こんにちは、神崎ゆきと申します。
全国フェミニスト議員連盟の公開質問状から始まる、VTuberの"戸定梨香さん"が協力した「交通安全啓発動画」を巡る一連の騒動。
この騒動について、"戸定梨香さん"が所属する株式会社Art Stone Entertainmentおよび大田区議会議員のおぎの稔氏により、記者会見が行われました。
この騒動が起きてから、既に1ヶ月以上が経過していますが、解決には至っていない現状があります。
また、時間が経過するにつれて。
「途中からこの件を知ったけど発端を知らない」 「情報が錯綜していて追いきれない」
……という方もいらっしゃるかと思いますので、この記事にて「時系列順」 で本件に関する情報を網羅的にまとめてみました。なお、個人的な私見は最小限に留めております。
本記事は公的な文書ではなく、出版社や商業メディアによる記事でもありません。あくまで個人である私が書くので、ニュース等の他にも「一般の有志」による記事等も取り上げていきたいと思います。
できる限りの情報を取り上げておりますので、必然的に記事の内容は非常に長大になります。読み物としての最低限の体裁は保つようにしておりますが、どちらかと言えば本騒動に関して検索する「アーカイブ」としてご活用頂けると幸いです。
また、人物名には逐一肩書をつけています。全編を通して読むと、しつこいように感じるかもしれませんが、これは「どの日付から読み始めても内容が分かるように」を考慮してのものです。
本記事の公開時点で「2021年10月30日、戸定梨香さんに関する署名が7万筆を超えるまで」 の情報を、可能な限り網羅しました。
それでは、よろしくお願いします。
【2020年4月4日】 株式会社Art Stone Entertainmentの「ばけごろう」が交通安全ポスターを公開 まず、本騒動が起こる約1年半前。
2020年4月4日、株式会社Art Stone Entertainmentに所属する「松戸市応援ゆるキャラ」および「ゆるキャラ初のVTuber」でもある"ばけごろう "が、松戸警察署・松戸東警察署とコラボレーションを行い、交通安全ポスターを公開しました。
また。
同ポスターに載っている千葉県松戸市ご当地アイドル"M♡(えむらぶ)"も、同じく株式会社Art Stone Entertainment所属です。
"ばけごろう"と"M♡(えむらぶ)"は、千葉県のマスコットキャラクターである"チーバくん "や千葉県警察のマスコットキャラクターである"シーポックくん "と共に「春の全国交通安全運動出動式 」にも出演予定でしたが……。
新型コロナウイルスの影響か、残念ながらこのイベントは中止 となってしまったようです。
いずれにせよ、本騒動の中心となる"戸定梨香さん"が協力した「交通安全啓発動画」よりも以前から、警察側と株式会社Art Stone Entertainmentはビジネスパートナーとして関係を築いていたことが伺えます。
【2020年4月14日】 VTuber戸定梨香さんが正式デビュー 株式会社Art Stone Entertainmentに所属する"戸定梨香さん"は、2019年3月19日より活動を開始。
その約1年後。
2020年4月14日に正式デビューを果たして、その翌日に"戸定梨香さん"は記念すべきYouTubeの初配信を行っています。なお、デビュー日は「戸定梨香さんのプロフィール 」に記載されています。
戸定梨香さんの動画は、短編動画「まいにちりんか 」シリーズもとても良いのですが、個人的には「ライブ配信でのトーク 」にこそ光る魅力があると思うので、見たことが無い方はぜひご覧になってみてください。
【2020年5月14日】 株式会社Art Stone EntertainmentがVTuberプロジェクト「VASE」を始動 2020年5月、株式会社Art Stone EntertainmentはVTuberプロジェクト「VASE」を始動します。
〜二つの世界を繋ぐ場所〜 2020年5月始動。 私達にできる最良の方法で、 バーチャルな世界から感動や笑顔を沢山の方へお届けしたい。 皆様と一緒に、夢が終わらない永遠のエンターテイメントの世界を作り上げて行きたい。 そんな想いから仮想空間と現実世界を繋ぐこの場所が誕生しました。 皆様と所属バーチャルタレントの気持ちを橋渡しできるように日々創造し、 新時代の作品を提供していきます。
(VASE | VTuber Production より引用)
"ばけごろう"と"戸定梨香さん"も、この「VASE」のプロデュースを受けて活動していくことになります。
【2021年7月17日】 株式会社Art Stone Entertainmentが戸定梨香さんによる交通安全啓発活動の協力を発表 2021年7月17日。
株式会社Art Stone Entertainmentはプレスリリース・ニュースリリース配信サービスの「PR TIMES」にて、松戸警察、松戸東警察の交通安全啓発活動に協力することが決定したと発表しました。
2021年7月16日(金)千葉県松戸市ご当地VTuber「戸定梨香(とじょうりんか)」が、松戸警察、松戸東警察の交通安全啓発活動に協力することが決まりました。
戸定梨香は、当社が運営するVTuber / バーチャルライバーグループVASE(ヴェイス)に所属しており、7月16日(金)に、松戸警察署、松戸東警察署、当社による交通事故防止啓発動画に関する協定書調印式が松戸警察署にて行われました。 松戸市応援キャラクターの「ばけごろう」も参加し、式を盛り立てました。
新型コロナウィルスの影響を受ける中、非対面型のVTuberを起用することで、松戸市、市外に住む若い世代を中心に交通安全運動を広くPRしていきます。
(千葉県松戸市ご当地VTuber「戸定梨香」が、松戸警察、松戸東警察の交通安全啓発活動に協力。|株式会社Art Stone Entertainmentのプレスリリース より引用)
なお、松戸警察署で行われた協定書調印式の様子はこちらです。
(千葉県松戸市ご当地VTuber「戸定梨香」が、松戸警察、松戸東警察の交通安全啓発活動に協力。|株式会社Art Stone Entertainmentのプレスリリース より引用)
なお、当該動画は"戸定梨香さん"のみではなく、"ばけごろう"との共同出演となっています。
前述した通り、松戸警察・松戸東警察と株式会社Art Stone Entertainmentは以前からビジネスパートナーとして関係性を築いており、協定調印式よりも前から共に交通安全啓発動画の制作に取り組んでいたようです。
この協定調印式が終わった後、7月中旬から"戸定梨香さん"と"ばけごろう"が「ちばサイクルール 」について説明する動画が公開されています。
なお、動画の正確な公開日は、現在は警察側による投稿が削除されているため不明ですが……。
後述する「全国フェミニスト議員連盟の公開質問状」が送られてくるまで、約1ヶ月半は公開されており、その間クレームはほぼ無かったようです 。
【2021年8月23日】 千葉県議会議員の伊藤とし子氏がブログでVTuber戸定梨香さんに言及 2021年8月23日、午後9時50分。
千葉県議会議員の伊藤とし子 氏が、自身のブログでVTuber戸定梨香さんについて言及します。その内容は、後述する全国フェミニスト議員連盟の主張と非常に似通っています。
バーチャル(仮想)ユーチューバー(VTuber)をご存じでしょうか? 新聞記事によると、仮想現実のキャラクターが動画配信を行っていて、現在1万人を超えている、という事です。「松戸市のご当地VTuberアイドル「戸定梨香(とじょう・りんか)」 を使って交通安全啓発活動を松戸警察、松戸東警察が行う」千葉日報オンライン(7月31日)ということでしたが、「へそ出し・ミニスカート」 のキャラクターを見てびっくりしました。 県警はこのことを知っていたのか?と確認すると、「内容は問題なかったので」とすんなり決済した様子。 検索すると、千葉県警はSNSで情報発信をしており、千葉県警公式チャンネルには、他の警察紹介と肩を並べて松戸警察、松戸東警察の「戸定梨香」の交通安全動画が載っています。一番の問題は、県警がこの「へそ出し、ミニスカート」姿のキャラクターに対して何も違和感を抱いていないことです。 問題とすら感じていません。 典型的な「萌え系美少女」キャラクターは、「女性を性的商品として扱っている」、「子どもを性の対象とする風潮を助長する」 など多くの批判があります。図らずも今回、このような批判に対しなんら問題意識を抱いていない県警の見識を露呈してしまいました。人権感覚を疑うものです。 私は6月議会で、教員の児童生徒への性暴力問題を取り上げました。 若年者への性暴力事件が後を絶ちません。相談機関によると、性暴力の相談件数が毎年増加しており、10歳未満~10代の相談が4割近くを占めています。それも表に出るのはごく一部です。小児性愛を助長するようなアニメキャラクターを登用し、県警公式チャンネルに載せている問題の根は深いものです。また、犯罪防止が役目のはずの千葉県警の見識が疑われ、信用失墜です。 男女共同参画社会基本法施行(1999年)後「広報物が男女差につながる表現になっていないか、女性を飾り物とした表現になっていないか」などと、内閣府は広報物の手引きを2003年に策定しています。 千葉県男女共同参画課には、千葉県として広報物のガイドラインを作るべきでは、と提案しましたが、内閣府のガイドラインに沿って長年やってきて、 浸透しているので「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」が働かないよう気を付けている、などとカタカナ言葉でお茶を濁していました。残念ながら今回の県警「へそ出し・ミニスカ」 キャラクター騒動は、内閣府のガイドラインが形骸化しており、全く理解されていないことを露呈してしまいました。千葉県も千葉県警も「男女共同参画社会基本法」を一から学びなおす必要があるようです。
(千葉県警「へそ出し・ミニスカ」キャラクター起用に問題意識なし!! - 伊藤とし子のひとりごと より引用)
全国フェミニスト議員連盟の主張の類似点は、以下の通りです。
① VTuber戸定梨香さんの交通安全啓発動画に言及 ② 「へそ出し、ミニスカート」 のキャラクターだと指摘 ③ 「萌え系美少女」キャラクターを「女性を性的商品として扱っている」「子どもを性の対象とする風潮を助長する」 と認識 ④ VTuber戸定梨香さんを「小児性愛を助長するようなアニメキャラクター」 と断定して「性犯罪」 と結びつけている ⑤ 内閣府男女共同参画局平成15年3月発行『男女共同参画局の視点からの公的広報の手引き みんなに届く広報のために』 を根拠としている
なお、詳しくは本騒動の流れに沿って解説しますが……。
③の「子どもを性の対象とする風潮を助長」 は何の科学的根拠も無く 、④の「小児性愛」 の医学的な定義である「小児(通常13歳以下)を対象とする、反復的で性的興奮を引き起こす強い空想、衝動、行動」と単なる「アニメ愛好」を混同しており 、⑤の「公的広報の手引き」 に至っては趣旨を完全に履き違えている 、と……このブログの記述には数々の問題があります。
伊藤とし子氏は、全国フェミニスト議員連盟の機関紙(Vol.97) に寄稿しており同連盟と繋がりがあること、またこのブログ以前に戸定梨香さんに対して「性的だ」とする批判的言及が全く見当たらないことから、このブログが本騒動の発端であると推測できます。
【2021年8月24日】 全国フェミニスト議員連盟の世話人、せの喜代氏がTwitterにて松戸警察に言及 2021年8月24日、午前8時8分。
全国フェミニスト議員連盟の「世話人 」の1人である、せの喜代氏がTwitterにてこのような投稿を行います。
「ミニスカート」「松戸警察」「セーラー服」「ヘソ出し」という文言から、これはVTuber戸定梨香さんの交通安全啓発動画について述べた投稿だと推測できます。
おそらく、時系列から言って、この前日に投稿された伊藤とし子氏のブログ記事 が全国フェミニスト議員連盟の中で共有された、と見るのが順当でしょう。
また、「ミニスカートを履いている女が悪いと言った警察官」を批判しているにも関わらず、同時に「ミニスカートを履いているVTuberを性的と言った議員」に同調するのは、非常に不可解な言動だと存じます。
【2021年8月26日】 全国フェミニスト議員連盟が公開質問状を送付 動画の公開から約1ヶ月後。
全国フェミニスト議員連盟が、千葉県警本部・松戸警察署・松戸東警察署・千葉県・松戸市・松戸市教育委員会に向けて、公開質問状を送付しました。
私たち全国フェミニスト議員連盟は、女性議員が圧倒的に少ない日本社会の政治風土を改革し、女性議員を増やして、男女平等社会を実現しようと活動している市民と議員の団体です。 私たちは、啓発動画に「松戸市ご当地 VTuber の戸定梨香」を採用した千葉県警、松戸警察署・松戸東警察署に強く抗議し、当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除 を求めます。本動画は、女児を性的な対象として描いており、女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています。 戸定梨香というVTuber(アニメキャラクター)は、セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけたうえで、性的対象物として描写し、かつ強調しています。 国連女性差別撤廃委員会の勧告(2016 年)は、日本政府に対して「固定観念と有害な慣行」として「メディアが、 性的対象とみなすことを含め、女性や女児について固定観念に沿った描写を頻繁に行っていること」に懸念を表明しています。公共機関である警察署が、女児を性的対象とするようなアニメキャラクター を採用することは絶対にあってはならないことです。 見解をお聞きしたく、以下の質問にお答えくださいますようお願いします。 1、交通事故防止啓発キャラクターに、戸定梨花を採用した理由をお答えください。 2、女児を性的な対象として描くキャラクターを採用することは、性犯罪誘発の懸念すら感じさせるものですが、 採用決定過程においてどのような検討をされたかお答えください。 3、ジェンダー平等の視点から、このようなキャラクターを起用した警察署の発信をどうとらえているかお答えください。 4、青少年への様々な教育や施策に関わる立場として、この動画をどう考えるかお答えください。9月10日までに、 文書にて回答をお願いいたします。回答の有無にかかわらず、本件に関しては広く公開させて頂きます。
(千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛の公開質問状を提出。およびその回答について。 – 全国フェミニスト議員連盟 より引用)
この公開質問状の内容が問題となり、全国フェミニスト議員連盟へ抗議する署名運動が展開されることになります。
詳しくは後述しますが、主に以下の点が問題とされています。
・戸定梨香さんの動画は「性的対象化」(Sexual objectification)の定義に該当するものではないが、何を根拠に「女児を性的な対象として描いており」と見なして「女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています」と断定しているか。 ・なぜ、VTuberが「丈の短い着衣」「大きな胸」であることが直ちに「性的対象物」になると断定するのか。 ・「性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」とまで言う根拠は何か。 ・戸定梨香氏の体型や服装は、VTuberとしてごく一般的な範疇にあるが「女児を性的な対象として描くキャラクター」だと断定する根拠は何か。 ・「当局の謝罪」とあるが、誰に対する謝罪なのか。 ・なぜ、動画の「修正、改善」ではなく、また意図の問いかけでもなく、最初から「使用中止、削除」を要求しているのか
また、細かい所まで言うならば……。
・VTuber(アニメキャラクター)とあるが、VTuberは人格を持った存在であり、アニメキャラクターではない。 ・国連女性差別撤廃委員会の勧告が引用されているが、国連女"子" 差別撤廃委員会である。 ・なぜ、千葉県警、松戸警察署・松戸東警察署とは別の行政機関である、千葉県・松戸市・松戸市教育委員会にも公開質問状を送付しているのか。 その意図は何か。
この公開質問状の内容は、全体的に「断定」を元に、謝罪・使用中止・削除を「要求」をするものであり、どう頑張って読んだとしても「問いかけ」と受け取ることはできないでしょう。
なお、公開質問状にて引用されている「国連女性差別撤廃委員会の勧告(2016 年)」は、内閣府男女共同参画局のサイトで閲覧することができる「第7回及び第8回報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解(平成28年3月)」が該当すると思われます。
固定観念と有害な慣行 20.委員会は、家父長制に基づく考え方や家庭・社会における男女の役割と責任に関する根深い固定観念が残っていることを依然として懸念する。委員会は,特に以下について懸念する。 (a) こうした固定観念の存続が、メディアや教科書に反映され続けているとともに、教育に関する選択と男女間の家庭や家事の責任分担に影響を及ぼしていること、(b) メディアが、性的対象とみなすことを含め、女性や女児について固定観念に沿った描写を頻繁に行っていること、 (c) 固定観念が引き続き女性に対する性暴力の根本的原因であり、ポルノ、ビデオゲーム、漫画などのアニメが女性や女児に対する性暴力を助長していること、並びに (d) 性差別的な発言が、アイヌの女性、同和地区の女性、在日韓国・朝鮮人の女性などの民族的及びその他のマイノリティ女性や移民女性、並びに女性全般に向けて続いていること。
(第7回及び第8回報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解|平成28年3月|仮訳PDF より引用)
【2021年9月4日】 全国フェミニスト議員連盟が公開質問状をFacebookに投稿 2021年9月4日、午後10時23分。全国フェミニスト議員連盟が公開質問状を送付したことをFacebookにて投稿しました。
松戸警察、松戸東警察が「千葉県松戸市ご当地VTuber戸定梨香」を採用 これを受け、女性・女児を性的対象とみなす固定観念に沿った描き方を、公的機関である警察が使うのは問題と捉え、公開質問状を送付しました。
(全国フェミニスト議員連盟|Facebook より引用)
【2021年9月9日】 VTuber戸定梨香さんが協力した交通安全啓発動画が削除される 2021年9月9日、全国フェミニスト議員連盟に松戸市教育委員会および千葉県警・松戸警察署・松戸東警察署から公開質問状の回答が届きます。
まずは、松戸市教育委員会の回答。
平素より、本市における教育行政にご理解、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 さて、この度、いただきました「ご当地VTuber 戸定梨香」を啓発動画に採用した ことに対する公開質問状に関しましては、松戸警察署及び松戸東警察署が交通安全啓発活動における施策の一環として実施したものと理解しており、基本的には、他の行政機関が実施した個別の施策に対して、松戸市教育委員会として意見を表明する立場にございません。 しかしながら、松戸市教育委員会としても、人権尊重を基本とし、教育施策において様々な人権教育を推進しておりますことから、もし、人権が侵害されるような場合には、これを支持するものではございません。
(千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛の公開質問状を提出。およびその回答について。 – 全国フェミニスト議員連盟 より引用)
そして、千葉県警・松戸警察署・松戸東警察署からの回答。
なお、下記の引用部分では見やすいように、前述した「全国フェミニスト議員連盟の公開質問状」に書かれている「質問」も併記します。
1、交通事故防止啓発キャラクターに、戸定梨花を採用した理由をお答えください。
・質問1について 松戸警察署では、小学生や中学生を対象としたコロナ禍における非接触型の交通安全教育を模索する中、松戸市の魅力を発信するなど地域に根ざした活動を行っている芸能プロダクションから「ご当地VTuber戸定梨香」による広報啓発活動の提案を受け、起用に至ったものです。
2、女児を性的な対象として描くキャラクターを採用することは、性犯罪誘発の懸念すら感じさせるものですが、採用決定過程においてどのような検討をされたかお答えください。
・質問2について 松戸警察署の男性職員及び女性職員が参画して、「ご当地VTuber戸定梨香」の過去 の出演映像等を確認するなどして検討しました。
3、ジェンダー平等の視点から、このようなキャラクターを起用した警察署の発信をどうとらえているかお答えください。 4、青少年への様々な教育や施策に関わる立場として、この動画をどう考えるかお答えください。
・質問3及び4について 今回の啓発動画は、対面での交通安全教育が実施困難な状況下において、自転車の安全な利用を呼びかけるため、地域に根ざした活動を行っている芸能プロダクションのご協力をいただき、交通事故防止の観点から作成したものです。 いただいた御意見につきましては、今後の広報活動の参考とさせていただきます。
(千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛の公開質問状を提出。およびその回答について。 – 全国フェミニスト議員連盟 より引用)
また、同日。
警察側より株式会社Art Stone Entertainmentへ、当該動画が削除されるという連絡があったようです。
同社は、千葉県警察のTwitterアカウント および千葉県警察広報県民課のYouTubeチャンネル から当該動画が削除されることに備え、「VASE」のYouTubeチャンネルにて同じ動画をアップロードする対応を取りました。
午後3時33分に「30秒バージョン」の動画を公開。
午後3時52分に「3分バージョン」の動画が公開されました。
その後。
午後5時14分、株式会社Art Stone Entertainmentの代表である板倉節子氏は、この件に関して以下のようにTwitterで投稿しています。
戸定梨香の交通安全PR動画が削除されるという連絡がありました。その理由は、戸定の「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」という見た目が、女性蔑視にあたるという抗議があったとのことでした。 SNSを通じて抗議を出したという内容を拝見し、色々と思うことがあります。まず、見た目の問題でございますが、有名なアニメでも同じことを発言されるのでしょうか。 アニメやVTuberの世界をご存じなのかはわかりませんが、色々なキャラクターを見ておっしゃっているのか疑問です。
アニメもVTuberも日本を代表する文化だと思っております。 企業もVTuberを使用してPRをしている所も沢山あり、有名ユーチューバーが最近VTuber もはじめたり、企業コラボがどんどん増えて行くなど、VTuberのメディアへの露出も更に加速をして行く中、見た目だけで女性蔑視となる理由はどうなのでしょうか。全国フェミニスト議員連盟の代表には、松戸市議の名前がございます。 同じ松戸市であり、松戸市をもっと盛り上げ女性が活躍できる場所にして行きたい気持ちは同じだと思います。 私は女性経営者として色々と仕事を進めて行く中で、私が女性ということで悔しい思いをしてきたことは何度もあります。 女性が活躍をしやすい環境を作りたい、意見を広めて行きたい気持ちは同じ所にあります。
市を愛する気持ちもです。弊社の市への想い、これまで自分たちの力で1から築き上げてきた関わりや努力や信頼を、警察の方を通じてそちらへ伝えていただきましたが、最終的に削除で終わりとは、想いを否定されたような気持ちです。 松戸のエンターテイメントを広げて行きたいと思う中で、弊社のタレントが啓発活動やPR になるのならどんどん無償で使用してほしいと思っております。 作品を作る中で、何度も警察の方にご足労い ただき、やり直しを繰り返して出来上がったものです。 警察の方、タレント、スタッフ、イラストや 動画を制作してくださった方の気持ちはただ1つ。「松戸から交通安全PRを積極的にお伝えし、 ちばサイクルールを広めよう!」というものです。
松戸から千葉県全体へ周知していきたい、 VTuberを通じて全国へ広げて行きたい、 新しいエンターテイメントを松戸から発信していく新しい警察の方の試みをこの一件で違う方向へと進んでしまい、警察の方にご迷惑をおかけしてしまったことを申し訳なく思います。 本来の目的に目を向けていけないことに納得が行かない気持ちです。 作品を作る皆さんの気持ち、努力を見た目で判断しないでください。それこそが女性蔑視なのではないのでしょうか。このモデルで行こうと進めた私は女性蔑視をしているのでしょうか。 今後の対策は検討中ですが、削除される作品は弊社のYouTubeには残します。
(板倉節子 / Setsuko Itakura|午後5:14 · 2021年9月9日|Twitter より引用)
さらに、同日。
このツイートを、大田区議会議員のおぎの稔氏が取り上げたことで、後述する署名運動に繋がっていきます。
こんばんは。大田区議会議員のおぎの稔です。 「千葉県松戸市ご当地VTuber「戸定梨香」が、松戸警察、松戸東警察の交通安全啓発活動に協力。」という、コロナ禍においてより活動が注目されているバーチャルyoutuberの方と、ご当地の警察署との交通安全PRコラボ。そのコラボが全国フェミニスト議員連盟の抗議によって潰されてしまうという事態が起きたことがVtuberの所属事務所の方のツイートによって明らかになりました。 事務所の経営者も女性なのですが・・・
政治家が法令に違反するわけでもない表現物、民間の活動を抗議によって潰してしまう事に大きな危機感を感じます。 一対何を根拠に、キャラクターの服装や体形をもって女性軽視と決めつけるのか。被害に遭われた経営者の方も述べていますが、安易に政治家、議員連盟の名を使い民間の努力を破壊すること、そこに違和感を感じるべきでした。 こうした表現について好き嫌いはあるかもしれませんが、確実に彼らの活動によって女性の活躍の場が奪われたことは確かです。 それほどまでに漫画アニメキャラクターが公共の場に出てくるのが気に入らないのでしょうか? こうしたことは海外で起きている弾圧と何が違うのでしょう?皆様、どう思われますか?
