい場合には、オープン・クエスチョンを使います。

オープン・クエスチョンは、

お互いに理解が深まる(他者理解、自己理解)

②両者が対等になる

③話の着地点が決まっていない

④解決に時間がかかる


などの特徴があります。

相手に自由に答えさせるような質問をする事で、お互いについての理解が深まります。

話の内容も多岐に渡るため、物事への理解も深まります。

また、相手の答え次第では、物事がどう進むのか分からないため、予定調和が難しく、質問者も臨機応変な対応が求められます。

やり取りに時間がかかるため、結論を急ぐ場面には向きませんが、相手を知りたい場合や、自由な意見交換の場にはオープン・クエスチョンがオススメです。

ピアノのレッスンでは、例えば、生徒さんに、

「ピアノ習ってて嬉しかった事って何かな?」

「今からこのCD聴いて、後で感想聞くね?」

「どんな練習したら上手くなるのかな?」

と、こんな感じでしょうか(^^)


会社では、上司と部下が人間関係を構築したい時や、新しいプロジェクトの意見交換の場面などにオープン・クエスチョンがオススメです。

「君はどうしてこの仕事を選んだの?」

「子供の頃の夢は何だったの?」

とか、そんな感じの質問なら、踏み込みすぎず、しかしちょっと距離は縮まりそうですよね(^^)

雑談の上手い人は、オープン・クエスチョンの使い方が上手い人です。

相手にたくさん話をさせる問いかけ(質問)が上手いわけです( *´艸`)

オープン・クエスチョンを使って雑談しているうちに、相手への理解が深まり、関係も構築されてゆくかもしれません。

ですから、人間関係を構築するには、クローズド・クエスチョンよりも、断然オープン・クエスチョンなのです(^^)


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結論を出したい時、主導権を握りたい時はクローズド・クエスチョンを、

関係性を構築したい時、対等で自由な意見交換をしたい時、雑談したい時はオープン・クエスチョンを、


色々なシーンで、うまく使い分けてみてくださいね♪


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あぁ、コレもレッスンシーンを想定した実践的な勉強会をやりたいなぁ、、、

オンラインでやってくれませんか?と時々言っていただけるのですが、、、

勉強会はそのうちやろうと思うのですが、私の場合、実践形式を重視するので、オンラインでは難しいかなと考えています。

オンラインでは、知識や理解は深まるかもしれませんが、実践は出来ないですよね。「分かる」と「出来る」の間には壁があるわけですが、その壁を越えるために対面での実践が必要だと考えています(^^)

コロナが落ち着く頃に〜いつかな〜


お読みくださってありがとうございました♪















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