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眠りのメカニズム

私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めます。このような規則正しい睡眠リズムは疲労による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます。
健やかな睡眠を維持するために、夜間にも自律神経やホルモンなどさまざまな生体機能が総動員されます。
睡眠にはサイクルがあります。
夢を見る「レム睡眠」と大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で変動し、朝の覚醒に向けて徐々に始動準備を整えます。

睡眠と覚醒のリズム

私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠りに入り、7-8時間ほどで自然に目覚めます。また徹夜をしていても徐々眠気が強まり、明け方になると耐え難い眠気を感じますが、午後には眠気がいったん軽くなります。
このように決まった時刻に眠気が出現し、また醒めてゆく睡眠(眠気)のリズムはどのように形作られるのでしょうか。

睡眠をかたちづくるふたつのメカニズム

第一のシステムは覚醒中の疲労蓄積による睡眠欲求です。睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなります。
徹夜などで長時間覚醒していると、普段寝つきにくい人でもすぐに入眠し、深い眠りが出現することが知られています。
いったん眠りに入ると睡眠欲求は急速に減少し、その人にとって十分な時間だけたっぷりと眠ると睡眠欲求は消失して私たちは覚醒します。

第二のメカニズムは覚醒力です。覚醒力は体内時計から発信され、一日の決まった時刻に増大し、睡眠欲求に打ち勝ってヒトを目覚めさせます。
普段の就床時刻の数時間前に最も覚醒力が強くなり、その後メラトニンが分泌される頃(就床時刻の1-2時間前)に急速に覚醒力が低下します。
このため、私たちは夕食後に団欒するなどすっきり目覚めていても、就床時刻あたりで急に眠気を感じるようになります。
仮に覚醒力がなければ、徐々に強まる睡眠欲求のため日中の後半は眠気との戦いで質の高い社会生活は営めなくなるでしょう。

睡眠を維持するために生体機能を総動員

例えば、活動する日中には脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃がして脳を冷やします(熱放散)。
そのため就床前の眠気が強くなる時間帯は、脳が急速に冷える時間と一致しています。寝入る前に赤ちゃんの手足がぽっかりしているのは熱放散をしているためです。
また同じ頃、体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌を始め入眠を促します。
これら以外にもさまざまな生体機能が協調しあいながらハーモニーを奏でるように質の高い眠りのために作用します。
朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また脳の温度が自然に高くなります。
このような準備状態が整って私たちは健やかな目覚めを迎えます。

メラトニンは睡眠を促進する作用を持ちますが、明るい光の下では分泌が停止します。静臥して熱放散を促し、メラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことなのです。

消費カロリーと睡眠の関係

すなわち睡眠は覚醒中に蓄積した疲労を回復すると同時に、エネルギーを節約するための最も効率の良い休養のあり方であるといえます。ヒトも成長とともに体重当たりの消費カロリーが減少します。睡眠時間、特に深い睡眠が年齢とともに減るのは理に適ったことであるともいえます。


どうでしたでしょうか?
睡眠の仕組みも理解していれば不眠症というものに対しての知識も増えるかと思います。
不眠症かな?と思ったら迷わずに医者へ受診してくださいね。

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