(フェミニスト議員連盟の抗議でVtuberの動画削除!?何を守りたいのでしょう | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP より引用)
なお、警察側が当該動画を削除を決定した理由は……。
詳しくは後述しますが「質問状にある『性犯罪を誘発する懸念』があるということが削除理由ではない 」「本来の目的と異なる意図で伝わることは本意ではなく、掲載期限が迫っていたこともあり、削除した」とのこと。
正確なタイミングは不明ですが、どうやら警察側は翌日までに当該動画を削除したようです。
【2021年9月10日】 全国フェミニスト議員連盟へ向けた抗議の署名運動が開始 2021年9月10日午後13時37分、J-CASTニュースが本件について記事を公開しました。
千葉県警が公開していた交通安全啓発を目的とする動画が、苦情を受けて2021年9月10日までに削除されたことが分かった。 動画では、仮想キャラクター「バーチャルユーチューバー(Vチューバー)」を起用していたが、不適切との指摘が寄せられたという。
動画は、7月中旬に県警のツイッターとユーチューブに投稿された。 千葉県松戸市のご当地VTuber「戸定梨香(とじょうりんか)」を起用し、自転車の交通ルールを呼びかける内容だ。同キャラクターを管理するArt Stone Entertainment(松戸市)、松戸警察、松戸東警察が交通安全啓発動画に関する協定を結び実現した。協定の模様は、「Vチューバー、交通安全啓発 松戸署など動画公開」(朝日新聞)、「交通事故防止へ 警察とVチューバーがタッグを組み動画制作」(千葉テレビ)、「警察署長とお友達!? ご当地キャラクターとVTuberが松戸トーク 戸定梨香×ばけごろう」(千葉日報)など複数のメディアで取り上げられた。 しかし、動画は9月10日までに削除された。前日には、Art Stone Entertainment代表の板倉節子氏が、動画を削除すると伝えられたとツイッターで明かしていた。キャラクターの見た目が女性蔑視だとして、抗議を受けたためだと説明を受けたという。
動画をめぐっては、女性の政治参画を推進する「全国フェミニスト議員連盟」が8月26日、千葉県警本部長、松戸警察署長、松戸東警察署長、千葉県知事、松戸市長、松戸市教育長宛てに抗議文を送付していた。
(Vチューバー起用は「女性蔑視」? フェミニスト議連が抗議の啓発動画、松戸警察が削除 : J-CAST ニュース より引用)
午後6時18分。
大田区議会議員のおぎの稔氏と、ネット論客の青識亜論(せいしきあろん)氏が中心となり、署名運動を開始。
この署名運動は、全国フェミニスト議員連盟が千葉県警本部・松戸警察署・松戸東警察署・千葉県・松戸市・松戸市教育委員会に向けて公開質問状を送り抗議したのと同様に……。
有志から、全国フェミニスト議員連盟へ向けて「公開質問状」にて抗議をする為のものとなっています。
私たちは、萌え表現やバーチャルYouTuber(以下、VTuberと呼ぶ)による表現行為に対する偏見や差別を改めるとともに、日本社会における表現の自由、多様性及び寛容さを求めて声を上げ、TwitterなどのSNSを通じてつながる有志一同です。 さて、去る8月26日に「全国フェミニスト議員連盟 」の共同代表である増田薫氏、前田佳子氏及び事務局の伊藤正子氏によって行われた「松戸市ご当地VTuberの戸定梨香」を啓発動画に採用したことに対する抗議 」について、私たちは強く抗議するとともに、あなた方が行った「抗議」により、VTuberを活用した自治体による啓発動画が削除されたことについて、深い遺憾と憂慮の念を表明いたします。 参考:Vチューバー起用は「女性蔑視」? フェミニスト議連が抗議の啓発動画、松戸警察が削除(J-CASTニュース) そもそも、VTuberとは、2016年に活動を開始したキズナアイをはじめ、2D・3Dのキャラクターがしゃべり、踊り、ファンとコミュニケーションを取りながらゲーム実況や様々な解説、実験などを行うという、インターネット空間を舞台とした日本発の新しい文化です。 地方自治体における町おこしへの活用も始まっており、2018年には茨城県が茨ひより氏を自治体公認VTuberとする など、地方の魅力を全国に発信するための新しい媒体として期待されているものです。 BBCは、VTuberの魅力について、「個人的なことやアイデンティティの問題に拘束されないこと」(BBC「The virtual vloggers taking over YouTube」 )と紹介しています。現実の年齢や性別、容姿や障害・疾病の有無にかかわらず、自分がなりたい外見になれるこのVTuberの世界は、現実世界の私たちの肉体を束縛するセックスやジェンダーを越境して、自由に羽ばたくことができる空間なのです。 さて、あなた方は「セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出している」「体を動かす度に大きな胸が揺れる」「下衣は極端なミニスカート」 などと、あたかも学校の生活指導教諭のようにVTuberの服装や体型を細かくチェックしたうえで、「性的対象物」 だと決めつけ、国際女性差別撤廃委員会が言うところの「固定観念と有害な慣行」に当たるとし、「公共機関である警察署が……採用することは絶対にあってはならない」と断定し、抗議されました。 しかし、服装や体型を理由に、「性的対象物だ」とレッテルを貼り、公共の場から追い出そうとするあなた方の活動は、本来、フェミニズムが擁護すべき、女性の多様な在り方と自由を称揚する立場とまったく矛盾するものです。 それだけではありません。 現実の肉体の年齢や性別を超えて、まったく異なる理想の身体になるという、新しいセクシュアリティを獲得した人々の意思と想いがこもったこの新しい文化に、「女性差別」のレッテルを貼りつけ、踏みにじろうとしているのです。 戸定梨香氏の所属する株式会社Art Stone Entertainment代表板倉節子氏もSNS上に今回の抗議について大変遺憾である旨、投稿をされており 、有志一同で板倉氏にお話を伺ったところ、 「私は女性ですが、彼女の見た目を女性蔑視だとは思いません。 人により感覚が違うのは当たり前の事ですので、価値観の違いを押し付けるのではなく、どうしたらお互いが良い方向に行くのかを考え、歩み寄る姿勢を取ることが何より女性が活動しやすく、大切な事ではないでしょうか。私が声を上げなければ削除をされて、この件は終わりでした。 新しい試みとしてVTuberを採用し、若い世代の方にも交通安全を広めて行きたいと言ってくださった警察の方にご迷惑をおかけする形となったことにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。表現をする上での女性の権利は一体何なのか。 今一度考えていただきたいと思います。」 と回答をいただきました。 地域住民の負託を受け、仮にもフェミニズムを掲げて活動する「全国フェミニスト議員連盟」の活動として、絶対にあってはならない暴挙と考えますので、厳重に抗議するとともに、貴連盟の見解をお聞きしたく、次の質問にお答えくださいますようお願いいたします。
1. VTuberが「丈の短い着衣」「大きな胸」であることが直ちに「性的対象物」になると断定する理由をお聞かせください。 2. VTuberが地域の交通安全啓発をすることが、なぜ「性犯罪誘発」につながるのか、明確な機序をお答えください。 3. あなた方の抗議活動は、「株式会社 Art Stone Entertainment」やVTuberを運営するクリエイターの公共空間における表現活動の場を奪い、経営者である板倉節子氏をはじめ、女性の自己表現の機会を潰す結果となっておりますが、そのことについて、女性活躍推進の観点からどのようにお考えか、お答えください。 4. 自らの肉体の年齢や性別と異なる姿になり、自らの意思によってその服装や肉体の在り方を決定するというVTuberという存在について、LGBT、特にクロスドレッサーの人権の観点から、どのようにとらえているかお答えください。 5. 戸定梨香氏の体型や服装は、VTuberとしてごく一般的なものと考えますが、そうしたVTuberの動画が「女児を性的対象とする」ものであり、「性犯罪を誘発する」と貴連盟が断定する根拠をお答えください。
私たち有志一同は、9月24日までに、 貴連盟による文書回答を希望いたします。 なお、私たち有志一同は、千葉県松戸市、松戸警察及び松戸東警察におけるVTuberを活用した地域振興及び交通安全啓発への先駆的試みを高く評価し、賛意を表明するとともに、今後もVTuberの活用をいっそう推進するよう、市と警察に対して申し入れを行う旨、併せて表明いたします。 以上
賛同者有志代表おぎの稔 (大田区議会議員・議員系VTuber)回答文書送付先:info@ogino.link青識亜論 (ネット論客) 賛同者(順不同) 東京都大田区議会議員 おぎの稔 東京都荒川区議会議員 夏目亜季 東京都武蔵野市議会議員 やぶはら太郎 岡山県津山市議会議員 みうらひらく 岐阜県垂井町議会議員 太田佳祐 兵庫県神戸市議会議員 岡田ゆうじ 他 有志一同
(全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状 より引用)
この署名運動は多くの賛同を得て、広く拡散されていくことになります。
以下は、9月10日に公開されたおぎの稔議員のブログです。
私はこの件の地元の松戸市を含む現職の議員が議員連盟という形で官公庁に圧力をかけ、民間事業者の行政とのコラボレーションを取り下げさせるという事について、憤りと危機感を持っています。 判断した側だけが悪く、政治家が圧力をかけることに問題ないとするならば、権力に忖度し、役所が行政を歪めることがあってもその役人だけの問題となってしまいます。不当な圧力を政治家の名前で行うことがそもそも問題なのです。行政への参画の機会、公で活動する機会をこのような形で奪われてしまって良いのでしょうか?タレントが今まで地元で活動を重ねてきたことが行政にも響き、コラボレーションが行えた、という努力を簡単に踏みにじる行為は到底看過できません。 今回、一般社団法人一国民の会様、AFEE(エンターテイメント表現の自由の会)、 AFEE女性支部様、有志の地方議員の皆様、ネット論客の青識亜論様とも連名で質問状の作成、抗議文を出すこととなりました。また、当事者である戸定梨香さんが所属する事務所の運営会社である、株式会社Art Stone Entertainment 代表板倉節子様からも賛同のコメントをいただきました。抗議、質問状 賛同いただける方はリンク先よりご賛同ください。
(抗議と署名募集。全国フェミニスト議員連盟に対して意見を送付します。 | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP より引用)
【2021年9月11日】 全国フェミニスト議員連盟へ向けて署名運動を踏まえた公開質問状が送付される 2021年9月11日。
神戸新聞社のよろず〜ニュースが本騒動を記事に取り上げます。記者は福島大輔 氏。
千葉県警は10日までに、ツイッターやYouTubeで公開していた子ども向けの交通ルール啓発動画を削除した。全国フェミニスト議員連盟から、動画に出演しているVチューバーの女性キャラクター「戸定梨香」について「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」といった点を挙げ、「女性蔑視にあたる」「性的で不適切だ」 との抗議が寄せられたことが理由だという。同キャラを管理する「Art Stone Entertainment」代表の板倉節子氏が11日、よろず~ニュースの取材に対応。全国フェミニスト議員連盟の抗議に対して反論した。
板倉氏によると、「戸定梨香」は昨年春に誕生し、約1年半稼働してきたが、「性的であるという指摘を受けるのは初めて」 だという。全国フェミニスト議員連盟からの抗議については「警察の皆さんと相談して作った作品ですし、アイドルのキャラクターとして、実際に放送されているアニメや、実在のアイドルさんの衣装を参考にしています。この見た目が性的で不適切なら、アニメやアイドルさんも不適切ということになるのでしょうか」 と反論。「たった一声で削除してしまうというのは、どうなんだろうと思わざるを得ません」と語気を強めた。 さらに板倉氏は「一番は、女性としての問題を訴えてくるのでしたら、私は女性ですし、女性として悔しい思いもたくさんしてきましたから、女性の地位を確立したいというは同じ。100か0かではなく、お互いに歩み寄れば解決方法はあったと思うのですが、そこをどうしてやってくれなかったのか。直接こちらに連絡をせず、警察に削除を求めるというやり方は疑問です」と続けた。 今回の削除を受けて「戸定梨香は松戸市のご当地Vチューバーとして活動してきましたが、今後は松戸市と関わって何かしていくのが難しくなってしまう。そのためにみんなで頑張ってきたのに、今までの私たちの松戸に対する思いや、やってきたことを否定された気がして…」 と板倉氏。「見た目をとらえて、本来の作品の意図に目を向けずに活動を抑制することは、それ自体が逆に女性蔑視ではないのでしょうか。本当に女性のことを考えての行動なのかという疑問はありますね」と忸怩(じくじ)たる思いを吐露した。
(Vチューバー「戸定梨香」交通ルール動画がフェミニスト団体の抗議で削除 管理者は「逆に女性蔑視」と反論|よろず〜ニュース より引用)
午後3時44分には、板倉節子氏が署名運動に伴って、自身の想いを改めてTwitterに投稿しました。
県警から動画は削除されましたが、全国フェ ミニスト議員連盟の議員の方々の名前が並び抗議をされている以上、それだけの力を出してきているのですから、警察側がそれを無視して掲載を続けることは不可能だと判断されたのは仕方がない事だと思います。交通安全のPRは1年半前から松戸警察、松戸東警察様と一緒に活動をさせていただいておりました。 昨年は、弊社の松戸市ご当地キャラクターばけごろう、アイドルがPRをさせていただく形となりましたが、コロナの影響で、イベントは中止となってしまいました。 ポスターは弊社で制作をさせていただき、警察の方のご協力の元、松戸の交通安全のPRの為に色々な場所へ貼らせていただきました。 そして今年のPRでは非接触型でPRが可能となるVTuberを起用していただき、何度もご足労いただき動画が出来上がりました。 動画の内容は、警察の皆様の想いが詰まって おり、制作をして行く中で、もっと何か出来 ないかという気持ちが強くなりました。
松戸市、松戸警察・松戸東警察にご迷惑をおかけするのは私の望んでいることではありません。 私が今回、疑問を感じてSNSに書き込んだ内容は、全国フェミニスト議員連盟に対してです。 私は松戸市で起業をした女性経営者です。 弊社に抗議を送り、お話し合いの場を設けてくだされば、この0か100かの結論にはならなかったのではないかと思います。松戸の市議会議員が代表ならば、松戸の地域活性化に対する気持ちは同じ所にあると思います。 私は、コンテンツ産業に力を入れてくださる松戸市で起業出来たことを心から良かったと思っており、松戸市の魅力を広めて行きたいです。新しい試みを進めてくださった松戸警察、松戸東警察の皆様には感謝しかありません。 おぎの議員が協力をしてくださり、現在署名運動を行っております。
私の希望は、全国フェミニスト議員連盟のお声をお届けいただき、お互いに歩み寄れる結論があるのではないか。というところです。今回の件は、動画が削除で終わりの問題ではないと思っております。 多くの未来の方達に繋がる話だと思います。 動画は警察の方のお気持ち、弊社のタレント、スタッフ、クリエイター様のお気持ちが詰まった物ですので、今後もVASEのYouTubeにて掲載させていただきます。色々なご意見があり、どこが不快かの価値観や線引きは人それぞれです。 だからこそお互いが話し合い、歩み寄る姿勢が大切なのではないでしょうか。 その行動が、私達女性が生きやすい社会を作り出せると私は思います。
(板倉節子 / Setsuko Itakura|午後3:44 · 2021年9月11日|Twitter )
署名運動も、おぎの稔氏を通して板倉節子氏とも連携を取られているため、板倉節子氏の意向を汲み取って展開されていきます。
そして、午後8時30分頃。
署名数が2万筆を超え、全国フェミニスト議員連盟へ向けて公開質問状が送付されました。
私たちは、萌え表現やバーチャルYouTuberによる表現行為に対する偏見や差別を改めるとともに、 日本社会における表現の自由、多様性及び寛容さを求めて声を上げ、 TwitterなどのSNSを通じてつながる有志一同です。 さて、去る8月26日に貴連盟が千葉県警察本部等宛てに提出した、 「「松戸市ご当時VTuberの戸定梨香」を啓発動画に採用したことに対する抗議」について、 私たちは強く抗議するとともに、あなた方が行った「抗議」により、 Vtuberを活用した自治体による啓発動画が削除されたことについて、 深い遺憾と変慮の念を表明いたします。 つきましては、次のとおり、 「全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状」を提出いたします。 https://chng.it/gFd9rNd2Yq 本文書は、9月10日に署名の募集を開始して以来、 わずか2日 で全国のみならず世界44カ国から2万筆の賛同が集まっております。 市民の負託を受けた、責任ある全体の奉仕者たる議員連盟として、 多数の人々の抗議を真摯に受け正めるとともに、 誠実なご回答をお願いいたします。 私たち有志一同は、9月24日まで に、 貴連盟による文書回答を希望いたします。 なお、御回答いただいた文書については、インターネット上にて広く公開することとし、 期日までに御回答がない場合は、 回答をいただけなかったものとしてその事実を公表しますので、ご了承ください。 以上
(青識亜論|午後8:38 · 2021年9月11日|Twitter より引用)
なお、メール内では「わずか2日」と書かれていますが、青識亜論氏が署名ページを公開したとTwitterで投稿したのが午後6時18分のため、正確には少なくとも署名開始から「25時間20分」 の時点で2万筆 が集まっていたことになります。
また、青識亜論氏はこのような注意喚起も行っています。
このときだけに限らず、青識亜論氏とおぎの稔議員は、署名賛同者に向けて「攻撃的言動や誹謗中傷は慎むように」と、何度も繰り返し呼びかけているようです。
午後21時30分には、"戸定梨香さん"がライブ配信を行いました。
本件の当事者である"戸定梨香さん"の素直な気持ちが語られています……やはり、当事者として精神的にかなり辛い状況にあるのか、不意に涙を零してしまう場面もありました。
それでもなお、"戸定梨香さん"は「松戸が大好きで応援して下さる方が沢山いらっしゃるのも幸せなことで、感謝しています。これからも松戸市を盛り上げるために頑張りたい」と、松戸市への想いと愛を語りました。
【2021年9月13日】 署名賛同議員の元に、全国フェミニスト議員連盟の世話人が事前連絡無しで来訪 2021年9月13日午後1時19分。
おぎの稔議員はこのようにTwitterで投稿しました。
それによると、全国フェミニスト議員連盟の世話人が事前のアポイントメント無しで来訪したようです。なお、世話人が来訪したのはおぎの稔議員ではなく、署名に賛同している別の議員のようです。
後述しますが、署名賛同議員側としては、「個人の意志か全国フェミニスト議員連盟の意志か分からず、全国フェミニスト議員連盟が炎上している最中、これ以上騒ぎにしない為に名前までは出さなかった」にも関わらず……。
その人物が自ら来訪した旨を公言する形で、このときに来訪した人物が、元・荒川区議会議員であるせの喜代 氏であることが後ほど判明します。
【2021年9月14日】 全国ライブ配信協同組合準備会が全国フェミニスト議員連盟に対して要望書を提出 9月14日、互助会組織のライバーコミュニティCoyu.Live 所属のライブ配信者などでつくる全国ライブ配信協同組合準備会が、全国フェミニスト議員連盟に対して要望書を提出しました。
要望書の内容は「戸定梨香さんと所属事務所へ謝罪すること」「VTuberなどバーチャル文化への理解を深めるべく勉強会等を実施すること」の2点を求めるものです。
