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名は体をあらわす

先日ボーっとしながら、地元のニュース番組を見ていた。

そこには額に汗水たらしながら、懸命にドッチボールをしている小学生達がいた。

目には簡単に消し去ることのできない炎を灯している。

そして小さな体からは想像のつかない不撓不屈の精神のようなものを、画面越しからも感じた。

(ちなみに筆者は同じぐらいの年齢の時には炎が完全に消えていた)

「頑張ってるなー」と月並みな感想を抱き、頭の中は別のことを考えていた。

しかし、次の瞬間に私の注意力はこのドッチボールチームの名前にもっていかれた。

片方は「ツナマヨネーズ」

もう片方は「ドラゴンフェニックス」

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仮に選手を見ないでチーム名だけで対戦相手を選ぶなら、確実に「ドラゴンフェニックス」は選択肢から外すだろう。

そして「ツナマヨネーズ」と対戦できるように、あの手この手を使って策を弄することは想像に難しくない。

こちらのチーム名を「しゃけおかか」にして、無理やりライバル感を演出することも考えるだろう。

冗談はさておき、このチーム名の両者の違い、「ツナマヨネーズ」という独創的なチーム名に驚いた私は改めて選手の様子をしっかりと見ることにした。

これは・・・・・・・・・・・・・

「完全にドラゴンフェニックスの選手の方が強そうに見えるということ」

(実際の強さはわからないし、試合の勝敗も確認していない)

しかし私は自分のその判断をメタ認知して再考することにした。

これはただのバイアスなのではないかと。

「ドラゴンフェニックス」強そうといった先入観が、選手を見るレンズにも影響を及ぼし、私の認知を形成した。

名は体を表すとは言うが、体は名によって表さられてしまうと言ってもいいかもしれない。

そして今回のことは他の領域にも起こりうる可能性がある。

投資先で迷っている時の決め手として、しっくりくる名前の会社を選ぶ。

魅力的なタイトルの旅行ツアーを申し込む。

最新のトレンドの名前が入った商品を買う。

また名前による影響は、食品のパッケージデザインにも言えることだ。

「オーガニック」「ヘルシー」といった言葉に心惹かれ、実際の内容を見る前に購入を決めてしまうこともある。

映画や本のタイトルも同様で、魅力的なタイトルに惹かれて選んだ経験は誰にでもあるだろう。

名前が与える印象は、その対象への期待値を高め、時には実際の内容や性質を見る前に判断を下す原因となる。

それは日々効率良く判断を下すことに寄与しているが、時にミスや失敗を誘発してしまう装置としても機能している。

株式会社赤字が良い投資先になる可能性もあるし、

地獄めぐりツアーが充実した旅行日程になっているかもしれないし、

ゴキブリパンが今までに食べたことのない至高の味を提供するかもしれない。

可処分時間がどんどん少なくなっていく現代において、思考の瞬発力ばかりが求められるが、思考の持久力がないと解決できない問題があることを忘れてはならない。

ちなみにゴキブリパンはどんなに美味しくても食べたくない。


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