平素より弊会の活動にひとかたならぬご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。 貴連盟は本年8月26日付にて「ご当地 VTuber 戸定梨香」を啓発動画に採用したことに対する抗議ならびに公開質問状」(以下「本件抗議文」といいます)を公開すると同時 に、本件抗議文を千葉県警察本部長および松戸警察署長、松戸東警察署長(以下、前記2警察署を「同警察署ら」といいます)、ならびに千葉県知事、松戸市長、教育長あて提出されました。これにより、 同警察署らが民間企業との協定により実施した交通事故防止啓発動画事業が中止されることとなり、貴連盟には約3万名の地方議員ら有志から、オンライン署名「change.org」を通じた抗議が寄せられているところです。 貴連盟は本件抗議文において、同警察署らが起用したVTuber(バーチャルタレント))「戸定梨香」さんの容姿が、女児を性的対象として強調しているものとして、同タレントの起用中止を警察署らに申し入れました。弊会は、バーチャルタレントを含むすべてのライブ配者は、なりたい自分を表現し、理解してもらうことを通じて、ICT社会におけ る自己実現をめざす職業であると考えています。同タレントは、自身の希望する容姿およびパーソナリティを共有する、バーチャルな存在として活動を行っており、性的対象物と して他人が構築したものではありません。 このことは本来の年齢や性別、容姿、疫病・ 障がいの有無、社会的地位等に束縛されないで自己決定権を行使することのできるものとして高く評価すべきことと考えています。 今日、バーチャルなアバター(主にWeb上において使用されるアニメ風の代替容姿)を用いたライブ配信は10代・20代など若者世代にも大きな広がりを見せています。この広がりは、子どもが自身の能力をいかし、自由に意見を表明し、前述のような本来の身体的要因による差別を排することを促進するものであって、「子どもの権利条約」一般原則 (1989年)に即した望ましいデジタル技術の発展のあり方です。 本件交通事故防止啓発動画事業において、「戸定梨香」さんを起用して当市の若い世代に交通安全運動をPR することは、本来目的たる交通事故防止啓発にとどまるのみならず、同タレントを通じて対象児童生徒らの生き方をより広げ、子どもの人格のさらなる発展と健全育成に資するものになると考えます。同タレントの容姿等を「性的対象物」などときめつけ、公共の場から排除することは、多様性を排除した「あるべき姿」の押し付け であり、貴連盟のいう「固定観念と有害な慣行」をむしろ助長するものであると指摘せざるをえません。 フェミニズムの根幹は男女平等、つまるところ男女格差の是正にあるはずです。しかし VTuber の世界には男女格差などなく、女性が自ら進んでVTuber になっているのです。 それを否定するのであれば、男女格差の是正を目的としたものとはならず、「女性のあるべき姿」を定義した目的とは逆の団体であると非難されるであろうことを深く懸念しております。 これらを踏まえ、弊会は、貴連盟に対して以下2点要請いたします。 1. 本件抗議文を撤回し、「戸定梨香」さん、および運営企業に謝罪すること。 2. 貴連盟所属議員において、本件抗議文における間違いを反省するとともに、バーチャル文化およびVTuber、ライブ配信業に関する理解を一層深められ るべく勉強会等を実施し、その内容および結果を公表されること。 以上
(VTuberら、戸定梨香さん交通安全動画へ抗議の「フェミ議連」に謝罪要求―AlisCoop全配信協 | Adect(アデクト) より引用)
また、同日。
VTuber戸定梨香さんに対して批判的なアカウントから、このような図解が投稿されました。
(@rtoiuyuiotyuijj|午前1:42 · 2021年9月14日|Twitter より引用)
この図解の左上部分では、「クリエイター」および「松戸警察」が以下のように発言しています。
「再生数を稼ぐために乳揺れ男媚びコンテンツを作ろう」
「大きな胸とかヘソ出しってみんな好きだよね(女性の存在の消失)だから胸をブルンブルン揺らしたこのキャラを使って老若男女が観る交通安全啓発動画を作るよ。え? 何が悪いの???」
この図解の中では、これらの発言に対して「これ自体は悪くない、自由」「これが問題」とコメントが書かれておりますが……。
そもそも、VTuber戸定梨香さんのデザイナーも、経営者の板倉節子氏も、松戸県警も、これらの発言をしておりません。
せめて最低限、事実に基づいて論じて頂きたいと思うと共に「そこまでして、戸定梨香さんを非難したいのか……」という執念を感じてしまう図解でもあります。
【2021年9月16日】 株式会社Art Stone Entertainment代表の板倉節子氏が『Abema Prime』に出演。 前述した通り、9月9日の時点で、全国フェミニスト議員連盟が松戸市へ送った公開質問状に対する回答は、松戸市教育委員会および千葉県警・松戸警察署・松戸東警察署からの回答はあったようですが……。
1週間遅れて、9月16日付けで松戸市からも回答があったようです。
平素より、本市行政にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 松戸市ご当地VTuber戸定梨香を交通安全啓発活動における施策の一環 として採用したことに関しましては、他の行政機関 (千葉県警察) が実施した個別の施策であり、経緯の詳細について存じませんので、意見を述べることは差し控えさせていただきます。 松戸市におきましては、人権を尊重しつつ、男性と女性が対等な関係性を持って、ともに様々な分野において活躍し能力が発揮されるよう取り組みを進めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
(千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛の公開質問状を提出。およびその回答について。 – 全国フェミニスト議員連盟 より引用)
この回答は、松戸市教育委員会の回答である「基本的には、他の行政機関が実施した個別の施策に対して、松戸市教育委員会として意見を表明する立場にございません」と同様に、他の行政機関が行った施策に関して意見を述べることを差し控えるというものでした。
当然と言えば、当然の回答であり、他の行政機関が行った施策に関することなので、これ以外に回答のしようがないでしょう。
また、午後7時59分。
おぎの議員は「全国若手市議会議員の会 」の会長であり、また松戸市議会議員でもある杉山よしひろ氏 と打ち合わせを行いました。
また、同日。
午後9時から、インターネットTVの報道番組番組『Abema Prime』に、株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表が出演しました。
なお、同番組は全国フェミニスト議員連盟の側にも出演の打診をしていたようですが……。
後述しますが「会合を開いて決定しなければならず、今回は間に合わない 」との回答だったようです。
【2021年9月17日】 参議院議員の藤末健三氏が千葉県警へヒアリングを実施 2021年9月17日午後6時38分、前日の『Abema Prime』の内容が文字起こしされて公開されました。
全文は少々長いので、株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表が意見を述べている部分のみを引用します。
板倉氏はVTuber、そして戸定梨香について、「そもそもVTuberというのは、見た目や年齢、性別にとらわれることなく、なりたい自分を表現するもの。着たい衣装を身につけられるし、どんな世界にも飛んでいけるという、ICT社会における日本文化の発信だ。だからアニメとはまた違うし、それぞれが個性、人格を持ってやっている。戸定梨香は1年半前に私たちの会社が作ったものだが、もちろん人格を持っていて、アイドルが好きな子だからアイドルが着ているような衣装を着ている」と説明。 問題視されたPR動画に関しては「去年も警察のPRを弊社の“ばけごろう”がやらせていただいていたこと、弊社と松戸市の関わりがある中で決まったもので、ボランティアだ。税金もかかっていない。動画としては7月中旬に公開が始まったが、削除までの1カ月半、弊社へのクレームや警察からの連絡は一切無かったし、戸定梨香についてもこの1年半、全く無かった 」とした。
その上で板倉氏は、今回の抗議に「100%完璧な作品というのは、世の中に一つもない。必ず肯定と否定がある。今回の動画について否定的な意見があるのも、抗議されることについても問題はない。ただ、抗議の内容が問題だと思う」として、次のように指摘する。 「“性的対象物を描写し、かつ、強調している” ということだが、そう見えるのかどうかはそれぞれの線引きだと思う。私も女性だし、VTuberのタレントも女性だし、関わっているスタッフも女性だ。私たちからすれば、性的対象物を描写したつもりは一切ないし、強調したつもりもない。法に触れているわけでもない。今回もあくまでフェミニスト議員連盟の方々の、科学的根拠もデータもない、主観的な判断だと思うが、それによって戸定梨香は尊厳を傷つけられたし、弊社は損失も被った。今後の仕事にもかなり影響があると思う。
しかも団体の代表は、同じ松戸市の市議会議員の方だ。 私たちは市に貢献したいという思いから会社を立ち上げ、今までやってきた。つまり市の地域活性化、女性の権利や社会進出を訴えたいという思いは同じだと思う。議員さんというのは、そもそも市民の方の声を集めて、良い方へと導いてくださるのが役目だと思う。私たちだって市民ではないか。その声は聞いてもらえないのか 」。
また、動画の削除にあたっては、県警からの詳しい説明はなされなかったのだという。 「削除になるかもしれない、という連絡はいただいたし、抗議があって、このまま残しておくわけにはいかないということは言われたが、誰からの抗議なのかというのは知らされなかった。そもそも今回のPRは年間を通じてのものだったので、秋冬が残っている。この後は警察の格好をするということが決まっていて、既に制作も終わっている。 また、10代、20代向けにYouTubeでPRをしていきたいということだったが、第2弾として、ポスターを作って配布することなども検討されていた。胸が揺れるように作ってくださいと頼んだわけでもなかったが、そういう風に見えるのか、気にするようなポイントなのかと驚いたし、そうした意見、抗議をまず私たちの方にくだされば、松戸のPRを良くするためにも話し合うこともできたと思う」
番組では全国フェミニスト議員連盟に対して代表者の出演を打診したが、会合を開いて決定しなければならず、今回は間に合わないという回答だった。 板倉氏は「私はこれまで取材は全て受けてきた。それは自分たちの思いを伝えたいからだ。取材に来た方々に、“全国フェミニスト議員連盟さんはどのような回答をしているのか”と聞くようにしているが、議会が忙しいといった理由から、一切回答がないという。 私たちは反論をしているわけだし、もう少し声を上げて、返して欲しい。そうじゃないと、問題は解決しないと思う」と呼びかけた。
(「女性の権利や社会進出を訴えたいという思いは同じだと思う」松戸市のVTuber「戸定梨香」の動画削除で、運営会社社長が全国フェミニスト議員連盟に呼びかけ | 国内 | ABEMA TIMES より引用)
秋冬のコラボキャンペーンに向けて、警察の格好をするということが決まっていて、既に制作も終わっていたにも関わらず、その見通しが立たなくなってしまったのは、非常に居た堪れない状況です。
また、同日。
午後8時19分に、参議院議員の藤末健三(ふじすえけんぞう)氏が、警察庁を通して千葉県警にヒアリングを行いました。
重要なのは、以下の千葉県警の回答です。
・質問状にある『性犯罪を誘発する懸念』があるということが削除理由ではない ・非接触型による交通安全教育・啓蒙の新たな手法として考えたことであり、性的な対象として認識したことはない ・本来の目的と異なる意図で伝わることは本意ではなく、掲載期限(9/17)が迫っていたこともあり、削除した
(藤末健三|午後8:19 · 2021年9月17日|Twitter より引用)
千葉県警はメディアからも取材も受けることになりますが、上記の文言と同様の見解を示しています。
【2021年9月18日】 全国フェミニスト議員連盟が「当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるもの」と見解を表明 署名運動開始から、およそ1週間。
2021年9月18日午後10時9分の時点で、署名数が4万筆を超えました。
しかし、同日。
全国フェミニスト議員連盟が、公式サイトを更新して公開質問状に関する見解を表明しました。
その内容は、全国フェミニスト議員連盟への抗議署名に対する回答ではなく、また"戸定梨香さん"や板倉節子代表へ向けた、株式会社Art Stone Entertainmentの活動に配慮するものでもありませんでした。
以下が、その見解です。
千葉県警等に提出した抗議ならびに公開質問状にご関心をお寄せいただいた皆さまへ提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。 当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです。 現在、多数のメール等が多種の内容で寄せられており、個別に回答は致しかねます。悪しからずご了承ください。 以上
(千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛の公開質問状を提出。およびその回答について。 – 全国フェミニスト議員連盟 より引用)
この見解は「千葉県警等に提出した抗議ならびに公開質問状にご関心をお寄せいただいた皆さまへ」と題されています。
形式上も、署名運動による公開質問状の5つの質問の答えにはなっていないため、あくまで「皆さまへ」向けて発信されたものでしょう。
そのため、署名運動の方に連絡は全く来ていなかったため、署名運動を展開する方々が全国フェミニスト議員連盟のサイトの文言に気づくには若干のタイムラグが発生します。
また、午後9時37分。
有志のすもも 氏が、自身が実施したVTuber戸定梨香氏に関する統計調査の結果を記事として投稿します。
調査結果まとめ Q1:VTuber「戸定梨香」の好意度 ・「好き計」よりも「嫌い計」の方が12.7pt高い。 ・交通安全啓発活動のターゲットである若者層で「好き計」が高い。Q2:VTuber「戸定梨香」が警察の交通安全啓発活動のキャラクターに採用されることの問題性 ・「問題があると思う」は28.2%にとどまり、「問題があるとまでは思わない」が71.8%と多数であった。 ・交通安全啓発活動のターゲットではない中高年女性が過敏に問題視している。Q3:VTuber「戸定梨香」が警察の交通安全啓発活動のキャラクターに採用されたことに対する議員団体の抗議に対する見方(「行き過ぎ」か「当然」か) ・「行き過ぎ」の方が「当然」よりも6.2pt高い。 ・「行き過ぎ」は若者で非常に高く、フェミニズム的な理屈による抗議は、若者からはドン引きされている。 ・交通安全啓発活動のターゲットではない中高年女性が議員団体の抗議を支持している。
結論 今回の調査結果では、VTuber「戸定梨香」は、交通安全啓発活動のターゲットである若者で比較的好まれており、また、約7割の人は問題があるとまでは思っていないことがわかった。一方、中高年女性が過敏に問題視しており、若者と中高年女性の世代ギャップが浮き彫りとなった。 交通安全啓発活動のターゲットである若者を差し置いて、ターゲットではない中高年女性の意見(全国フェミニスト議員連盟の抗議)を尊重して、VTuber「戸定梨香」の交通安全啓発活動への起用が取り止めになったことは本末転倒な事態であろう。 全国フェミニスト議員連盟に必要なのは、自分たちの世代の感覚で理解できないものを、"公開質問状"という形の実質的圧力で排除しようとすることではなく、異なった世代の感覚を理解しようという寛容な姿勢なのではないだろうか。
(VTuber「戸定梨香」に関するインターネット調査(全文無料・ローデータ有料)|すもも|note より引用)
また、補足として。
すもも氏は別のnote記事 にて、以下のように述べています。
インターネットモニター調査は他の従来型調査(郵送調査など)と比べると「学歴が高い」「未婚率が高い」「自営、専門、技術的職業が多い」「意識設問では批判的である」 という偏りがあることが確認されている。以下の論文に詳しい。 石田浩、佐藤香、佐藤博樹、豊田義博、萩原牧子、萩原雅之、本多則惠、前田幸男、三輪哲「信頼できるインターネット調査法の確立に向けて」(2009年)https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/rps/RPS042.pdf
インターネット調査では「全体的に肯定的意見が多い」ならまだしも、「全体的に批判的意見が多い」という場合は注意が必要です。
全体の批判的傾向よりも、同一条件での「世代差・性別差」等の「属性間での差」にこそ注目した方が良いという点は、留意しておくべき点でしょう。
【2021年9月19日】 有志により、全国フェミニスト議員連盟の公開質問状に関して批判的検討が為される 2021年9月19日、午前4時56分。
全国フェミニスト議員連盟の世話人 であるせの喜代氏が、ブログを更新し、Twitterに投稿します。
へそ出し超ミニ激痩せ女の子を松戸警察署千葉県警が広報に使ったので、全国フェミニスト議員連盟で抗議したら、オタクを差別するのか等、見当違いの抗議や質問が寄せられて、改めて、日本は「女は可愛く、幼くあれ」という差別意識が女性にも蔓延していることを思い知らされた。オタク議員集団として夏目亜季荒川区議も名前を連ねている。多分、国連や政府の公的広報の手引きをご存知ないからだと思う。9月議会終了後、話をしようねと約束した。
(警察がへそ出し超ミニ激痩せ女の子を広報に使うことの問題点 | 三河島くらぶ より引用)
ここで書かれている「月議会終了後、話をしようねと約束した」とは、2021年9月13日に、全国フェミニスト議員連盟から事前のアポイントメント無しで加盟議員が来訪したという一件です。
このブログの存在は2日後に、署名賛同議員に発覚して言及されることになります。
また、16時42分。
有志の手嶋海嶺氏 により、全国フェミニスト議員連盟が千葉県警他に送付した公開質問状の内容に関して、批判的検討をする記事が公開されました。
この記事は、全国フェミニスト議員連盟の主張に関して「科学的な根拠はあるだろうか」 という点から、各種論文および総説論文を調べたものです。
記事内では、次のように検討が為されています。記事の性質上、抜粋することが難しいので、僭越ながら要約をさせて頂きます。
・まず、公開質問状で問題とされている主語が「本動画は」 であるため、全国フェミニスト議員連盟が「戸定梨香さんの動画そのもの」は問題にせず「警察の判断だけを問題としている」とは、どう頑張っても読めない。 ・「性的な対象として描く」 は、公開質問状にて国連女子差別撤廃委員会の勧告文を引用していることから、ジェンダー理論の専門用語である「性的対象化」(Sexual objectification)を指していると思われるが、東北学院大学准教授の小宮友根氏 や、フェミニスト哲学者のヌスバウム氏の論文 で示されている定義に、戸定梨香さんの動画は該当しない。 ・「女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています」という文言には、トレーサビリティ(追跡性。後から読んだ人が、その記述内容の正しさをチェックできるかどうか。出典の明記等)が無い。 ・「性犯罪誘発の懸念」と全国フェミニスト議員連盟は主張するが、Milton Diamond氏の総説論文 によれば「ポルノの入手可能性が高まるにつれ、性犯罪は減少するか、少なくとも増加しないことがいたるところで明らかとなっている」「この結果はアメリカ国内だけでなく、世界のさまざまな国でも同じであった」 とあり、日本も対象となっている。総説論文であるため、個別の論文ではなく複数の論文でこの結果が示されていることを意味する。 ・性暴力的表現に限定せず、「暴力表現」一般まで広げて論文を調べると、子どもについて「暴力的なゲームをすると、暴力的な人間になる」という主張に「反論」するFerguson氏の総説論文 がある。相関関係はあるが、因果関係は不明であり、家庭環境に問題がある場合に時間を潰す手段としてゲームを選択しているだけ」というのも現実的な話としてありうる。そうである場合、ゲームを没収しても、その人を追い詰めるだけで(粗暴で攻撃的な振る舞いなどの)問題は少しも改善しないと予想できる。 さて、私は問いかけたい。 「女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長」 「女児を性的な対象として描くキャラクターを採用することは、性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」 「固定観念が引き続き女性に対する性暴力の根本的原因であり、ポルノ、ビデオゲーム、漫画などのアニメが女性や女児に対する性暴力を助長」 これらの主張の、科学的な根拠って何?
(全国フェミニスト議員連盟による抗議状の超批判的検討|手嶋海嶺|note より引用|要約:神崎ゆき)
なお、総説論文とは「特定の分野やテーマに関する先行研究を集め、体系立ててまとめることで、その分野やテーマの概説や研究動向、展望を示す」タイプの論文のことを言います。
個別の論文ならば、間違った奇説・珍説である可能性も否めませんが、総説論文の内容を否定するならば、それ相応の根拠が必要となるでしょう。
【2021年9月20日】 本騒動に関する全国フェミニスト議員連盟の見解に関して、同連盟の増田かおる議員がTwitterにて言及 全国フェミニスト議員連盟が見解の表明をサイトに掲載してから、2日後。午前0時40分、深夜におぎの議員がサイトの更新に気づきます。
同日、午前1時22分。
株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表が、全国フェミニスト議員連盟の見解について、思いの丈を綴っています。
先日の『Abema Prime 』でも、板倉節子氏は「取材に来た方々に、“全国フェミニスト議員連盟さんはどのような回答をしているのか”と聞くようにしているが、議会が忙しいといった理由から、一切回答がないという。私たちは反論をしているわけだし、もう少し声を上げて、返して欲しい。そうじゃないと、問題は解決しないと思う」と語っておりました。
やっと同連盟が示した見解がこの内容でしたら、呆然としてしまっても致し方ないでしょう。
午前1時28分、おぎの議員はブログを更新します。
こんばんは。大田区議会議員のおぎの稔です。先週10日より始めた全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状ですが、一週間弱で4万筆を達成しました。(22日現在、5万2千筆) ご協力ありがとうございます。私も共同代表として呼びかけ人になっておりますので、この場でお礼を申し上げます。 メディア等でも取り上げられ、話題にもなってきたかなと思うのですが、現在時点でも、こちらの公開質問に対して返答は来ていません。(公式のメールアドレスに送付しました。) さて、そんな中、全国フェミニスト議員連盟のHPが更新され、今回の件について声明が出ました。 "千葉県警等に提出した抗議ならびに公開質問状にご関心をお寄せいただいた皆さまへ 提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。 当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです。現在、メール等が多種の内容で寄せられており、個別に回答は致しかねます。悪しからずご了承ください" と、全ての責任を千葉県警にかぶせる形の声明でした。自分達の公開質問状で謝罪、使用中止、削除まで求めておきながら、そして、性犯罪を誘発する懸念があるとまで言っておきながら、このような回答をするのでしょうか? 理解できません。引き続き、この件は追いかけていきます。そして渦中の方となった松戸市のご当地Vtuber戸定梨香さんのために二つ、企画を進めていきます。問題提起(再発防止)と被害の回復。両輪で頑張っていきます。ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
(署名一週間で4万筆。全国フェミニスト議員連盟からの回答は? | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP より引用)
朝になり、午前8時49分。
全国フェミニスト議員連盟の代表である松戸市議会議員の増田かおる氏は、Twitterに同見解について投稿しました。
さらに、午前9時26分。
増田かおる氏は、続けてこのように投稿しています。
この投稿には、数多くの批判が寄せられました。
主な批判内容は「実際に動画が削除されているのに、いったい何を言っているのか」「議員に力が無いと言うのは、選挙で投票した市民に失礼ではないか」「世話人会で合議した内容がこんな表明なのか」といったものです。
他にも、増田かおる氏が「戸定梨香さんに否定的なツイート」を何件も"いいね"していたことから「忙しいと言いつつ、ツイートを検索して"いいね"する暇はあるのか」という批判や……。
せの喜代氏がアポイントメント無しで突然来訪していることについて「議員連盟の世話人が突然やって来たことも『世話人会の合議』によるものか。それは正当な手続きを外れていないか」という疑問もありました。
(なお、この時点では"事前連絡無しで来訪してきた人物がせの喜代氏である"という個人名に関しては、署名賛同議員側は伏せておりました)
午前10時47分、おぎの議員はこのように投稿します。
公開質問状では明確に「謝罪・削除・使用中止」 を要求していたにも関わらず「認識を問うたもの」 でしかないとするのは……さすがに、無理があると私も思います。
午後7時4分。
VTuber戸定梨香さんのデザイナーであるあずま京 氏が、本騒動に関する4コマ漫画を掲載。
(あずま京|午後7:50 · 2021年9月20日|髪のメッシュ追加版|Twitter より引用)
午後7時59分に、株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表もTwitterに投稿します。
板倉節子氏によれば、自分自身も、そして話し合いの中で警察の方も、全国フェミニスト議員連盟から「強い圧力」を感じていたとのことです。
同日、午後8時59分。
署名発起人の青識亜論氏とおぎの議員が、YouTubeのライブ配信にて今後の展開について発信しました。
そして、午後11時頃。
ついに、地上波の『 news zero 』にて本騒動のことが取り上げられることになります。
【2021年9月21日】 各新聞社や地上波テレビでこの騒動が話題になり始める 2021年9月21日、午前0時30分。
約1時間半前に放送された内容が、日本テレビの『news zero』の公式アカウントからTwitterに投稿されます。
そして、同じく日本テレビ系列の『日テレNEWS24』が、この番組を記事にして配信しました。
女性キャラクターのVTuberが、千葉県警のYouTube動画に登場したのです が、「性的対象物として描写されている」と抗議を受け、削除される事態になりました。 千葉県松戸警察署などが7月に公開した交通安全のPR動画では、VTuberが自転車 走行時のルールなどを説明しています。しかし、今月になって県警はこの動画を削除したのです。 そのきっかけは、松戸市議らが代表をつとめる全国フェミニスト議員連盟からの抗議です。「セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。」「性的対象物として描写し、かつ強調しています。」 女性蔑視や性犯罪を誘発する恐れがあるなどとして、謝罪と動画削除を求めたのです。 今回の動画は、若い世代に興味をもってもらうため、作られたといいます。松戸市民(20代)「かわいい」 松戸市民(20代)「(Qミニスカート気になりますか)いや全然」「アニメとかだとよくある」 松戸市民(50代)「すごい変な感じは受けなかったですね。いろいろな(事を)言う人 がいるから、露出が多かったりすると言う人もいっぱいいるのかな」 千葉県民 (40代)「折衷案みたいな感じで、もう少し改善するのはありかな。もう少しスカート長くするとか」 VTuberの所属事務所は一。 VTuber の所属事務所・板倉節子代表「松戸としてPRできる、かわいらしいイメー ジで作っただけだったので、性犯罪を誘発するとか書いてあったのは正直驚きました」警察官の制服を着た第2弾の動画もすでに制作していましたが、今回の事を受けて公開は延期になったといいます。 VTuberの所属事務所・板倉節子代表「(Q(服装が)奇抜だと思うという声は) 一度もないですね。ご意見いただくのは当たり前の事ですので、(抗議ではなく)どういう方に進めていけばいいのかを(直接)相談しながら進めていければよかったんじゃないかなと」 一方、抗議文を出した全国フェミニスト議員連盟は「抗議文により騒ぎになっている事は承知している。その上で近日中に会議を開き各所対応を検討していく」 としています。 9月20日放送『news zero』より。
(VTuber起用のPR動画…抗議受け削除|日テレNEWS24 より引用)
朝になり、午前10時42分。
全国フェミニスト議員連盟の世話人 であるせの喜代氏がブログを更新してTwiterに投稿します。
松戸警察千葉県警が交通安全に利用しようとしたへそ出し超ミニ激痩せ女児キャラの何が問題なんだと考える人が多いらしい。ぜひ、斉藤章佳著「小児性愛」という病ーそれば、愛ではない を読んでほしい。 そして、世界の児童ポルノの7割以上が日本発であること 、女子中高生を買春するオヤジが多く、国連から何度も勧告が出されていることも知ってほしい。警察が採用した責任は大きい。日本は、女の子は小さい時から、可愛いく、幼く、意見なんか言わないでと育てられている国なのだ。だから、東大を希望したり、社長になろうとか、議員になろうとか思う女性が増えないのだ。 警察も報道機関も男社会だから、そういう視点がないらしい・・・それにへそ出しは冷えは万病の元、激痩せも、健康教育上良くないのである。
(へそ出し女児キャラと「小児性愛」という病を考える | 三河島くらぶ より引用)
なお、元々の文言は「それにへそ出しは冷えは万病の元、不妊の原因になるかもしれないし、 健康教育上良くないのである 」だったのですが、現在は変更されているようです。
それを差し引いても、この文章にはあまりにも問題点が多いため、端的ではありますが、5つの指摘を入れさせて頂きます。
1つめ、まず「世界の児童ポルノの7割以上が日本発」とありますが、2019年のデータによると「オランダが89%、アメリカが23%、フランスが7%、カナダが4%、スロバギアが3%」であるため、完全に事実誤認です。
2つめ、VTuber戸定梨香さんについて「小児性愛」が引き合いに出されて語られておりますが、小児性愛は「小児(通常13歳以下)を対象とする、反復的で性的興奮を引き起こす強い空想、衝動、行動」です。
全国フェミニスト議員連盟は公開質問状にて、VTuber戸定梨香さんを「女子中高生であることを印象づけたうえで」と記述しているため「小児性愛の対象には該当しない」 ことになります。医学的な用語を、本来の定義から外れて曖昧なイメージで使用するのは、くれぐれも控えて頂きたい。
3つめ、「社長になろうとか、議員になろうとか思う女性が増えない」と仰っていますが、まさに社長として活躍する女性である板倉節子氏の企業活動に支障をきたす行為をしながら言うことでしょうか。
4つめ、「警察も報道機関も男社会だから、そういう視点がないらしい」とありますが、なぜVTuber戸定梨香さんの演者・デザイナー・所属事務所の経営者が全員女性であることを無視するのでしょうか。
5つめ、「それにへそ出しは冷えは万病の元、激痩せも、健康教育上良くないのである」というのは、それこそ自由な格好を望む女性を束縛する言動ではないでしょうか。
そして、午後0時23分。
せの喜代氏が9月19日に公開したブログ記事 について、署名運動の賛同議員である夏目亜季 氏が気づきます。
続けて、夏目亜季氏は、せの喜代氏がアポイントメント無しで来訪したことについて見解を述べます。
「私に来たことでこれ以上火がつかないようにと思って配慮したつもりで名前等は伏せた」にも関わらず、せの喜代自身が名前を公開してしまった……。
せの喜代氏が独断で夏目亜季議員の元へ来訪したのか、それとも増田かおる氏が言うように「世話人会の合議」によって来訪したのか、全国フェミニスト議員連盟が対話に応じていないため、現時点でも不明なままです。
午後9時41分、本騒動をいち早く記事にしていたJ-CASTニュースが、再び記事を公開しました。内容は、ここまでの騒動の流れと、全国フェミニスト議員連盟がサイトに公開した見解について。
動画の削除を受け、署名サイト「change.org」では9月10日、フェミニスト議連の主張は不当だとして抗議するページが作成された。キャラクターを性的とみなす根拠などを質しており、21日現在で約4万6000筆 集まっている。 一方の議連は18日、「千葉県警等に提出した抗議ならびに公開質問状にご関心をお寄せいただいた皆さまへ」とする声明を公式サイトに掲載し、「提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです」 とのスタンスを示した。「現在、多数のメール等が多種の内容で寄せられており、個別に回答は致しかねます。悪しからずご了承ください」と付け加えている。 また、9月9日付で届いた千葉県警からの回答書も公開した。県警は動画の是非について言及せず、「いただいた御意見につきましては、今後の広報活動の参考とさせていただきます」と答えている。
議連の共同代表で松戸市議の増田薫氏は20日、ツイッターに「皆さん、議員にどれだけの力がおありとお思いか知らないですけど、まさか地方議員が警察に圧力かけて動画削除?できるはずないでしょう」と投稿し、自らの影響力について釈明した。 J-CASTニュースは21日、署名活動への受け止めなどについて議連に取材を申し込んでいる。回答があり次第、追記する。
(VTuber動画「性的」批判で削除→抗議署名 フェミニスト議連が見解「掲載も、削除も、ともに千葉県警によるもの」 : J-CAST ニュース【全文表示】 より引用)
この記事を書いている時点でも、J-CASTニュースの「追記」が行われていないことから、おそらく全国フェミニスト議員連盟から取材の回答は来ていていないものと思われます。
午後10時57分には、東京新聞が記事を公開しました。記者は加藤豊大氏。
千葉県警は、ツイッターやユーチューブで公開していた交通ルール啓発動画について、出演していた女性バーチャルユーチューバー(Vチューバー)の容姿が「性的だ」との指摘を受けて削除した。これに対し、表現の自由の観点からネット上で抗議の動きも出ている。(加藤豊大)
◆議連「見解しっかりまとめ発表」 動画は、セーラー服のような衣装を着た同県松戸市のご当地Vチューバー「戸定梨香とじょうりんか」が出演し、県警が7月にネットで公開。全国フェミニスト議員連盟は8月に「腹やへそを露出し、極端なミニスカートで性的だ」などとする文書を県警などに提出し、9月上旬に動画は削除された。 キャラクターの所属事務所は「女性蔑視や性的な意図はない」と反論。「表現行為への偏見や差別」として、同議連の対応に抗議するネット署名も実施されている。 署名は、Vチューバーの活動に関心を持つ各地の市区議会議員らが中心となって9月10日に開始。同議連に対し「服装や体形を理由に性的な描写だと決め付けるのは、多様性と自由を認めるフェミニズムと矛盾する」などと主張する。21日現在、4万6000件余の署名が集まっている。 こうした動きを受け、全国フェミニスト議員連盟の女性議員は取材に「議連として見解をしっかりまとめ、後日あらためて発表することになる」と語った。
◆Vチューバーの所属事務所「自由な表現萎縮につながる」 松戸市のご当地Vチューバーが「性的だ」との指摘を受け、出演した県警の啓発動画が削除されたことに対し、所属事務所「アート・ストーン・エンターテイメント」(同市)の板倉節子代表は「自由な表現の萎縮につながりかねない」と反論する。「女性の社会進出や権利を訴えたい思いは(全国フェミニスト議員連盟とも)同じはずだ」と訴えている。 Vチューバーは同市を拠点に活動する「戸定梨香」。地元の国指定重要文化財「戸定邸」や名産のナシにちなみ命名され、昨年四月の誕生。動画投稿サイトで松戸の魅力を発信し、各施設で大型スクリーンを介して住民らと交流するなど地域に根差してきたという。 全国フェミニスト議員連盟から「性的だ」と表現されたことについて、板倉代表は「(戸定梨香として画面上に映る)女性タレントが、見た目や年齢にとらわれず『なりたい姿』を表現するためにデザインされた。自己表現の一つで、女性蔑視や性的な意図は全くない」と反論する。 その上で、「主観的な判断を押し付けて動画を削除して終わりではなく、話し合いで理解を進めなければ他のクリエーターの活動にまで悪影響が出てしまう」と語った。
(「性的」と指摘、フェミニスト議連に抗議署名4万件 千葉県警が女性Vチューバー出演の動画削除 :東京新聞 TOKYO Web より引用)
全国フェミニスト議員連盟は簡潔ではありながらも、東京新聞に対しては取材に応じていたようです。
【2021年9月22日】 本騒動が日本テレビ系「スッキリ」に取り上げられる 2021年9月22日。
本騒動が日本テレビの『news zero』に続いて『スッキリ』でも取り上げられます。このことは、デイリースポーツにて記事となりました。
極楽とんぼの加藤浩次が22日、MCを務める日本テレビ系「スッキリ」に出演し、性的表現に対する対応に疑問を投げかけた。 7月に千葉県警の松戸警察・松戸東警察がご当地VTuber・戸定梨香(とじょう・りんか)を起用した交通安全PR動画を公開。しかし、このVTuberがへそ出し、ミニスカートというファッションだったことなどから、全国フェミニスト議員連盟が8月に「公共機関である警察署が、女児を性的対象とするアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならない」「性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」 と質問状を送付し抗議した。 千葉県警は今月10日までに動画を削除した。VTuberの所属事務所代表・板倉節子氏はツイッターで「見た目の問題でございますが、有名なアニメでも同じことを発言されるのでしょうか」などと抗議に対しての思いをつづっていた。 加藤は、VTuberのような見た目が性的描写になるかどうか、という類いの議論が続いているとした上で「公的機関がCMとかPRするときに問題になって取り消すと。これを繰り返してていいのか」 と語った。「ここがダメなんだ、こういうところがあるから性的な目で見られることによって性犯罪が増えているというデータとか、そこを含めて話をしないと」 と雰囲気ではなく、現実に則した議論の必要性を説いていた。 フェミニスト議員連盟は公式サイトで、抗議について「公的機関としての認識を問うたものです。当該動画の掲載も削除も、ともに千葉県警によるものです」としている。
(加藤浩次 VTuber性的表現「抗議→取り下げでいいの?」/芸能/デイリースポーツ online より引用)
雰囲気ではなく、データを含めて現実的な議論を行わなければいけないというのは、まさにその通りだなと思います。
また、この日はフジテレビ『Live News イット!』でも株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表のコメントが紹介されたようです。
午後9時18分。
株式会社Art Stone Entertainmentが「所属タレントに対する節度を超えた権利侵害・事実に基づかない悪意ある憶測の流布、誹謗中傷、プライバシーの侵害などの行為」に対し、法的措置の活動を強化すると発表しました。
平素より、弊社が運営するバーチャルプロダクション「VASE」を応援いただき、誠にありがとうございます。株式会社 Art Stone Entertainmentは、所属タレントに対する節度を超えた権利侵害・事実に基づかない悪意ある憶測の流布、誹謗中傷、プライバシーの侵害などの行為に対し、弊社代理人弁護士を通じて法的措置の活動の強化を実施して参ります。 今後上記の行為を確認し、名誉毀損、業務妨害などの犯罪や不法行為に該当すると判断した場合、顧問弁護士と協議し、しかるべき法的措置を視野に入れ対処いたします。特に悪質と判断したものに関しましては、発信者情報開示請求を実施するなど、所属タレントを守るために必要な対応を行ってまいります。 今後もタレントに対するケアを含め対策を続けて参ります。 引き続きVASEへのあたたかい応援をよろしくお願い申し上げます。
(法的措置の強化について |VASE より引用)
騒動に伴い、傍目から見てもVTuber戸定梨香さんには酷い誹謗中傷が寄せられていたため、それに対する措置であることが伺えます。
午後9時39分。
Twitterやnoteでイラストを描かれているよなか 氏が、VTuber戸定梨香さんのイラストを投稿されました。
Twitterでは「#とじょりんアート 」というハッシュタグで、VTuber戸定梨香さんを応援するファンアートが多数投稿されており、このイラストもその1つとなります。
なお、このイラストはnoteでも投稿されていたので、noteの「みんなのフォトギャラリー 」機能を活用して、本記事の見出し画像にも使わせていただきました。
『とじょりんアート』と応援の声が、少しでも戸定梨香さんの心の支えになることを願っています。
【2021年9月23日】 本騒動がNHKニュースで取り上げられる 2021年9月23日、日本テレビ・フジテレビに続いて『NHKニュース』でも本騒動が取り上げられます。
以下はニュース動画のリンクと、文字起こしがされた内容です。
千葉県警は、インターネット上で発信していた交通安全の啓発動画に出てくるセーラー服のような衣装を着た女性キャラクターに対し、「表現が性的で、公共機関が採用しているのは問題だ」といった意見が寄せられたなどとして動画を削除したことを明らかにしました。ただ、ネット上では、表現の自由の観点から抗議する動きも出ています。 千葉県の松戸警察署と松戸東警察署は、ことし7月、地元の企業が作成した短いセーラー服のような上着にミニスカートをはいた「Vチューバー」と呼ばれる仮想空間のキャラクターを使って交通安全の啓発動画を制作し、県警の公式YouTubeなどで発信しました。これについて、女性議員らで作る全国フェミニスト議員連盟は「表現が性的で公共機関が女児を性的対象とするようなキャラクターを採用してはならない」として公開質問状を提出しました。 千葉県警は「性的対象という認識はなく、検討の過程でも異論はなかったが、この指摘のほかにもさまざまな意見が寄せられた」として、今月10日にこの動画を削除しました。一方、このキャラクターの制作会社は「見た目だけで判断していること自体が女性蔑視なのではないか」と指摘しているほか、ネット上では表現の自由の観点から抗議の署名集めが行われるなど、議論を呼んでいます。
(「表現が性的で問題」などの意見受け 動画削除 千葉県警 | NHKニュース ひょり引用)
【2021年9月24日】 千葉県警による削除理由がメディアの取材を通して掲載される(※ 全国フェミニスト議員連盟に対する公開質問状の回答期日) 2021年9月24日、午前6時。
日刊ゲンダイが本騒動について、おぎの議員のコメントを紹介した記事を公開しました。記者は水野詩子氏。
抗議文書と公開質問状の賛同者有志代表に名を連ねている大田区議・おぎの稔氏は日刊ゲンダイDIGITALの取材にこう語った。 「全国フェミニスト議員連盟の方々は現職議員が多い。動画を公開して削除したのは千葉県警ですが、民間企業が絡んだものを公的な立場にある議員が圧力をかけるような形で取り下げさせてしまったことが問題です。 そもそも全国フェミニスト議員連盟の方々はVチューバーが何たるものが理解していないと思います。抗議文に”アニメキャラクター“という文言がありましたが、Vチューバーは芸能事務所が運営していることからも分かると思いますが、タレントやお笑い芸人に近い存在です。 そうしたことを理解しないまま印象だけで抗議に踏み切ったことがおかしいと思うのです」
おぎの議員のコメントからも分かるように、戸定梨香はあくまで民間企業が企画したものであり、例えるならばアイドルが一日署長をするようなニュアンスに近い。 Vチューバーが所属する事務所はほかにも存在し、バーチャルなだけで立ち位置的にはアイドルや芸能人などと何ら変わらない。その前提での議連の抗議ならば、同じようにミニスカートやおへその見える衣装、そして踊るたびに動く胸の現役アイドルたちにも、同じような抗議をすべきだろう。
議連の千葉県警への抗議の根底には、「二次元」だからこそ「性犯罪を助長する女性蔑視だ」という決めつけと偏見が根底にあったのではないか。 一方、議連は18日、「提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです」「現在、多数のメール等が多種の内容で寄せられており、個別に回答は致しかねます。悪しからずご了承ください」とする声明を発表した。これでは、「あくまで指摘はしたが、削除したのは千葉県警だ」という責任転嫁にも聞こえる。 もともとは、千葉県警に謝罪と動画削除を求める抗議内容だったはずだ。 議連の共同代表で松戸市議の増田薫氏は20日、「皆さん、議員にどれだけの力がおありとお思いか知らないですけど、まさか地方議員が警察に圧力かけて動画削除? できるはずないでしょう」と「圧力ではない」という趣旨の内容でツイッターに投稿した。しかし、6万件以上の署名 が集まり、さらに増え続けているということは、増田議員の“主張”に納得していない、できない人がそれだけいるということだろう。 女性の誰もが自由な服装で自由な活動をできる日は、まだまだ遠そうだ。
(Vチューバーをめぐる「フェミニスト議連」の抗議に署名6万件 なぜ反感を買ったのか?|日刊ゲンダイDIGITAL より引用)
同日、神戸新聞社のよろず〜ニュースも記事を公開しました。
この記事には、千葉県警が"戸定梨香さん"による交通安全啓発動画を「削除した理由」が記載されていました。記者は福島大輔 氏。
千葉県警が、松戸市のご当地Vチューバーである女性キャラクター「戸定梨香」を起用した子ども向けの交通ルール啓発動画を、全国フェミニスト議員連盟からの抗議を理由に削除していた件について、千葉県警は24日、よろず~ニュースの取材に対応。戸定梨香を起用したことについて「不適切だとは考えていない」 と回答した。 当該の動画については、全国フェミニスト議連が「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」といった点を挙げ、「性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」などとした公開質問状を千葉県警などに送付。「当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除を求めます」としていた。 千葉県警はこの日、よろず~ニュースの取材に対し、「要望をいただいたのは事実です」と回答。「今回の啓発動画は、コロナ禍で対面での啓発教育が実施困難な状況下において、自転車の安全利用を呼び掛けるためのもの」と趣旨を説明した上で、「本来の目的と異なる意図でとらえられることへの懸念や、動画の掲載期間が今月17日で終了する予定だったことなどから県警内で検討した結果、削除することを決めました」 とし、同議連の主張を受け入れたものではないとした。 その上で、戸定梨香については「性的なものであるとか、女児を性的な対象としたというキャラクターであるとか、そういう意図があるとは思っておりません。不適切ではないと判断しております」 とし、キャラクター自体に問題はないとの見解を表明。「賛否双方のご意見をいただいています。フェミニストとされる方からも『性的だとは思わない』というご意見がありました」と明かした。
(Vチューバー動画削除の千葉県警 「戸定梨香」の性的要素否定し「不適切ではない」と明言|よろず〜ニュース より引用)
ここで示された千葉県警の見解は、2021年9月17日に参議院議員の藤末健三氏が警察庁を通して千葉県警へヒアリングした内容 とほぼ同様のものとなりますが……。
こうしてメディアによって警察側の見解が明確に示されたのは、おそらくこれが初めてことになります。
午後18時には、WEB署名のChange.orgにて署名運動の進捗情報が報告されました。この時点で6万筆を超える署名が集まっていました。
本日9月24日18時時点で、62,780名 の署名が集まりましたが、事務局としては全国フェミニスト議員連盟の公式回答を受領していない状況です。引き続き、私たちの抗議に対する真摯な対応と、公開質問への誠意ある回答を求め、働きかけを続けていく所存です。
(キャンペーンについてのお知らせ · 公開質問回答期限日(9/24)時点での進捗状況のご報告 · Change.org より引用)
午後21時。
おぎの議員と株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表は、YouTubeにてライブ配信を行いました。
そして、この2021年9月24日が全国フェミニスト議員連盟に署名運動の賛同者から送付した公開質問状の期限でしたが、残念ながら回答が来ることはありませんでした。
全国フェミニスト議員連盟は、メディアの取材に対して「抗議文により騒ぎになっている事は承知している。その上で近日中に会議を開き各所対応を検討していく 」「議連として見解をしっかりまとめ、後日あらためて発表することになる 」と言っていた以上、対応が遅れる等の連絡もなく無視を決め込むのはいかがなものかと思います。
【2021年9月27日】 株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表が自らYouTubeでの発信を開始 2021年9月27日、午前3時11分。
株式会社Art Stone Entertainmentの代表である板倉節子氏が、本騒動が解決するまで自身の声を届ける情報発信のために、VTuberの「板倉フク子」としてYouTubeチャンネルを開設して初の動画を投稿します。
なぜ、フクロウの姿なのかというと、千葉県松戸市の鳥は「フクロウ」だからとのこと。アシスタントの「サメジロウくん」と一緒に発信をしていく模様。
個人的に「サメジロウくん」は、言いづらいことを率直に言ってくれる、とても良いキャラをしていると思います。
午後7時5分からは、おぎの議員がライブ配信を行いました。
この配信では、署名賛同議員である夏目亜季議員、太田佳祐議員、岡田ゆうじ議員が見解を述べています。
【2021年9月30日】 全国フェミニスト議員連盟、脅迫メールによって入会を見合わせ 2021年9月30日、午前8時。
産経新聞が本騒動について記事を公開します。内容は、他の新聞社とは異なり過去の「表現の自由を巡る論争」についても触れた内容です。記者は尾崎豪一氏。
美少女キャラをめぐっては近年、起用した公的機関への批判が相次いでいる。 平成26年に三重県志摩市が、海女(あま)を目指す17歳という設定で白い衣装をまとう「碧志摩(あおしま)メグ」をPRキャラに公認した際は、「胸や太ももを強調しすぎだ」 などとインターネットで炎上騒ぎになり、同市が公認を取り消した。 30年に自衛隊滋賀地方協力本部がアニメ「ストライクウィッチーズ」のキャラを起用した自衛官募集ポスターも矛先を向けられた。丈の短い制服姿の女性3人がポーズを取る構図に、下半身を過度に露出している といった批判が集中。ポスター取り下げに追い込まれた。 消費者団体「エンターテイメント表現の自由の会」によると、最近は性的対象として批判を受ける描写が広範囲に及び、件数も増加傾向 にあるという。 坂井崇俊代表は戸定梨香の一件について「一度公開されたものが外部の批判を受けて非公開になったことが問題だ」 と指摘。公的機関による撤回が相次いでいる実態には「『言ったもん勝ち』になり、クリエイターの萎縮につながる」と懸念を示す。 板倉さんは議連の抗議に対し「まずは話し合うことが第一歩。なぜそれがなかったのか」と疑問を呈し、「問題が起きてスルーしていたら、同じことが繰り返される」と危機感を募らせる。
ネット上では板倉さんの思いに賛同する動きが広がっている。有志が9月10日以降、議連に抗議し、批判の根拠を説明するよう求める署名を集め、2週間余りで6万4千筆を超えた。 議連は公式サイトに「当該動画の掲載も削除も、千葉県警によるもの」と掲載している。共同代表の増田薫・松戸市議は取材に「議連が圧力をかけたという話は勘違いで、ゆがめられている。抗議は自由で、責任を取るべきは警察のほう」と反論し、議連の見解を今後表明する意向を示した。 自治体広報に詳しい東海大の河井孝仁(たかよし)教授は「公的機関に求められるのは、説明責任。広報の目的を事前に明確にしておくことが必要だ」と指摘する。千葉県警の対応については「なんとなく面白そうだと思ってVチューバーを起用し、抗議を受けたからやめたというのであれば、制作者に失礼だ」と語った。 県警に戸定梨香起用の狙いをただすと、「コロナ下の広報活動を検討している中で、地域に根差した活動をしている芸能プロダクションに協力してもらった」と説明。動画削除の理由は「交通安全を啓発する本来の目的と異なる意図が伝わることが懸念されたため」と答えた。 今回の騒動を受け、秋以降に予定された県警と板倉さんの事務所の共同企画は白紙となった。何ともやり切れない。(尾崎豪一)
(美少女Vチューバー 「表現の自由」論争過熱(1/2ページ) - 産経ニュース より引用)
そして、同日。
全国フェミニスト議員連盟の入会ページに「脅迫があったため入会を見合わせる」という旨の記載が為されました。
<入会に関するお知らせ> 現在、当連盟会員の一部に生命の安全を脅かす脅迫メールが届いており、当面新規会員の入会を見合わせております。2021年9月30日
(入会のご案内 – 全国フェミニスト議員連盟 より引用)
また、後述しますが……。
この前日、9月29日の時点で、署名の発起人である青識亜論氏の職場、おぎの議員が所属する大田区役所、株式会社Art Stone Entertainmentにも殺害予告の脅迫が届いており、9月30日には蒲田署に被害届が受理されていたようです。
【2021年10月1日】 おぎの議員、青識亜論氏、株式会社Art Stone Entertainmentに殺害予告があり、被害届が警察に受理される 2021年10月1日、午前11時45分。
全国フェミニスト議員連盟が、アーカイブとして残してあったホームページを統一して、旧ホームページを閉鎖したことをFacebookで投稿。
コメント欄では「やるべきことの順番が間違っているのではないか」「公開質問状に回答する方が優先ではないか」という批判が為されました。
そして、午後5時27分。
おぎの稔議員が「殺害予告」を受けていた旨と、蒲田警察署に被害届が受理されたことをTwitterにて投稿。
9月29日の時点で、署名の発起人である青識亜論氏の職場、おぎの議員が所属する大田区役所、株式会社Art Stone Entertainmentにも殺害予告の脅迫が届いていており、その内容は「署名を中止する事と職を辞すれば殺害を止める」等の記載と共に、「オタクと言った特定の趣味の人間に生きる価値がない」等と差別的な文言があったとのこと。
同時に、注意喚起のアナウンスが為されました。
何はともあれ、無事で良かったと思います。
【2021年10月2日】 殺害予告について、おぎの議員が意見表明 2021年10月2日、午後4時12分。
おぎの議員、青識亜論氏、株式会社Art Stone Entertainmentが受けた殺害予告について、おぎの議員がブログを更新しました。
皆様、こんにちは。大田区議会議員のおぎの稔です。 さて、Twitterにて報告させていただき、色々とご心配もいただいておりますが、私に対して29日夜、殺害予告をする内容が大田区役所に送信され、30日、蒲田署に被害届を提出しました。(殺害予告は10月1日夕方でした)
この殺害予告は私だけでなく、署名の有志代表を共に務める青識亜論様の職場、株式会社Art Stone Entertainment様宛にも出されており、署名を中止する事と、職を辞すれば殺害を止める旨記載がありました。 もともと、下記署名運動は全国フェミニスト議員連盟からの抗議により、所属するタレント・Vtuberの松戸市内の警察署との交通安全PR動画が削除されたことに端を発しています。その事務所の運営企業が株式会社Art Stone Entertainment様になります。幸い、その後、株式会社Art Stone Entertainment様、青識亜論様の無事は確認しており、特に身辺に危険は及びませんでした。 メールには爆弾を積んだプリウスで爆破するともあり、その影響で殺害予告時間には区役所の駐車場を閉鎖、警察の方にも区役所の警備に入っていただくなど、区役所の業務、区民の皆様にも実際に影響を与えています。区議会も決算特別委員会開会中であり、私自身の議会活動も含め、議会にも迷惑を被っています。オタクと言った特定の趣味趣向の人間に対して「生きる価値がない」と差別的な文言も記載がありました。 署名はインターネットとはいえ6万5千筆を超え、各種メディアでも取り上げられるなど、話題にもなっていましたが、そうした中で今回のような殺害予告が出されるようになったことは誠に遺憾です。批判を含めて言論の自由は保障されるべきものですが、その権利の行使において犯罪行為を許容することはできません。殺害予告という犯罪行為に対し強い抗議の意を示します。 一方で、これをもとに他者に対して殺害予告、その他違法な抗議や暴力などの行為は絶対に行わないでください。一部でこの殺害予告は○○の仕業ではないか?と犯人、またその属性にも言及がされていますが、早計です。 犯人はまだ捕まっておらず殺害予告メールに書かれた内容以外は全て不明です。今は憎悪や分断を煽るときではありません。被害届は警察署に出してますので、捜査の行く末を見守りましょう。
(殺害予告を受けました。断固、抗議します。 | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP より引用)
また、20時1分からこの殺害予告の件について、おぎの議員はライブ配信にて説明を行っています。
また、同日。
日本のニュース等を伝える英字新聞である『JapanTimes』にて戸定梨香さんをめぐる問題が記事になりました。
この記事では「炎上した自転車安全キャンペーン(The bike safety campaign that backfired)」と題されており、以下のような紹介が為されました。
「海外のアニメ中心のYouTuberからは、皮肉にも日本の文化を取り締まる取り組みに憤りを感じる苦情が寄せられました。( The story attracted national media attention and complaints from anime-centric YouTubers overseas who bristled at the effort to (ironically) police Japanese culture.)」
「彼女は新たな注目を集め、世界中から支援を受けています。( She has enjoyed newfound attention and a stream of support from around the world. )」
(キャンペーンについてのお知らせ · NHKニュース及びJapanTimesで取り上げられました · Change.org より引用|翻訳:青識亜論氏)
【2021年10月5日】 日刊ゲンダイが記事を公開 2021年9月24日にも『日刊ゲンダイ』は記事を公開しておりましたが 、10月5日午前6時にも新たな記事を公開しました。
この記事は、株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表のコメントが、かなり紙面を割いて肯定的に掲載されています。
戸定梨香の運営を行う事務所・アートストーンエンターテインメントの板倉節子代表を中心に集められた議連への抗議署名は、10月4日現在、6万6000人を超えた。目標とする7万5000人まであともう少しのところまで署名が集まっている。件の板倉氏に話を聞いた。 「抗議内容には、弊社のVTuberのどこが性犯罪誘発、女性蔑視に繋がるのかなどの科学的根拠がなく、主観的な意見 を並べているにすぎず、詳しい理由の回答をお待ちしている状態です。実際に『私は性的には見えない』『これがダメなら他にもいっぱいダメが出てきてしまう』『政治の圧力で民間を苦しめるのはどうなのか』『根拠を提示するべき』『VTuberを知らないのでは?』 などのお声を多数いただいております」
「議員の名前を連ねて謝罪、動画の削除、使用中止を要求したにも関わらず、どなたもこれに対して明確な発言はなさらず、最終的には『削除は警察がやったこと』 と責任転嫁をしている様子は、本当に女性のための社会を目指して行動を起こしているのか疑問に感じております。 説明がなければ先には進みません。削除で終わりではあまりに身勝手すぎると思いました。公開質問状では9月30日までに回答を要望しましたが、今現在も回答をされておりません。議連の代表は松戸市議会議員です。私も市民として声をあげているのですが、『個別の回答には答えられません』と言ったきり。 それがすべての答えだとすると、あまりの責任感のなさに失望しております」 この議連の抗議の軸となっている「戸定梨香」の外見が女性蔑視や性犯罪誘発に繋がるという主張だが、この主張には二次元のコンテンツや、いわゆる「萌え文化」に対しての差別意識や偏見がベースとなっているのだろう。 8月末に起こった女子高生殺人死体遺棄事件で、犯人が「バ美肉(VTuberやバーチャルアイドルなど)」や「アニメ好き」であるということを関連づけて報道した媒体が炎上した件と同様の問題点を抱えているようにも感じる。 8月26日に公開された千葉県警に対する抗議、及び公開質問上には「男女平等社会を実現しようと活動している市民と議員の団体です」とあるが、今のままでは自分たちの価値観からあぶれるものは排除すべきという真の「平等」や「多様性」からは程遠い主張になってしまっている。 「女性の自由を」 と謳うのであれば、女性が自らの意思で身につけた衣装や、そういった活動を抑圧することもあってはならないし、あくまで抑圧されたものから解放でなければ、フェミニズムの活動としては意味を持たないのではないだろうか?「戸定梨香」の外見や衣装は、キャラクターを演じる本人がなりたい姿になるために、長い期間をかけて話しあい、決定されたものだという。少なくとも、議連の抗議が一人の女性の社会進出を奪ったことだけは間違いない。
(Vチューバー「戸定梨香」動画削除問題 増え続けるフェミニスト議連への抗議署名|日刊ゲンダイDIGITAL より引用)
この頃になると、メディアの論調も全国フェミニスト議員連盟に対して批判的な意見が増えてきたように感じます。
【2021年10月7日】 参議院議員の藤末健三氏が内閣府男女共同参画局『公的広報の手引』についてヒアリング実施 10月7日に『デイリー新潮』が本騒動について記事を公開しました。
この記事は『週刊新潮 2021年10月7日号』に掲載された内容をWEB媒体である『デイリー新潮』にも掲載したもののようです。
千葉県警は今年7月16日、交通安全の啓発動画をユーチューブで公開。しかし、「全国フェミニスト議員連盟」なる団体の抗議を受けて9月10日に削除した。動画には千葉県松戸市の“ご当地VTuber”として活動してきた「戸定梨香(とじょうりんか)」という名の女の子のキャラクターが登場するが、同団体は県警本部長ら宛ての抗議文(8月26日付)で、こう難じてみせたのだ。 〈セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけたうえで、性的対象物として描写し、かつ強調しています〉 千葉県警はさっさと動画を取り下げたこの一件を、 「当初の目的とは違う意図で伝わることが懸念されたため削除しました」 と説明するが、要は炎上は御免とばかり幕引きを図ったに過ぎない。「戸定梨香はご当地キャラとして活躍してきた1年半の間、一度も抗議を受けたことがありませんでした」 事実、戸定梨香をプロデュースしている「Art Stone Entertainment」(松戸市)の板倉節子代表はそう語る。「抗議をなさった団体は、謝罪も要求されていますが、誰に対する、何に対する謝罪を求めているのかわかりません。そもそも私も女性、制作に携わったのも全て女性。性的な対象物として描写したつもりも、強調したつもりもありません」 嘆きは続く。「抗議なさった団体の代表の一人は松戸市議の女性です。松戸を女性が活躍できる場にとの思いは一緒のはずなのに、抗議は残念でなりません。それに、スカートの丈が具体的にどのくらいならいいのか、へそが見えなければいいのか、主観的すぎてよくわかりませんでした。弊社に直接抗議があれば、よりよい作品をどうすれば作れたのか、話し合いもできたはずですが」 削除された動画は現在、同社が独自に公開中で、「反応も賛意がほとんどで、否定的なものは1割あるかないか。それが世の中の声ではないでしょうか」(同) 同社を支持する有志は議連に抗議文と質問状を送付。賛同の署名も6万件以上集まる中、回答期限の9月24日までに返答はなかったそう。件の松戸市議はツイッターで〈まさか地方議員が警察に圧力かけて動画削除? できるはずないでしょう〉と綴っているが、「抗議しておいて後は何も知らないでは無責任です」 と板倉代表。「私たちは今後も、戸定梨香による松戸のPR活動を続けていくつもりです。彼女のポスターを作り、松戸市内の全駅に張りたいとも考えています」 (同) 改めての抗議は来るか。
(千葉県警の女性キャラ“性的”抗議 制作会社の女性代表が反論「制作に携わったのは全て女性」 | デイリー新潮 より引用)
前述した『日刊ゲンダイ』の記事と同様に、『デイリー新潮』の記事も株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表のコメントに紙面が割かれており、肯定的に書かれています。
また、前述した『Abema Prime 』にて、板倉節子氏は「私はこれまで取材は全て受けてきた。それは自分たちの思いを伝えたいからだ」と述べておりましたが、実際にここまでに挙げた記事にはほとんど板倉節子氏のコメントが掲載されており、有言実行されていることが伺えます。
午後7時22分。
参議院議員の藤末健三氏が内閣府男女共同参画局『公的広報の手引』について、ヒアリングを実施したと投稿します。
このヒアリング自体は、VTuber戸定梨香氏と全国フェミニスト議員連盟に関する一連の騒動とは異なる経緯で行われたものですが、この翌日の同連盟の記者会見にてこの『公的広報の手引』が引き合いに出されるため、ここで取り上げます。
重要なのは以下の点です。
規範的な「~すべき」集ではなく、公的な広報として広く受け入れられるものとなるよう「留意点」をまとめたものであり、個別の案件について、違反か否かといった尺度を示すものではない。
このヒアリングの要点は、この翌日に行われた全国フェミニスト議員連盟の記者会見の内容と合わせて考えると、より理解が深まるものとなります。
また、午後10時。
千葉県のバイク店である『千葉POLIGE』が、戸梨梨香氏の等身大パネルを作成したとTwitterに投稿します。
このパネルは非常に大きな反響を呼び、後にWEBニュースにも取り上げられ、Yahoo!ニュースにもピックアップされます。
【2021年10月8日】 全国フェミニスト議員連盟が記者会見を行う 10月8日。
ここまでほとんど口を閉ざしていた全国フェミニスト議員連盟が、記者会見を行いました。
なお、この記者会見は夜にFacebookに投稿された内容によると「千葉県警(松戸警察署・松戸東警察署)交通安全PR動画問題に関する記者会見 」と題されており、「抗議ならびに公開質問状を出した趣旨を改めて発信すること」が目的とのこと。
記者会見は、参議院議員会館で行われたようですが、非常に閉鎖的に行われており、全国フェミニスト議員連盟の意向に沿わない記者は追い出されてしまったようです。午前10時47分、ルポライターの昼間たかし氏は、次のような投稿をしています。
また、後述しますが、当事者である株式会社Art Stone Entertainmentの代表・板倉節子氏も、記者会見の場に入ることができなかったようです。
午後12時27分、ジャーナリストの郡司真子氏が以下のツイートから連なるリプライツリーを投稿します。
本日は、フェミニスト議連の会見に参加してきました。千葉県警は、動画を非公開にした理由を公表していないのですね。 フェミニスト議連は、警察がコロナ感染防止中の小学生への交通安全教室の行事として用いる映像の中の表象として適切であったのかを問うた。文科省管轄の学校教育の一環として行う子どもへの教育教材として提供するのに適切なのかゾーニングの問題 であり、表現の自由を抑制するものではないと説明した。 内閣府男女共同参画局平成15年3月発行『男女共同参画局の視点からの公的広報の手引き みんなに届く広報のために』は公的広報制作者向けで共感を得られる表現のために、性別によってイメージを固定化した表現になっていないか、女性をむやみにアイキャッチャーにしていないかの項目があり、社会通念化済 フェミニスト議連には、議連の発表を歪曲した誹謗中傷に加え、なりすましによる架空問い合わせ、メルマガ申し込み、具体的殺害予告、議連家族にも危害を及ぼす旨の脅迫が相次ぎ、議連は警察に通報。現在私服警官が議連の警護に当たっている。会見当日も無許可の人物が侵入しかけたが警察が対応した。 フェミニスト議連は、上記の様な殺害予告などが起きていることについて、《今後、ジェンダー平等や性暴力、子どもの権利についての声を上げようとする人たちをも萎縮させる可能性もあり、看過できない》と強調した。 警察からの子どもへの広報として適切かどうかの問題➡︎ 「交通安全動画に本当に必要か。小中学生に対してむやみに肌を露出し、胸の揺れが強調された女子中高生風のキャラクター動画を公共機関である警察署が率先して見せるのが当たり前の社会を私たちは求めていくのですかと問いかけたい」フェミニスト議連に抗議した匿名アカウントの多くは、議連の主張をすりかえた内容だった。 議連はあくまで、警察から子どもへの広報として、妥当かどうかであり、それ以上でも以下でもないと説明した。 表現の自由の問題ではなく、警察からの子どもへの公的広報教材として相応しいかが問われている。 公開された資料と記者会見については、 the Letterに書く予定。 フェミニスト議連の主張は、表現の自由の問題ではなく、警察が教育目的で小中学生に配布する表象として妥当かという視点であり、Twitterを中心とした議連への抗議は、 論点がズレているのは、明らかだ。 国際的な公的広報の基準や内閣府のガイドラインなどもまとめておきたい。 千葉県としては、内閣府男女共同参画局の文書に沿っていると、フェミニスト議連に回答している。フェミニスト議連は、警察からのアドバイスで、議連の主張を曲解した批判や抗議へは回答しなくてよいと指導されている。 警察が議連の皆さんを警護していますから、 けして警察と敵対しているわけではない。 むしろ、フェミニスト議連を叩きのめせという匿名の暴力が日本社会の問題だ。 クソリプが来る時には、いつも書いていますが、私の言論活動とネットの名誉毀損について、とても強力な弁護士についてもらってますので、違法性のあるものについては、法的措置をとります。 フェミニスト議連の会見で、各自治体で、 公的広報の表象について具体的にガイドラインを設ける必要がある。ガイドラインを考えて行くことこそに意味があると強調していたことが印象的だった。
(郡司真子 Masako GUNJI|午後0:27 · 2021年10月8日から続く一連のツリー より引用)
まず、最初の「千葉県警は、動画を非公開にした理由を公表していない」は事実誤認です。
これが全国フェミニスト議員連盟がそのように発言したのか、郡司真子氏がそのように捉えたのか、それは定かではありませんが……ここまでに述べてきた通り、千葉県警は既に非公開にした理由を公表しています。
「文科省管轄の学校教育の一環として行う子どもへの教育教材として提供するのに適切なのかゾーニングの問題」ですが、そんな内容は公開質問状には一切書かれておりません。ゾーニングという文言も無ければ、ゾーニングの概念に相当する記述もありません。
また、内閣府男女共同参画局平成15年3月発行『男女共同参画局の視点からの公的広報の手引き みんなに届く広報のために』が根拠として挙げられていますが、これは前日に参議院議員の藤末健三氏が「個別の案件について、違反か否かといった尺度を示すものではない 」と、内閣府男女共同参画局にヒアリングしています。
全国フェミニスト議員連盟は公開質問状にて「当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除」を明確に要求しているため、これが『公的広報の手引き』に基づくものだとすると、余計におかしなことになります。
「会見当日も無許可の人物が侵入しかけたが警察が対応した」というのは、昼間たかし氏のことかと思います。
そして、「フェミニスト議連に抗議した匿名アカウントの多くは、議連の主張をすりかえた内容だった」「Twitterを中心とした議連への抗議は、論点がズレているのは、明らかだ」について。
私を含む匿名アカウントはさておき、当事者であり、全国フェミニスト議員連盟の抗議により実際に損害を被っている、株式会社Art Stone Entertainmentおよび板倉節子代表の呼びかけにも一切応じないのは、いかがなものでしょうか。
さらに「フェミニスト議連は、警察からのアドバイスで、議連の主張を曲解した批判や抗議へは回答しなくてよいと指導されている」について。
これに関しては私の推測も入りますが、警察が「脅迫」という犯罪への対応を指導するのはまだしも、「批判や抗議へは回答しなくてよい」と「言論」への介入をするのだろうか……と、非常に強い違和感を覚えます。
同日、12時31分。
東京新聞がこの記者会見の様子を記事にしました。
共同代表の増田薫・千葉県松戸市議は「小中学生に対してむやみに肌を露出し、胸の揺れが強調された女子中高生風のキャラクター動画を公共機関である警察署が率先して見せるのが当たり前の社会を私たちは求めていくのですかと問いかけたい」 として、公的機関としての警察の広報活動に疑問を投げかけた。 さらに、「警察は性加害、虐待を取り締まっているのですから今回の動画についても慎重になって当然です。特に影響が受けやすく判断力が十分に発達しているとは言えない段階にある男の子たち、女の子たちがこの動画を見たときにどう映るかを私たち大人はもっと注意を払うべきではないでしょうか」と述べた。 会見では県警の動画について、「肌を露出し、大きな胸が揺れます。極端なミニスカート。子どものための交通安全の動画にこのようなキャラクターが本当に必要なのか。不要なアイキャッチャーとして使われているんじゃないか」 と指摘した。 議連の抗議後に動画が削除されたことをめぐっては、「表現行為への偏見や差別」だとして、逆に議連に抗議するネット署名が展開され、約6万7000人(10月7日午前10時時点)が署名。「女性への偏見を助長する」との議連の主張と、「表現の自由」をめぐって論争を呼んでいた。
増田・共同代表 今回の問題にした動画を見てもなんとも感じない人はたくさんいると思います。日本ではついこの間までコンビニ等で成人向けの雑誌が子ども目線の高さで当たり前に陳列されていましたし、10代の女の子のアイドルたちが露出の多い衣装で踊りながら歌っている光景も日常的に目にしています。あまりにも普通にそれらを目にしてきたので、慣れてしまっているのではないかと思います。 一方で、この動画を見て、もやもやした違和感や嫌悪感を持つ人もいます。女性はこんなふうに性的に見られていると強い抵抗感を持つのです。性被害やセクハラ被害の経験を持つ人にとってはなおさらでしょう。アニメ系の女性を見ると、体つきは大人の女性のようなのに、話し方が妙に子どもじみている。そんなのがとても多いと感じます。本当にこの国の若い女性は、皆さんの目にそんなふうに映っていますか。 公的機関はその自治体に住む人の福祉向上のために働く機関です。だれにとってもよりよい社会を形成するために努力し、多様性に配慮するのは言うまでもありません。ましてや警察は性加害、虐待を取り締まっているのですから、今回の動画についても慎重になって当然です。そして今回の一番大きなポイントは交通安全動画が子どもを対象にしているということです。どの年齢だからいいというわけではないですけれども、特に影響が受けやすく判断力が十分に発達しているとは言えない段階にある男の子たち、女の子たちがこの動画を見たときにどう映るかを私たち大人はもっと注意を払うべきではないでしょうか。 小中学生に対してむやみに肌を露出し、胸の揺れが強調された女子中高生風のキャラクター動画を公共機関である警察署が率先して見せるのが当たり前の社会を私たちは求めていくのですかと問いかけたい。
<質疑応答> Q 公的機関はどのような点に気をつけたらいいと考えるか。A 基準は非常に難しい。内閣府は公的広報の手引で「女性をむやみにアイキャッチャーにしていませんか」「内容と無関係に女性の水着姿や、体の一部などを使うと性的側面を強調していると受け取られるおそれがあります」としている。つまり、広報の目的は何で、おへそを出したり、胸を揺らす表現が、その広報に必要なのかをまずきっちとみることが重要だ。 必要ない単なるアイキャッチャーであれば、そうではない性的なものを喚起させないものにしていただきたい。Q 千葉県警の動画について、どの部分がアイキャッチャーに使われたと考えるか。A 抗議文にも書いたが、セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけています。 おなかを出す、太ももをあらわにする、胸が揺れるという表現は、この交通安全動画に必要ないと思っている。Q なぜ脅迫が起きていると考えるか。SNSなどネット上の意見とずれがないか。A Vチューバーを否定するものではないし、表現の自由の侵害にはまったく当たらない。フェミ議連と警察の対決でもない。削除を要求したが、判断するのは警察。 けんかをしたいわけではなく、よりよい社会にしたい。Q Vチューバーの戸定梨香さんをについては、警察が採用したことが問題なのか。A いまも活動する戸定梨香さんがVチューバーとして活動していることについて、私たちは何もいっていない。警察が子ども向けの交通安全動画に採用したことを問うている。表現の自由うんぬんの問題ではないと思っている。
(Vチューバーの県警動画削除 フェミニスト議連「ミニスカ、大きな胸の揺れ、交通安全動画に本当に必要か」:東京新聞 TOKYO Web より引用)
正直、全国フェミニスト議員連盟の「いまも活動する戸定梨香さんがVチューバーとして活動していることについて、私たちは何もいっていない」という主張は、無理があるのではないかと思います。
公開質問状では以下のように書かれています。
本動画は、 女児を性的な対象として描いており、女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています。
戸定梨香というVTuber(アニメキャラクター)は、 セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけたうえで、性的対象物として描写し、かつ強調しています。
主語がはっきりと「本動画は」「戸定梨香というVTuber(アニメキャラクター)は」とされており、その文脈にて「偏見及び慣習を助長」「性的対象物」と断定し、それを公開質問状という「公開」する形で言及しておきながら、それを「Vチューバーを否定するものではない」 とするのは……。
いささか、誠意に欠けるものと思います。
同日、13時27分。
東京新聞が、この記者会見についてもう1つ記事をリリースしました。この記事は「脅迫」についてよりピックアップしたものです。
千葉県警がSNSで公開した交通ルール啓発動画に出演する女性バーチャルユーチューバー(Vチューバー)の容姿について、全国フェミニスト議員連盟が「性的だ」と抗議して削除された問題をめぐり、議連は8日、会見を開き、共同代表らを殺害予告するメールが届いていることを明らかにした。警察に被害届を提出した。脅迫や抗議のメールが500~600通届いている といい、「怖い人がきたらどうしよう、何か攻撃されたらどうしようという気持ちが働く」と訴えた。 議連の共同代表、増田薫・松戸市議によると、議員の住所や殺害予告の具体的な時間を指定し、「めった刺しにしてやる」「戸締まりに気を付けておけ」などと書かれたメールが届いたという。警察は被害届を受理し、警官が警護し、調査しているという。 また議連のメンバーにも、所属する議会や市役所に「この議員はひどいことをしている」といった中傷などが届き、 10数件は把握しているという。 増田氏は「議連と警察の対決でもない。けんかをしたいわけではなく、よりよい社会のためにしている。みんながそんなに不快に思わない、共有していける社会を探していきたい」と述べた。
(Vチューバーの県警動画削除、フェミニスト議連に殺害予告「戸締まり気をつけろよ」:東京新聞 TOKYO Web より引用)
全国フェミニスト議員連盟に脅迫が来ているのは確かでしょう。そして、それは許されるべきものではありません。
しかし、気になるのは「脅迫や抗議のメールが500~600通届いている」 という文言。
犯罪である「脅迫」と、市民の権利である「抗議」を同列に語ってしまうことに、非常に大きな違和感を覚えます。
(ただし、この部分は全国フェミニスト議員連盟がそのように言ったのか、それとも東京新聞の要約が粗雑だったのか、厳密には分かりません)
また、もう1つ気になるのは、所属する議会や市役所に「この議員はひどいことをしている」といった中傷などが届いているという部分。
これは「中傷」なのでしょうか……。
中傷とは、一般に「ありもしないことをわざと言いたてて、他人の名誉を傷つけること」を言います。
戸定梨香さんおよび株式会社Art Stone Entertainmentの立場からすれば「ひどいことをしている」のは、特に間違っているわけでもないので、それは中傷とは呼べないのでは、と個人的には思います。
この日に東京新聞の記事以外で公開された記事は把握する限り、午後9時59分に公開された、ライターである小川たまか氏の個人記事(有料)のみでした。
同日、午後10時5分。
全国フェミニスト議員連盟の記者会見について、おぎの議員がYouTubeのライブ配信を行います。
東京新聞が公開した、全国フェミニスト議員連盟の記者会見での主張について、1文1文を踏まえて見解を述べられています。
【2021年10月10日】 株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表が、全国フェミニスト議員連盟の記者会見についてYouTubeに動画を投稿 2021年10月10日。
株式会社Art Stone Entertainmentの板倉節子代表が、全国フェミニスト議員連盟との騒動が収束するまでの情報発信として開設したYouTubeチャンネルに、新たな動画を投稿しました。
内容は、板倉節子氏が扮するVTuber「板倉フク子」と、アシスタントの「サメジロウくん」が、全国フェミニスト議員連盟の記者会見についてコメントをしていくというもの。
板倉節子氏も、全国フェミニスト議員連盟の記者会見の場には訪れたようなのですが、どうやら会場に入れてはもらえなかった様子。
記者会見にて内容を聞いた記者の方が、親切にもその内容を板倉節子氏に会見内容を詳しく伝えてくれたとのこと。
それを踏まえて同氏とサメジロウくんがコメントを入れています。サメジロウくんの鋭く物怖じしないキレのある発言は必見です。
【2021年10月11日】 ハフポストが全国フェミニスト議員連盟の記者会見について記事を公開 2021年10月11日、午後5時36分。
ハフィントン・ポストが全国フェミニスト議員連盟の記者会見について記事を公開しました。記者は生田綾氏。
全国フェミニスト議連は10月8日、参議院議員会館で記者会見を開き、抗議や質問状の提出に至った理由などを説明した。 議連が会見で強調したのは、警察という公的機関が発信する広報として、今回のキャラクターの起用や見せ方は問題ではないか、ということだ。 内閣府は2003年に、「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」を作成。手引は公的広報の表現において注意すべき点をまとめたもので、その中には、「女性をむやみに“アイキャッチャー”にしていませんか?」という項目が含まれている。議連はこの手引をもとに、「動画は警察の広報動画として適切ではない」と考え、質問状を送付したという。
議連の共同代表で松戸市議の増田薫さんは、「警察は性加害や虐待を取り締まっている。今回の動画についても慎重になって当然」などと指摘。以下のように訴えた。 「今回問題にした動画を見ても、なんとも感じない人は多いと思います。日本ではついこの間までコンビニなどで成人向けの雑誌が子供目線の高さで当たり前に陳列されていましたし、10代のアイドルの女の子たちが露出の多い服を着て歌っている光景も、日常的に目にしています。私たちはあまりにも普通にそれらを目にしてきたので、慣れてしまっているのではないかと思います。 一方で、この動画を見て、モヤモヤした違和感や嫌悪感を持つ人もいます。女性はこんな風に性的に見られている、と強い嫌悪感を持つのです。性被害やセクハラ被害の経験を持つ人にとっては尚更でしょう。アニメ系の女性を見ると、体つきは大人の女性のようなのに、話し方が妙に子供じみている。そういうものがとても多いと感じます。本当にこの国の若い女性は、皆さんの目にそんな風に映っていますか」 「一番大きなポイントは、この交通安全動画が子どもを対象にしているということ。どの年齢だからいいと言うわけではないですけれども、特に影響を受けやすく判断力が十分発達しているとは言えない段階にある男の子たち、女の子たちがこの動画を見たときにどう映るのかを、私たち大人はもっと注意を払うべきではないでしょうか。特に小中学生に対して無闇に肌を露出し、胸の揺れが強調された女子中高生風のキャラクター動画を、公共機関である警察署が率先して見せるのが当たり前の社会を、私たちは求めているのですか、と問いかけたいと思います」またフェミニスト議連は、「国の公的なガイドラインが全国に浸透していないのではないか」とも指摘した。公的機関の広報における女性の表象について、警察だけではなく公的機関全体が「広く考えるべき内容」だと考え、質問状を送付したという。 前述した「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」は、概要のみが男女共同参画局の公式サイトに掲載されており、全文は閲覧できない。手引には、「性別に基づく固定観念にとらわれない、男女の多様なイメージが社会に浸透していくような表現にすることが求められています」と記されている。 同局の担当者によると、手引は2003年当時に印刷し、国の行政機関に配布した。ハフポスト日本版の取材に対し、「書面で送付したことで、周知すべき範囲で周知を行ったと認識している」と回答した。
一連の問題について、千葉県警はどう受け止めているのか。 「性的な対象として描いている」という指摘については、「そのような認識はない」 と話す。同県警の担当者によると、松戸警察の交通課に在籍する男女の職員が過去の「戸定梨香」の動画を確認し、県警でも検討した上で、問題がないと判断したという。「不適切とは考えていない」と重ねて述べた上で、「使用しているキャラクターが適切ではないというご意見をいただいた。県警の内部で検討したところ、交通安全を啓発するという県警が期待する本来の目的と異なる部分がクローズアップされ、異なる意図が伝わることが懸念された」と、削除理由を説明した。 また、内閣府が策定した手引については、「ガイドラインがあるということは認識していた」と説明する。千葉県警独自のガイドラインは存在せず、これまで個別具体例に応じて検討、確認をしてきたという。 「基本的人権の尊重など、様々な観点から問題がないか県警本部でチェックしている」といい、今後も独自のガイドラインは作らず、その方針を続けるとしている。VTuberのプロデュース会社との協定は今後も続ける予定で、「協定に基づいて効果的な交通安全啓発となるように検討していきたい」と述べた。
(VTuberの交通安全動画に『女児を性的対象にしている』と抗議、フェミニスト議連が記者会見。波紋広がる【UPDATE】 | ハフポスト より引用)
つまり、記者会見によると全国フェミニスト議員連盟は「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」を参照して「当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除」 を要求したことになります。
しかし、前述した通りに参議院議員藤末健三氏が内閣府男女共同参画局に『公的広報の手引』について「個別の案件について、違反か否かといった尺度を示すものではない 」とヒアリングしています。
全国フェミニスト議員連盟は「国の公的なガイドラインが全国に浸透していないのではないか」と指摘していますが、これらのことを鑑みると……。
そもそも、全国フェミニスト議員連盟が『男女共同参画の視点からの公的広報の手引』の趣旨を誤って認識しているのではないかと思います。
【2021年10月13日】 全国フェミニスト議員連盟の共同代表である増田かおる氏がTwitterにツイートを投稿 2021年10月13日、午後1時11分。
全国フェミニスト議員連盟の共同代表である増田かおる氏が、Twitterにツイートを投稿しました。
このツイートに対しては「たしかに3,000近くも来たコメントの一つひとつを検証して答えていくことは困難だが、抗議署名の公開質問状での質問に答えるだけで済むのでは?」と多くの疑問がありました。
株式会社Art Stone Entertainmentの代表である板倉節子氏も、このようにコメントしています。
全国フェミニスト議員連盟は、千葉県警本部・松戸警察署・松戸東警察署・千葉県・松戸市・松戸市教育委員会に向けて、期限付きで公開質問状を送付しました。
自分たちが公開質問状を送っている以上、自分たちに送付された公開質問状にも回答するのが道理であり、それを無視し続ける姿勢は不誠実ではないでしょうか。
せめて、当事者である板倉節子氏の呼びかけには「市民の代表である議員の連盟」として応じて欲しいと、私は願ってやみません。
【2021年10月14日】 ハフポストの記事に板倉節子氏のインタビューが追記される 2021年10月14日、午後2時59分。
先日、2021年10月11日に公開されたハフィントン・ポストの記事が更新され、株式会社Art Stone Entertainmentの代表である板倉節子のインタビューが追記されました。記者は生田綾氏。
「戸定梨香」が所属するArt Stone Entertainmentの代表・板倉節子さんは10月12日、ハフポスト日本版の取材に回答。一連の出来事について、「まず抗議をするにしても、私たちに直接伝えてほしかった」 と語った。 板倉さんによると、動画や「戸定梨香」のプロデュースには女性のスタッフが関わり、「自分がなりたい姿」を想像して衣装などをデザインしたという。「性的対象としているのではないか」 という指摘については「性的に描いたつもりは一切なく、性的な部分を強調しているとも思わなかった」との見解を示した上で、以下のように話した。「それぞれ価値観があると思いますし、抗議すること自体は問題ないと思います。一方で、彼女の何が、どこまでがダメで、どうすれば問題ないのかということが明確になっていません。じゃあどうするのかという最終的な着地点がなく、はっきりした基準がないので、『主観的』と言われても仕方がないのではないかと感じます」 板倉さんは、フェミニスト議員連盟側との話し合いや意見交換も望んでいるという。「フェミニスト議連の方も、交通安全PRや公的機関の広報をもっといいものにしたいという思いは同じ気持ちだと思います」とも話した。 「削除で終わりとなってしまっていて、私たちは『じゃあどうすればいいのか』 と困惑した状況が続いています。そういったことを考えた上で発信していただきたかったと思いますし、千葉県でガイドラインがないのであれば、じゃあどう作っていくかといった話に持っていってほしい。その中でクリエイターの意見を聞きたいのであれば私たちも参加しますし、より良いガイドラインを作るようにお互いが協力してやっていきたい。そうしないといつまでも対立が続いてしまうと思います。フェミニスト議連の方も対立ではないと仰っていて、私たちも全く同じ気持ちなので、そこは歩み寄ってくだされば解決の方向にいくのではないかとは思います 」
(VTuberの交通安全動画に『女児を性的対象にしている』と抗議、フェミニスト議連が記者会見。波紋広がる【UPDATE】 | ハフポスト より引用)
板倉節子氏の仰る通り、今回の騒動では「クリエイター側である市民はどのようにしていけばいいのか」の見解が、全国フェミニスト議員連盟から全くないのが、困惑した状況となっています。
市民の声が蔑ろにされていることに、強い違和感を覚えているのは、おそらく私だけではないでしょう。
【2021年10月15日】 青識亜論氏が『公的広報の手引き』について内閣府男女共同参画局へ問い合わせ 2021年10月15日、午前11時14分。
署名運動の発起人である青識亜論氏が、内閣府男女共同参画局へ『男女共同参画の視点からの公的広報の手引き』について問い合わせをしました。
なお、前述した通り『公的広報の手引き』に関しては、参議院議員の藤末健三氏が男女共同参画局へのヒアリングにて「個別の案件について、違反か否かといった尺度を示すものではない」という回答を得ています。
重要なのは、以下の点です。
・戸定梨香氏の件については了知している。 ・藤末議員にも回答した通り、内閣府としての単なる「留意事項」を示したもの。「この手引きに違反するから不適切だ」というような尺度を示すものではない。・(公的広報として不適切であるというのは)フェミ議連という一団体が勝手に言っていること。「尺度」を示す規範的なものではないという、手引きの性質を(フェミ議連が)理解してないのではないか。 ・上記と同じで、「手引き」の内容に反するから、公的広報として不適切だというような「尺度」を示したものではない。・萌え絵等の個別の案件について、「手引き」を参照して批判を行うことは不本意な用いられ方だ。
VTuber戸定梨香さんの件を了知した上で、内閣府男女共同参画局がはっきりとこの見解を示していることは、非常に大きいものだと思います。
なお、青識亜論氏は念の為に会話の録音もしているそうです。
いずれにせよ、参議院議員である藤末健三氏のヒアリング内容とも一致するため、内閣府男女共同参画局の見解は確かなものでしょう。
また、この『男女共同参画の視点からの公的広報の手引き』はVTuber戸定梨香さんと全国フェミニスト議員連盟のトラブル以前から続く論点であり、時系列に沿って、青識亜論氏が以下のTogetterにまとめております。
今後、表現に関するトラブルで『男女共同参画の視点からの公的広報の手引き』が論点となった場合は、上記のTogetterを参照されることをお勧めします。
【2021年10月17日】 参議院へ本騒動に関する質問主意書が提出される 2021年10月17日、午後4時31分。
参議院議員の浜田聡氏が「女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問主意書」を参議院に提出したとTwitterに投稿しました。
なお、質問主意書の内容を引用しますが、元が縦書きであるため、直前の文章を指すときに「右」という表記が為されています。あらかじめ、ご了承ください。
女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問主意書 令和三年十月四日付けのNHKウェブサイト上のWeb特集「「ミニスカート姿」女性Vチューバー動画の波紋」(以下「本件記事」という。)によると、主に松戸市で活動しているVチューバー(本件記事で「アニメやCGで作ったキャラクターを動かしてユーチューバーのように動画を配信する人。ビジネスの世界などで活用が広がっている」と定義されているタレントをいう。以下同じ。)「戸定梨香」さん(以下「本件タレント」という。)と千葉県警の松戸警察署などがコラボレーションし、交通ルールを啓発する動画(以下「本件動画」という。)を千葉県警公式YouTubeやツイッターに掲載していた。 ところが、「全国フェミニスト議員連盟」という団体が、本件タレントについて「性的対象物として描写し、かつ強調しています」との抗議声明(以下「本件声明」という。)を発表し、これを受け、千葉県警は本件動画を削除した。 本件動画の削除に関し、本件タレントが所属する企業の女性社長(以下「本件社長」という。)は本件記事で「いろんな意見があるのは当然だと思うが、議論がなければ同じことが続いてしまうので削除されて終わりにはしたくない。私やタレントの気持ちはどうなるのでしょうか。今後地域を盛り上げるPRに関わることができるのか不安です。作品を作る皆さんの気持ち、努力を見た目で判断しないでください。それこそが女性蔑視なのではないでしょうか。動画の制作に関わった私も女性です。表現をする上での女性の権利は一体何なのか」と述べている。また、本件声明に抗議する署名が六万筆以上集まったほか、本件記事においては、本件動画を問題視した者は、二十人中わずか一人であった。 ところで、第五次男女共同参画基本計画(令和二年十二月二十五日閣議決定。以下「第五次計画」という。)は、当初の案文では「女性の人権を尊重した表現の推進をはじめ男女共同参画に関する各業界における自主的な取組を促進する」とされていたものが、閣議決定時には「表現の自由を十分尊重しながら、性暴力表現など実在する女性の人権を侵害するような情報への対策をはじめ男女共同参画に関する各業界における自主的な取組を促進する」と修正されて閣議決定された。また、当初の案文では「メディアにおける不適切な性・暴力表現を防止する」とされていたものが、閣議決定時には「違法な性・暴力表現の流通等を防止する」と修正されて閣議決定された。どちらも、当初の案文は憲法に規定された表現の自由に対する配慮がないとの批判を免れず、修正されるのは当然であると考える。 右を踏まえて、以下質問する。 一 第五次計画中「メディア分野等と連携した積極的な情報発信」の項目について1 第五次計画に記載されている「新聞・テレビ・映画・ゲーム・インターネットメディア・広告等の多様なメディア関係者」には、地方公共団体が含まれているか。 2 「広告やコンテンツ等」には、地方公共団体が発する公的広報が含まれるか。 二 女性がどのような表現を好むかは自由であり、本件タレントのように、露出度が高いファッションを好んだとしても、法に触れない限り、そのことを公的機関がとがめるべきではない。ところが、今回のように、公的広報がある団体の主観によって削除されると、本件タレントや本件社長のように、女性による適法な表現が委縮され、かえって、女性の活躍の場が奪われたり、女性の人権が侵害されたりする可能性がある。 政府は、第五次計画に「表現の自由を十分尊重しながら」という文言が挿入された意義及び、「メディアにおける不適切な性・暴力表現を防止する」という文言が削除された意義を、改めて地方公共団体に対し啓発すべきではないか。政府の見解如何。 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。 右質問する。
(女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問主意書:参議院 より引用)
これに関しては、署名運動の発起人である青識亜論氏も、Twitterで投稿をしています。
「質問主意書」という代物に日常的な関わりがある方は少ないと思うので、ピンと来ない方もいるかもしれませんが「その議題が国会で扱われる」というのは、とても大きな意味を持つ出来事なのです。
【2021年10月18日】 VTuber戸定梨香さんの等身大パネルを作成したバイク店がニュースとなる 2021年10月7日に投稿された、千葉のバイク店である千葉POLIGEに設置された、戸定梨香さんの等身大パネルについて、まいどなニュースが記事を公開しました。記者は中将タカノリ氏。
先日、全国フェミニスト議員連盟の抗議により、出演していた千葉県警の交通安全啓発動画が削除されたことが話題になった同県松戸市のご当地Vチューバーである女性キャラクター戸定梨香(とじょうりんか)。今SNS上ではそんな戸定梨香が等身大パネルになって街の人々を見守り続ける光景が話題になっている。
店先に設置された等身大パネルは写真撮影自由。希望すればスタッフに記念撮影もしてもらえるそうだ。 千葉POLIGEの投稿に対し、SNSユーザー達からは 「素晴らしい活動、交通安全啓発に繋がっていって欲しい。どっかの団体がなんか言ってきても『ガン無視』でお願いします。」 「こういうのをきっかけに動画の存在を知ってもらって自転車事故や将来的に飲酒運転がいけないという道徳感を持った人たちに育っていく事を目的としてるのだからどう考えてもこれだけの可愛さは必要よね」 「あらためて見ても普通にかわいいだけのキャラに見えるよな。なんでこれを目の敵にする女性がいるんだ?(´・ω・‘)」 など数々のコメントが寄せられている。千葉POLIGEの代表者にお話をうかがった。
中将タカノリ(以下「中将」):戸定梨香をお知りになったきっかけをお聞かせください。 千葉POLIGE:Youtubeです。松戸市民なので知ってはいましたが、強い関心を持ったのはニュースで話題になってからです。 中将:全国フェミニスト議員連盟の抗議についてどう思われますか? 千葉POLIGE:戸定梨香の動画は若い世代に向けた発信だと思います。特に幼稚園児や小学生に対しては、交通安全活動の基礎知識についてVtubeと言う媒体を使って配信するのはとても良いアイデアと思っていました。 また、松戸市には観光スポット「戸定邸」がありますし、梨も名産品です。梨香台と言う地名も有り、松戸の地域活性化にとても貢献していると感じます。ですが、警察が絡むとなるとうがった見方をする方もいるのだなと感じました。客商売をしているので色々な考えの方がいるというのはわかりますが、今回の全国フェミニスト議員連盟の批判は時代にそぐわない内容だと思います。 戸定梨香の動画のモーションで胸が揺れるとかはソフトウェア的な問題でもあるし、削除や謝罪が必要なこととは思いません。これからの出方次第では千葉県警に失望してしまいそうです。 中将:この等身大パネルを制作された経緯をお聞かせください。千葉POLIGE:いち松戸市民として松戸の知名度、発展に貢献している戸定梨香さん盛り上げたい一心でパネル作成に取り掛かりました。 中将:設置後の反響はいかがでしょうか? 千葉POLIGE:写真を撮ったり、通りがかりに「可愛いね〜」と話す方の姿をよく見ます。店頭では元々、交通安全活動の一環として白バイ隊員の人形と白バイに似たバイクを設置しているんですが、あわせて良いPRになればと思います。
全国フェミニスト議員連盟が指摘したのは「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」といった事柄だが、戸定梨香の動画や今回話題になった等身大パネルを見て性的な興奮を覚えるような人が果たしているだろうか。全国フェミニスト議員連盟の面々には冷静かつ時代性に即した感覚を求めたい。
(フェミニスト議連の抗議で消えたVチューバーの女性キャラ 等身大パネルで復活させたバイク店店主に思いを聞いた|まいどなニュース より引用)
【2021年10月20日】 有志が外務省女性参画推進室に問い合わせを実施、その内容と回答を投稿 2021年10月20日、午後2時15分。
一般有志の六月(むつき)氏が、外務省女性参画推進室に電話をして質問を行った投稿しました。なお、電話にて問い合わせを行った日付は2021年10月15日のようですが、回答が来た2021年10月20日にその旨をTwitterに投稿したようです。
質問の内容は「松戸警察が、戸定梨香というVtuberを起用するのを、フェミニスト議員連盟、性的なキャラで子供に悪影響と内容の抗議文を出して削除させた性的な論拠に国連女性差別撤廃条約の2016年勧告を使っているが、そこを理由に要求できるか?」というもの。
重要なのは、以下の点です。
・署内の最終見解としては、フェミ議連が論拠にしたことには、正誤が判断しかねる ・勧告というのは、国連が日本に対して改善を求める箇所について要求するものである・しかし、勧告には拘束力は発生せず、日本が必ず守らねばならないものではない。
これが、全国フェミニスト議員連盟が公開質問状にて根拠としている「国連女子差別撤廃条約の勧告(2016年)」に対する、外務省女性参画推進室の見解となります。
また、全国フェミニスト議員連盟は記者会見において『男女共同参画の視点からの公的広報の手引き』を論拠としていますが、これは内閣府男女共同参画局が「個別の案件について、違反か否かといった尺度を示すものではない 」「萌え絵等の個別の案件について、手引きを参照して批判を行うことは不本意な用いられ方だ 」という見解を示していることも、合わせて把握しておきたいところです。
同日、午後6時10分。
週刊金曜日オンラインが、全国フェミニスト議員連盟の記者会見を踏まえた記事を公開しました。記者は、2021年10月8日に個人で有料記事 も公開していた、小川たまか 氏。
千葉県警が松戸市の「ご当地バーチャルユーチューバー(VTuber)戸定梨香」を起用してインターネット上で公開した交通安全啓発動画について、全国フェミニスト議員連盟が「女児を性的対象として描いており、偏見を助長する」などとする公開質問状を出したが、「表現の自由の侵害」と主張して同議連を批判する動きが激化。フェミ議連は10月8日、記者会見を開き、「これは表現の自由の問題ではなく、公的機関がこうした動画を公的活動に使う認識を問うものだ」などと改めて説明した。動画は「セーラー服のような丈の短いへそが出た上着、極端なミニスカート、胸が揺れる描写」(野村羊子・三鷹市議) などを含むもの。自転車の安全走行などを呼びかけるため7月に公開され、フェミ議連は8月末に千葉県警や交通安全キャンぺーンを展開する松戸署、松戸東署などに提出した抗議書などを発表。その後、千葉県警は動画を削除したが、ネット上ではフェミ議連への抗議が起き、大田区議らが始めた抗議署名は6万8000筆以上(10月11日時点)になっている。 会見でフェミ議連側は、一部報道でも「表現の自由の問題」とされていることを批判。野村市議らは「交通安全啓発のためにこのような動画が本当に必要なのか」と問いかけた。 一方、フェミ議連メンバーには「辞職しろ」などの抗議やなりすましによる送り付け被害のほか、日時と場所を指定しての殺害予告があったといい、会見当日は私服警官が警備した。松戸市の増田かおる市議は「ジェンダー平等ではない性的表現物を公共空間で否応なく見せつけられ傷つけられる女性たち、この状況を見て萎縮している女性たち、子どもたちを守ろうと日々奮闘しているすべての大人たちに声を届けたい」と語った。 千葉県警は取材に市民からも「不適切」などの声があったと回答。「ご意見をいただき内部で検討。掲載終了間近だったことや異なる意図で伝わる懸念から削除した」とした。
(千葉県警採用のバーチャルユーチューバー動画めぐり全国フェミニスト議員連盟批判が激化 | 週刊金曜日オンライン より引用)
これは、あくまで私見ですが……。
少々穿った見方をしてしまうと、記者の小川たまか氏が「フェミニスト 」を名乗っていること、また「批判が激化」などの言葉選びから、この記事はおそらく「全国フェミニスト議員連盟を擁護したい」という意図があるのだろうと推測できますが、それでもなお、この記事の書きぶりが精一杯の擁護なのだろう、と推測します。
【2021年10月22日】 参議院へ提出された質問主意書に対する答弁書が返却される 2021年10月22日、午後2時59分。
先日、2021年10月17日に提出された「女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問主意書」に対する答弁書が返ってきたと、参議院議員の浜田聡氏が投稿。
以下、引用部分は「質問主意書」の質問内容と「答弁書」の内容を交互に記載します。
参議院議員浜田聡君提出女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
一 第五次計画中「メディア分野等と連携した積極的な情報発信」の項目について 1 第五次計画に記載されている「新聞・テレビ・映画・ゲーム・インターネットメディア・広告等の多様なメディア関係者」には、地方公共団体が含まれているか。 2 「広告やコンテンツ等」には、地方公共団体が発する公的広報が含まれるか。
一について 「第五次男女共同参画基本計画」(元和二年十二月二十五日閣議決定。以下「基本計画」という。)の第十分野の「四 メディア分野等と連携した積極的な情報発信」の項目においては、内閣府男女共同参画局が、メディア関係者と連携して行う積極的な情報発信について、具体的な取組等を定めているところであり、「新聞・テレビ・映画・ゲーム・インターネットメディア・広告等の多様なメディア関係者」には、地方公共団体は含まれていない。 また、同項目における「男女共同参画に資する広告やコンテンツ等」の作成主体は限定されておらず、当該作成主体には地方公共団体も含まれ得る。
二 女性がどのような表現を好むかは自由であり、本件タレントのように、露出度が高いファッションを好んだとしても、法に触れない限り、そのことを公的機関がとがめるべきではない。ところが、今回のように、公的広報がある団体の主観によって削除されると、本件タレントや本件社長のように、女性による適法な表現が委縮され、かえって、女性の活躍の場が奪われたり、女性の人権が侵害されたりする可能性がある。政府は、第五次計画に「表現の自由を十分尊重しながら」という文言が挿入された意義及び、「メディアにおける不適切な性・暴力表現を防止する」という文言が削除された意義を、改めて地方公共団体に対し啓発すべきではないか。政府の見解如何。
二について 政府としては、基本計画の内容について、地方公共団体に対し、必要な周知を行ってきていると考えている。
(女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問主意書:参議院 および 答弁書|参議院 より引用)
同日、午後11時23分。
有志の機械学習をするおによめ 氏が、海外諸国の非実在ポルノ規制と性犯罪率を調べた記事を公開しました。
今回の統計データは、ICCSにより法規定でなく犯罪行為基準の数字になっています。疑似相関の可能性があるとしても「性表現の自由度が低い(高い)国では性犯罪率が高い(低い)傾向がある」 のは事実です。他の因子を考慮した詳細な分析が必要ですが、ただこの時点でも規制派が主張するような「性犯罪を減らすために性表現を規制する」というのはまったくデータに基づいていないことがわかります。 日本は、海外諸国から性的な創作物にあふれていると揶揄されているようですが、むしろ国際的に性犯罪の少ない国です。 国連の是正勧告などを根拠に性表現の規制を主張する方々には、権威を笠に着るのではなく、表現規制に足りうる根拠を示していただきたいと思います。
(海外諸国の非実在ポルノ規制と性犯罪率|機械学習をするおによめ|note より引用)
統計データに基づいて「性表現と性犯罪率」を論じている記事であり、客観的な信用性として十分に足るものと思います。
【2021年10月27日】 おぎの議員が本騒動について記者会見を行うとTwitterにて予告 2021年10月27日、午後12時27分。
大田区議会議員のおぎの稔氏が、全国フェミニスト議員連盟の公開質問状から始まる一連の騒動について、記者会見を行うとTwitterに投稿。
また、おぎの議員は記者会見に当たって、全国フェミニスト議員連盟の不透明性についても言及します。
「参議院議員会館」という税金で運営されている会場で「記者会見」を行っておきながら、フリーの記者を追い出したり、当事者である株式会社Art Stone Entertainment代表の板倉節子氏が入れなかったりと、その名に『議員連盟』を冠する団体の記者会見としてどうなのか、 と訝しんでしまう部分ではあります。
そのこともあり、おぎの議員と板倉節子氏は、全国フェミニスト議員連盟と同じ「参議院議員会館」を利用して、よりオープンに記者会見を行う方針を取ることにしたようです。
記者会見のご案内 千葉県松戸市のご当地 VTuber「戸定梨香」が登場する交通安全 PR 動画への全国フェミニスト議員連盟名義による抗議行動について、私たちは9月12日に全国フェミニスト議員連盟に抗議兼公開質問状を送付しました。10月26日現在、6万9千筆に及ぶ賛同の署名がなされる中で、私たちは抗議兼公開質問状を再送するなど、回答を促してきましたが、いまだに全国フェミニスト議員連盟からの公式回答は行われていません。 ついては、現時点で、全国フェミニスト議員連盟の抗議文に抗議する私たちの考えをお伝えするため、VTuber 戸定梨香氏の所属事務所である「株式会社 Art Stone Entertainment」の代表者とともに、下記のとおり記者会見を執り行うことといたしましたので、記者のみなさまに御案内申し上げます。 御出席いただける場合は、メールにてお申し込みください。 ========== 記者会見のご案内■ 日 時 2021年10月28日(木) 午前11時から12時まで ■ 場 所 参議院会館 101 会議室(東京都千代田区永田町2丁目1−1) ■ 参 加 者 署名有志代表 荻野稔(大田区議会議員) 株式会社 Art Stone Entertainment 代表 板倉節子 【次第】 1. 署名の現状と反響、今後の運動について 2. 戸定梨香の今後の活動について 3. 公共の場での表現の取り扱いについて 4. Vtuber 文化の現状について
(【記者会見のご案内】全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状署名事務局 - おぎの稔(オギノミノル) | 選挙ドットコム より引用)
同日、午後3時43分には板倉節子氏もコメントをします。
そして、この時点で署名は6万9,500筆に達していました。
おぎの議員は、自らも「議員系VTuber」として活動していることもあり、VTuber戸定梨香さんにも企画の声をかけているようです。午後11時30分の投稿では「出来る範囲で応援するのが大事」と語っています。
この翌日、おぎの議員と板倉節子氏による記者会見が開かれました。
【2021年10月28日】 おぎの議員と株式会社Art Stone Entertainment代表の板倉節子氏が記者会見を実施 2021年10月28日。
午前11時頃から正午にかけて、大田区議会議員のおぎの稔氏と、株式会社Art Stone Entertainment代表の板倉節子氏が、全国フェミニスト議員連盟の騒動に関して記者会見を行いました。
なお、この記者会見は記者会見場である参議院会館101会議室の入り口を開けっ放しにして、オープンに行われたようです。
午後3時6分。
東京新聞がこの記者会見に関する記事を公開します。
千葉県松戸市のご当地Vチューバー「戸定梨香とじょうりんか」が出演する千葉県警の交通啓発動画が全国フェミニスト議員連盟の抗議で削除された問題を受け、フェミ議連側への抗議署名を展開する有志らが28日、会見を開いた。有志代表の荻野稔大田区議は「さまざまな価値観があると思う。いきなり削除を求めるのではなく、議論があるべきだ」 と述べ、フェミ議連側に対話による解決を求めた。
この問題は8月末、フェミ議連が「戸定梨香」の服装や体型を「性的対象物として描写している」として千葉県警などに抗議。 動画は削除されたが、逆にフェミ議連に対する批判が殺到。荻野区議らが呼び掛けた抗議署名には、これまでにネット上で6万9000筆を超える署名が集まった。抗議署名のサイトでは、フェミ議連側に「性的対象物になると断定する理由をお聞かせください」などといった質問を公開し、9月下旬までに回答を求めていたが、フェミ議連側から連絡はないという。 フェミ議連側が「戸定梨香」の服装や体型を「性的な対象」「性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」 と主張していることに、荻野区議は「判断基準はあまりないと思う。単純に肌が見えるから駄目とは言い切れない。議論していく必要がある」としつつ「(戸定梨香は)これまでも松戸市のPRのために活動しており、性的役割のために使われたという認識は勘違いはなはだだしい」と批判。所属事務所「アート・ストーン・エンターテイメント」の板倉節子代表は「性的なものとして、このVチューバーをつくったつもりはない。決めつけで言うのはやめていただきたい。私たちに最初に相談して、話し合えば良かったと思う」 と述べた。 この騒動の影響で、複数の出演イベントが中止になり、板倉代表は「(議連から)性犯罪誘発の懸念がある存在とされ、今後も松戸市で活動できるのか不安の日々が続いている」と話す。荻野区議ら署名活動有志や板倉代表にも殺害予告や嫌がらせが複数あり、警察に被害届を出したという。 行政による2次元キャラクターの起用をめぐっては、しばしばネット上などで批判が起きている。荻野区議は「炎上して引っ込めるのを繰り返すのは建設的ではない。この運動が議論の材料になれば」と呼びかけた。
(フェミニスト議連への抗議署名有志「炎上は建設的でない」と対話を求める 千葉県警のご当地Vチューバー動画削除:東京新聞 TOKYO Web より引用)
午後4時1分。
ブログ「すまほん!!」が記事を公開します。この記者会見はオープンに開かれていたことから、フリーの記者や個人ブロガーも記者会見に赴き、記事にしているようです。
会見には賛同者有志代表おぎの稔議員と、VTuber 戸定梨香所属事務所である「株式会社 Art Stone Entertainment」の代表者である板倉節子氏が登壇しました。 議連側は当初、戸定梨香のセーラー服風の衣服や短い丈、高い露出度や揺れる胸を問題視。性的対象物として描写しており、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを公共機関である警察が採用することはあってはならないと抗議し、削除と使用中止、謝罪を警察に要求していました。後に「認識を問うただけ」などと釈明していますが、これは間違いだとおぎの議員は指摘します。 これについて板倉氏は、VTuberというのは演者がなりたい格好を表現しているに過ぎず、性的なものとして作ったつもりはないと議連側の主張を一蹴。 おぎの稔議員は、VTuberは外見こそアニメキャラに見えるとしてもタレントに近い存在と形容。採用背景には戸定梨香のご当地活動の実績があり、性的役割で選ばれたというのは勘違いであるとした上で、スポーツ選手を選んだとしてもそこに「皆スポーツをしろ」という意図はなく、選んだことが即ち行政の見解にもならないと指摘しました。 いったい何が性的で何が性的でないのか。おぎの稔議員は、厚労省が性感染症の啓発に美少女戦士セーラームーンを用いているなどの例を挙げ、文脈や描かれ方といった複雑な要素があるとした上で、また単純に肌の露出度で見るならば相撲の力士等も駄目だという話にもなりかねず、判断基準は乏しく議論の余地があるとし、そういった問題こそ「全国」の議員連盟でいきなり強く抗議をするのではなく、まず個別に議論や、本件で言えば戸定梨香側への対話をまず行うべきだったとの見解を示しました。 全国フェミニスト議員連盟の共同代表増田薫議員は松戸市議会議員であり、本来なら対話は可能であったと思われます。しかし今に至るまで電話は通じず、松戸市議会の議員を通じて対話を呼びかけているものの、正式回答についてはことごとく無視されている状況だといいます。 板倉氏によれば、一連の騒動での戸定梨香への影響として、複数の活動ができなくなり、開催できなくなったイベントもあり、本人は強いショックを受けているとのこと。性的存在だと言われ活動に不安も募る中、多くの人に迷惑をかけたことで戸定梨香が泣いてしまう場面もあったとし、到底「削除して終わり」では納得できず、是非回答するよう議連側に再三求めました。 ただ最近では全国から応援の声のほか、松戸にあるバイクや車関係のショップからパネルを置いて交通安全啓発ができないかと問い合わせをもらっているそうです。 また、名誉回復のためにクラウドファンディングを実施し、公共バスに戸定梨香の写った広告でラッピングして半年間松戸市内を走らせることを企画、支援者へのリターンとしては松戸の名産品を用意したいと今後の展望を話しました。
(「炎上して終わりにはさせない」「フェミ議連回答を」。おぎの稔議員とVTuber「戸定梨香」事務所代表、記者会見で語る – すまほん!! より引用)
また。
フジテレビ『Live Newsイット!』では、5分間もの時間を割いて本件が取り上げられました。
午後6時14分に、文字起こしされた文章が『FNNプラムオンライン』にて公開されています。同リンクから動画も見ることができます。
10月28日、東京都内で開かれた記者会見。 主役は「戸定梨香」という女性キャラクターだ。戸定梨香「本来であれば、この制服を着て、秋冬の交通安全運動のPRができるはずだったのですが、残念ながら今は見送りとなってしまっております」 このキャラクターは、千葉・松戸市のPR活動などをしてきた“ご当地Vtuber”。 松戸市発祥の「二十世紀梨」と同じ髪の色、そして名字の「戸定」は、松戸市にある国の重要文化財「戸定邸」にちなんでいるという。 その戸定梨香が訴えているのは、ある動画をめぐる問題だ。戸定梨香「自転車に乗るときはルールを守って、正しく利用しましょう! ちばサイクルール! 1つ目『自転車保険に入ろう』。自転車も事故で人にけがをさせてしまうことがあるよ」 この動画は、千葉県松戸警察署などによる交通啓発活動の一環として、2021年7月に千葉県警のYouTubeなどで公開された。 しかし、全国フェミニスト議員連盟から「性的」だとの抗議を受け、9月に削除された。 連盟側は、公開質問状で「セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かすたびに大きな胸が揺れます」、「性的対象物として描写し、かつ強調しています」などと指摘し、謝罪と動画の削除を要求。 これに対し、28日、戸定梨香の所属事務所「Art Stone Entertainment」の板倉節子代表が抗議の会見を行ったのだ。戸定梨香の所属事務所 板倉節子代表「まず、削除されて終わりになっているような状況なんですけれども。今後、松戸市とどのように関わっていけばいいのかという問題は残っておりますし、そもそも、そのような意図で作ってないものですし…むしろ謝罪してほしいぐらいです」 松戸市のバイク販売店「サイクルボックス」の店頭には、戸定梨香の等身大パネルが置かれている。 啓発動画の削除を受けて10月、交通安全のために設置したという。サイクルボックス・小松弘明店長「実際こういうふうにパネルにしてみると、みなさん『なんでこれが?』という意見が多いですね。かわいいというのが率直なのかなという感じですね」 松戸市民の印象はどうなのか…聞いてみると…。松戸市民(30代)「昔からセーラー服着たキャラクターというのはいるので、そんなに問題になるほどのキャラクターではないかな」 松戸市民(50代)「世代が上になると何か違和感を感じたりするのかもしれないけど、届けたい年代に届けば別にいいんじゃないかなと」 全国フェミニスト議員連盟は、取材に対し「表現の自由の問題ではなく、警察が子ども向けの交通安全動画に採用したことを問題視している」と説明。 そのうえで、「性犯罪や虐待を取り締まる立場の警察は、もっと慎重になるべきだ」と主張している。 イット!のスタジオでは、加藤綾子キャスターが社会学者の古市憲寿氏に話を聞いた。 加藤綾子キャスター「見る人によって見方が違うと思うので難しいんですけど、今回のVtuber、キャラクターですよね。これまで松戸市の魅力を発信して認知されていた。だからこそ起用したいと思ったということだと思うので、起用した側もその意図をきちんと説明しないと、クリエイターとかキャラクター自体を否定したような印象になってしまって残念だなと思うんですよね」 古市憲寿氏「本当そうですよね。行政も1回使うと言ったからには、クリエイターを守る責任があったと思うんです。一方で議員連盟の方も、地方議員と政治家って権力者だと思うんですよ。議員連盟という肩書を使って、表現の自由を抑圧してるというふうにとられてもしょうがない。極めてすごい悪質だなと思うんですね。 もちろん人によって、快・不快は違いますけれども、だからこそ対話が必要だと思うんです。そこで対話を求めるんじゃなくて、いきなり動画の削除と謝罪を求めるというのはすごい一方的で不快なものを世の中から消そうという発想はすごい危険だと思うんですね。 個人的にもすごい違和感を感じるような事件でしたね」 加藤綾子キャスター「そうですね。この問題だけではなくて、何か批判が集まったら引っ込めて終わりということではなくてしっかりと議論をしてほしいですね」
(警察の啓発動画削除に抗議 Vチューバー事務所「謝罪して」 より引用)
また、同日。
この騒動の初期から、VTuber戸定梨香さんについて記事を何本も公開してきた神戸新聞社『よろず〜ニュース』も記者会見に言及します。記者は福島大輔 氏。
会見で板倉氏は、全国フェミニスト議連の抗議によって、戸定梨香が「性的なもの」という〝レッテル〟を張られてしまったことを主張。「性的なものとして私たちはこのVチューバーを作ったつもりはありません。決めつけでこういったことを言われるのはやめていただきたい」 と怒りを示した。さらに、抗議文を黙殺されている状況にも言及。「何がどこまでだめなのか、客観的なものが、どうしたらいいのかという問題が残っている」 と批判した。 また、同議連が千葉県警などに宛てた質問状では「当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除を求めます」と明記していたが、その後公式サイトに「提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです」との声明を掲載したことにも反発。荻野氏は「最初の公開質問状で、謝罪も削除も求めている。認識を問うただけというのは間違っている」 と断罪し、「議員の団体として、回答を求められた場合はしっかり回答してほしい」と訴えた。 さらに、同議連のメンバーに松戸市議が含まれていることも挙げ「なぜ地元の市議会議員がいるのに、団体でこういう抗議を行ったのかと、はなはだ疑問に思う」 と指摘。性的要素については「個別に議論をしていく必要がある。文脈や描かれ方など、複雑な要素があった上での判断。例えば『裸だったらダメだ』ということだったら、お相撲さんは裸ですから」と持論を展開した。 戸定梨香はこの秋・冬にも交通安全運動の啓発動画に出演予定だったが、千葉県警側から当面、起用を見送られた。この日は、予定されていた警察の制服を着たバージョンも初公開された。板倉氏は、その他の仕事にも影響が出ており、稼働がままならない状況であることを説明。 今月末をめどにクラウドファンディングを行い、集まった資金で松戸市内のバスに約半年間、ラッピング広告を施すことや、同市内に店舗を構える有名ラーメン店「中華蕎麦 とみ田」などとコラボすることなどを明かした。
(動画削除のVチューバー・戸定梨香の管理者らが会見 全国フェミニスト議連への怒り訴える|よろず〜ニュース より引用)
午後6時33分。
おぎの議員が自身のブログを更新します。
10月28日現在、全国フェミニスト議員連盟様への抗議署名には6万9千600筆の署名が集まりました。 未だに全国フェミニスト議員連盟様からは、公開質問状への回答が来ておりませんが、署名事務局としては引き続き行動を起こしていくこととしております。 そして、本日、全国フェミニスト議員連盟からの抗議により公共とのコラボによる作品発表の場を奪われることになった、松戸市ご当地Vtuber・戸定梨香さんの所属事務所の運営企業である株式会社Art Stone Entertainment 代表板倉節子様と、本署名有志代表であるおぎの稔が、参議院会館にて記者会見を行いました。 記者会見の内容がメディアで掲載されましたら改めて、お知らせさせていただきます。 全国フェミニスト議員連盟の記者会見の中では、記者からの質疑への回答として、「対話を求めるアクションがない」との発言があったと、出席したメディアの方から聞いております。 しかしながら、私たちはVTuber所属事務所と協力し、署名運動を通じた対話の試みをこれまで行ってきたところであり、回答や対話に応じていただけないことははなはだ遺憾です。 そこで、私たちも記者会見という形で、現在の見解をメディアのみなさんに発表させていただきました。議連の代表も所属し、ご当地でもある松戸市議会、また所属議員へ直接対話の場を求めるアクションを今後もおこなっていきます。
(署名事務局による記者会見を行いました。 | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP より引用)
なお、同ブログにはVTuber戸定梨香さんご本人によるメッセージも掲載されています。
「皆さんこんにちは。 千葉県松戸市ご当地VTuberの戸定梨香です。 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。 こちらの制服は、松戸警察、松戸東警察様と、お打ち合わせをして制作したものとなります。 どうでしょうか。似合うでしょうか。 本来であれば、この制服を着て、秋冬の交通安全運動のPRができるはずだったのですが、 残念ながら今は見送りとなってしまっております。 でも、全国のたくさんの方からの応援のおかげで、たくさんのご署名のおかげで、 私は今もこうして、ここに立つことができております。 本当にありがとうございます。 もう一度松戸市で、交通安全のPRや、その他精一杯活動できるように、 またいちからコツコツとがんばっていきたいと思っております。 皆様に認めていただけるように頑張りますので、どうぞ、応援をよろしくお願い致します。 季節の変わり目ですが、お仕事ではお身体に気をつけて頑張ってくださいね! 本日は本当にありがとうございました! 戸定梨香でした!バイバイ!」
(署名事務局による記者会見を行いました。 | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP より引用)
午後7時30分には、VTuber戸定梨香さんも出演された「衆議院議員選挙投票啓発動画」である『V.VOTE(ぶい・ぼ~と)』が公開されます。
8分を超える大作の動画です。
午後8時33分。
署名運動のページにて、進捗状況が更新されます。
10月28日現在、全国フェミニスト議員連盟様への抗議署名には6万9千5百筆の署名が集まりました。未だに全国フェミニスト議員連盟様からは、公開質問状への回答が来ておりませんが、署名事務局としては引き続き行動を起こしていくこととしております。 そして、本日、全国フェミニスト議員連盟からの抗議により公共とのコラボによる作品発表の場を奪われることになった、松戸市ご当地Vtuber・戸定梨香さんの所属事務所の運営企業である株式会社Art Stone Entertainment 代表板倉節子様と、本署名有志代表であるおぎの稔が記者会見を行いました。記者会見の内容がメディアで掲載されましたら、「進捗状況」等にてお知らせさせていただきます。全国フェミニスト議員連盟の記者会見の中では、記者からの質疑への回答として、「対話を求めるアクションがない」との発言があったと、出席したメディアの方から聞いております。 しかしながら、私たちはVTuber所属事務所と協力し、署名運動を通じた対話の試みをこれまで行ってきたところであり、回答や対話に応じていただけないことははなはだ遺憾です。 そこで、私たちも記者会見という形で、現在の見解をメディアのみなさんに発表させていただきました。議連の代表も所属し、ご当地でもある松戸市議会、また所属議員へ直接対話の場を求めるアクションを今後もおこなっていきます。
(キャンペーンについてのお知らせ · 10月28日 署名事務局による記者会見と戸定梨香さんの活動紹介 · Change.org より引用)
全国フェミニスト議員連盟が「対話を求めるアクションがない」という認識を表明しているのは、この署名運動が株式会社Art Stone Entertainmentの代表、板倉節子氏の意向を汲んで行われている以上、私も署名をした1人として非常に遺憾に思います。
この進捗報告には戸定梨香さんのメッセージと合わせて、板倉節子氏からのメッセージも掲載されています。
皆様のご署名1筆1筆が急スピードで集まり、「約7万」という巨大な力となりました。 最初にTwitterでツイートをしようと悩んでいた時、「こんなことを発信してもいいのだろうか。」と思った私の心を、「声をあげて良かった!」 と思わせてくださったのは、この皆様のご署名のお陰です。 私の不安をどんどん溶かしてくださり、勇気に変えてくれました。皆様のお気持ちを無にしたくありません。 削除して終わりです。ではなく、その先にも続いている問題を発信して行きたいと思います。心からありがとうございます。 板倉節子
(キャンペーンについてのお知らせ · 10月28日 署名事務局による記者会見と戸定梨香さんの活動紹介 · Change.org より引用)
板倉節子氏の仰る通り、この一連の騒動は表現に関わるその他の問題にも続いていることです。このまま終わりにはしたくないと、心底思います。
【2021年10月29日】 メディアの取材を通して、千葉県警がVTuber戸定梨香さんの再起用を示唆 2021年10月29日。
フジテレビ『めざましテレビ』にて、本騒動が取り上げられます。
午前10時。
この『めざましテレビ』の報道に際して、『スポニチ』が記事として公開しました。ロシア出身のコラムニスト・小原ブラス 氏が見解を述べています。
コラムニストの小原ブラス氏が29日、コメンテーターを務めるフジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。千葉県松戸市のご当地Vチューバーとして活動する「戸定梨香(とじょう・りんか)」を起用した千葉県警による交通安全PR動画が削除された問題について言及した。 Vチューバーがへそ出し、ミニスカートというファッションだったことなどから、全国フェミニスト議員連盟が「公共機関である警察署が、女児を性的対象とするアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならない」「性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」 と質問状を送付し、千葉県警は動画を削除。Vチューバーの所属事務所代表の板倉節子氏は会見で「性的なものとして私たちはこのVチューバーを作ったつもりはありません。決めつけでこういったことを言われるのはやめていただきたい」 とし、「何がどこまでだめなのか、客観的なものが、どうしたらいいのかという問題が残っている」と抗議している。 同局の倉田大誠アナウンサー(39)から「動画の削除の前に何か話し合いというものがあったらよかったなと思うんですけど」とコメントを求められた小原氏は「話し合いも必要ですけど、こういう露出の多い女性の格好に対して、いつも性的搾取だ、女性蔑視だってことがよく言われるんだけれども、そういう自己表現をしたい女性の存在というのを忘れてない?、って思っちゃいます」 と言い、「多様性という意味では、僕はこれは決して度が過ぎているようには見えないです。さすがに度が過ぎていたら“どうなの”っていう話もあるけど、このくらいなら可愛いっていうレベルでいいんじゃないかなって思っちゃいました」と自身の見解を述べた。
(小原ブラス Vチューバー「戸定梨香」動画削除問題「女性蔑視だってよく言われるんだけれども…」― スポニチ Sponichi Annex 芸能 より引用)
また、同日。
神戸新聞社『よろず〜ニュース』が新たな記事を公開しました。その記事では、千葉県警交通安全課への取材が行われていました。記者は福島大輔 氏。
千葉県松戸市の〝ご当地Vチューバー〟として活動する女性キャラクター「戸定梨香」が出演していた千葉県警による子ども向けの交通ルール啓発動画が削除された問題で、千葉県警交通課が29日、よろず~ニュースの取材に対応。戸定梨香の起用協定自体は現在も有効であるとし、再起用の可能性を示唆した。 交通課の担当者は取材に対し、「戸定さんを起用することに関する協定は、今年7月に結んでいますが、それは現在も有効なものとして考えています」 と回答。その上で「情勢を見ながら、効果的な交通安全につながるような形にしていきたい」とした。削除済みの動画を再掲載することはない としたが、28日に同キャラを管理する「Art Stone Entertainment」代表の板倉節子氏らが都内で実施した会見で公開された警察制服バージョンが起用される可能性はある という。 削除された動画に関しては、全国フェミニスト議員連盟から千葉県警などに「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」といった点を挙げ、「女性蔑視にあたる」「性的で不適切だ」との抗議が寄せられていた。 担当者はこの日、戸定梨香の衣装等について「性的なものとは考えておらず、不適切ではない」と改めて回答。全国フェミニスト議連の抗議が削除の理由となったことは認めつつ、「議連の意見を正当なものとして受け入れたわけではない」と説明した。 28日の会見では、板倉氏が、全国フェミニスト議連の抗議によって、戸定梨香が「性的なもの」という〝レッテル〟を張られてしまったと主張。「性的なものとして私たちはこのVチューバーを作ったつもりはありません。決めつけでこういったことを言われるのはやめていただきたい」などと怒りを示していた。
(千葉県警、Vチューバー「戸定梨香」の再起用示唆 「協定は現在も有効」|よろず〜ニュース より引用)
重要なのは、以下の点です。
・2021年7月に結んだ戸定梨香さんの起用協定自体は現在も有効 ・残念ながら、削除済みの動画を再掲載することはない・会見で公開された警察制服バージョンが起用される可能性はある ・戸定梨香さんの衣装等について「性的なものとは考えておらず、不適切ではない」と改めて明言・全国フェミニスト議連の抗議が削除の理由となったことは認めている ・「議連の意見を正当なものとして受け入れたわけではない」と説明
「会見で公開された警察制服バージョンが起用される可能性はある」 と示唆されたことは言わずもがな、実は「全国フェミニスト議連の抗議が削除の理由となったことは認めている」 というのも、非常に大きな点です。
ここまでに、複数のメディアの取材や議員によるヒアリングにより、千葉県警による動画削除の理由が「質問状にある『性犯罪を誘発する懸念』があるということが削除理由ではない 」「本来の目的と異なる意図で伝わることは本意ではなく、掲載期限が迫っていたこともあり、削除した」であることは既に明らかになっていましたが……。
例えば、10月8日の東京新聞の記事 では「キャラクターが不適切ではないかとの意見があった」と報道しつつも「意見の中に、議連が含まれるかどうかは明らかにしていない」とされていました。
なので、全国フェミニスト議員連盟の抗議が、削除の要因となったことを警察側がメディアに明らかにしたのは、おそらくこれが初めて。それでいて、しっかりと「議連の意見を正当なものとして受け入れたわけではない」とも説明しています。
板倉節子氏はこの件に関して、以下のように述べています。
警察側とは何度も連絡を取り合い、対話ができている。
しかし、一方で。
全国フェミニスト議員連盟の方とは一切コンタクトが取れず、対話の糸口がつかめていない。それでいて、なぜか全国フェミニスト議員連盟は「対話を求めるアクションがない 」と記者会見で発言している様子。
私は、板倉節子氏と同連盟が建設的な話し合いができる場が設けられることを、願うばかりです。
【2021年10月30日】 戸定梨香さんに関する署名が7万筆を達成 2021年10月30日、午前8時14分。
署名運動が7万筆を超えたと、おぎの議員がTwitterに投稿します。それと同時に、署名ページにも文言が追記されました。
署名が7万筆達成しました。感謝申し上げます。 また、記者会見でもご報告しましたが戸定梨香さんは、今後クラウドファンディングを立ち上げて資金を募り、松戸市内のバスに約半年間ラッピング広告を施し、名誉回復も兼ねて松戸市内を走らせることや、同市内に店舗を構える有名ラーメン店「中華蕎麦とみ田」様とのコラボなど今後も活動を行っていく予定です。 皆様のご支援を引き続きよろしくお願いします。
(キャンペーン · 全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状 · Change.org より引用)
【最後に】 連絡事項と署名運動について ここまで読んで下さって、ありがとうございました。
当記事に関することで、網羅しきれていない重要な情報がございましたら、私こと「神崎ゆき 」までご連絡ください。
noteのコメント欄よりも、TwitterのDMの方が速やかな返信が可能です。私がブロックしている方を除き、どなたからのDMでも受け付けられるように設定しております。
また、よろしければ署名運動にもご協力頂けると幸いです。
何卒、よろしくお願いします。
【追記】 VTuber戸定梨香さんのクラウドファンディング目標達成について 2021年11月25日21時より、VTuber戸定梨香さんがクラウドファンディングを開始しました。
その内容は松戸市で「ラッピングバス」を運行させるというもの。支援のリターンは、松戸の名産品でした。
なんと、このクラウドファンディングは「開始4時間」で当初の目標が 達成され、最終的に目標金額の345%である「約1,200万円」が集まりました。
これにより「半年間だったラッピングバス運用期間を1年間に延長」「オリジナル曲&MV制作」「ラッピングカー制作」というストレッチゴールも全て達成されることになりました。
VTuber戸定梨香さんがいかに愛されているかの証明でもあると思います。
彼女の今後の活躍を、私は心より願っています。